著者
浅見 泰司 山田 育穂 貞広 幸雄 中谷 友樹 村山 祐司 有川 正俊 矢野 桂司 原 正一郎 関野 樹 薄井 宏行 小口 高 奥貫 圭一 藤田 秀之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

あいまいな時空間情報概念の整理、あいまいな時空間情報に既存の時空間情報分析を行った時の影響分析、まわり、となりなどの日常的に使われながらも意味があいまいな空間関係の分析ツールの開発、時空間カーネル密度推定手法の開発、歴史地名辞書の構築と応用分析、あいまいな時間の処理方法の提案、古地図と現代地図を重ねるツールの開発、あいまいな3次元地形情報の分析、SNSの言語情報の空間解析、あいまいなイラストマップのGPS連動ツールの開発、スマートフォン位置情報データの分析、アーバンボリュームの測定と応用、あいまいな敷地形状の見える化などの研究成果を得た。
著者
薄井 宏行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.570-577, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
17

本稿では,基本単位区,町丁目,250mメッシュ単位(基本単位区等)において,建物当たり平均人口,建物当たり平均世帯数,そして平均世帯人員(各建物利用強度)を算出し,その空間的な分布の特徴を基本単位区等の集計単位の違いに着目して解明した.主な知見はつぎの二点である.第一に,千葉県北東部や南部では,建物当たり平均人口と世帯数は1未満となる基本単位区が連坦する一方,北西部を中心に人口集中地区(DID)とその周辺では,建物当たり平均人口と世帯数は1以上となる基本単位区が連坦する.第二に,基本単位区における各建物利用強度を町丁目や250mメッシュ単位で推定する際の差分の空間的分布をみると,千葉県北東部や南部では,差分は0近傍となる基本単位区が連坦する一方,北西部を中心にDIDとその周辺では,差分の絶対値は1以上となる基本単位区が連坦する.とくに,同一の町丁目において戸建住宅と高層住宅が立地する場合,戸建住宅で主に構成される基本単位区では,町丁目単位や250mメッシュ単位ですると10以上の過大推定となるおそれがある.逆に,中高層住宅で構成される基本単位区では,10以上の過小推定となるおそれがあることに留意すべきである.
著者
山本 和也 薄井 宏行 浅見 泰司
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.688-695, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
11
被引用文献数
1

今日では、高齢者の生活の質を維持するため、高齢者の歩行距離を軽減してモビリティを確保することが重要な課題の一つとなっている。公共交通機関の利用に伴う歩行距離を軽減する施策の一つとして、路線バスのフリー乗降制の導入が挙げられる。本研究では、フリー乗降制が導入されているバス路線における利用者の総所要時間を求めるモデルを構築した。また、都市部を走行する横浜市青葉区のみたけ台線に対してモデルを適用し、利用者の総所要時間を最小化するフリー乗降区間の配置を求めた。モデルの適用結果から、時間帯ごとにフリー乗降区間の配置を変えることで、総所要時間と総歩行時間を共に短縮できることが明らかになった。