著者
蔵屋 鉄平 澤 幸祐
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
no.3, pp.33-40, 2013-03

抗うつ薬の薬効評価や新規抗うつ薬の開発には,適切な動物モデルの存在が欠かせない。うつ病動物モデルの作成法は複数あるが,操作の簡便性や薬物への反応性の高さから,強制水泳試験がもっとも頻繁に用いられるうつ病動物モデルである。強制水泳試験は,薬効評価のみならず,うつ病の病態生理の解明にも多大な貢献を果たしてきた。しかし,頻用されるに伴い,変法が多様化し,そこから得られる知見は複雑化している。また,用いる系統によっても反応性は異なることが知られ,最適なモデルを特定するには至っていない。さらに,うつ病モデル動物とヒトのうつ病との間には決定的な隔たりがあり,その問題をいかに扱っていくかは重要な課題である。本稿では,強制水泳試験によるうつ病モデルマウスの知見を概観し,その現状と今後の課題を検討した。
著者
蔵屋 鉄平 澤 幸祐
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.33-40, 2013-03-15

抗うつ薬の薬効評価や新規抗うつ薬の開発には,適切な動物モデルの存在が欠かせない。うつ病動物モデルの作成法は複数あるが,操作の簡便性や薬物への反応性の高さから,強制水泳試験がもっとも頻繁に用いられるうつ病動物モデルである。強制水泳試験は,薬効評価のみならず,うつ病の病態生理の解明にも多大な貢献を果たしてきた。しかし,頻用されるに伴い,変法が多様化し,そこから得られる知見は複雑化している。また,用いる系統によっても反応性は異なることが知られ,最適なモデルを特定するには至っていない。さらに,うつ病モデル動物とヒトのうつ病との間には決定的な隔たりがあり,その問題をいかに扱っていくかは重要な課題である。本稿では,強制水泳試験によるうつ病モデルマウスの知見を概観し,その現状と今後の課題を検討した。