著者
池上 俊一 加藤 玄 草生 久嗣 千葉 敏之 藤崎 衛 小澤 実 菊地 重仁 田付 秋子 橋爪 烈
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本共同研究によって得られた成果は以下の3点にまとめられる、第一に、初期中世からルネサンスに至るまで、教皇庁の制度は、内外のコミュニケーションを通じて、ヨーロッパ全体の変動に対応するかたちで展開していた。第二に、イベリア半島から北欧・東欧に至るまで、ラテン・カトリック世界における普遍君主としての教皇庁の影響が、君主から地方に至るあらゆるレベルで確認された。第三に、ビザンツ帝国、イスラム政体、モンゴル帝国といったラテン・カトリック世界の外部との交渉を通じ、教皇庁はヨーロッパの世界認識ならびに自己認識を変化させた。
著者
菊地 重仁 仲田 公輔
出版者
青山学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、カロリング期の文書、とりわけ命令書を含む書簡形式の文書を政治的コミュニケーションという観点から分析し、同文書群をもって形成・維持される政治的ネットワークを通じ、政治的秩序が創出・維持ないし再生されていく様態を明らかにすることを目的とした。これらの文書の生成プロセス、文書類型、使用文脈や機能、書式・物的形態、自称と他称に関する用語法などを分析し、発給者・送付者と受取人との関係性の構築あるいは強化、さらにはこうした1対1の関係では完結しない、例えば読み上げられた文書内容を耳にする人々をも含めたより広範なコミュニケーションの可能性をも指摘した。