著者
酒井 恭徳 藤井 威生 マイケル ロックラン 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.99, pp.1-6, 2001-05-22
参考文献数
11
被引用文献数
2

車々間通信の使用は将来のITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)において, 車両同士での情報交擬のために欠かせない技術である. 本論文では対向車の干渉を考慮した車々間通信において, DS/SS(直接拡散)方式を用いた場合とFH/SS(周波数ホッピング)方式を用いた場合を計算機シミュレーションにより比較する. その中で特に, 対向車をトラヒックモデルを用いて生起させた場合の車両の認識率に注目して検討を行う. その結果からDS/SS方式では遠近問題により対向車が大きな干渉となること, そしてFH/SS方式では遠近問題がほとんど起きないため, 対向車の干渉が十分に抑えられることを明らかにする. さらに, 車両認識率において, 距離が離れた車両に対する性能がFH/SS方式の利用により大幅に改善することを示す.
著者
坂井 駿太 遠藤 朋実 藤井 威生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ASN, 知的環境とセンサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.399, pp.123-127, 2014-01-16

無線センサネットワークにおける情報収集手法の一つとして,筆者らは観測情報を無線通信における物理量パラメータにマッピングする周波数変換を用いたデータ収集手法を提案している.観測情報を直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)におけるサブキャリア番号に直接変換することで,端末が多数存在する場合でもパケット変換方式を用いた手法に比べて高速にデータ収集することが出来る.しかし,これまで提案していた方式では,各端末の識別に時間スロットを割り当てて時分割で伝送していたため,同時に使用できる端末数が時間タイムスロット数に依存していた.本稿では,端末の識別に周波数ホッピングのパターンを用いることで,時分割で送信していた従来手法に比べて多くの端末から同時にデータ収集することが出来るようになることを示す.
著者
梅林 健太 藤井 威生 ザカン タン 小野 文枝 阪口 啓 鈴木 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.246, pp.65-72, 2009-10-15
被引用文献数
1

本稿では,プライマリシステム(無線LANシステム)と周波数共用を行うセカンダリシステム(Cognitive MIMO Mesh Network:CMN)の評価用シミュレータの紹介を行う.筆者らは,周波数共用を行うセカンダリシステムとして高速高信頼な無線分散ネットワークとしてCMNの検討を行ってきた.CMNは時間,空間軸で既存の無線LANシステムと高効率な周波数共用を実現する.このとき,環境認識技術として協調センシング法,占有率推定法を用い,効率的な周波数共有のためにダイナミックMACプロトコルとダイナミックルーティング法をCMNは備えている.さらに,CMNは,双方向MIMOやネットワークコーディング技術をとりいれることで,より高い周波数利用効率を達成できる.本稿では,特に環境認識技術である協調センシング法,占有率推定法と,周波数共用技術であるダイナミックMACプロトコル,ダイナミックルーティング法の紹介を行う.さらに,それらを統合したCMNの紹介と,トータルパフォーマンスを評価するために評価用シミュレータを開発したのでそれを紹介する.
著者
中嶋 信生 唐沢 好男 本城 和彦 山尾 泰 藤井 威生
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

自動車事故防止を目的として,高信頼な車車間情報通信,高精度測位,危険の表示方法等の研究開発を行った.具体的にはMIMO+アダプティブ複号化,路側無線機中継,車の置かれた状況に応じたルーティング手法等の適用により,車車間通信の高信頼化を図ると共に,電波干渉の強い車車間通信に耐える低歪・高能率な無線回路を開発した.衝突防止に向けた車対人の相対測位ならびに歩行者の高精度電波測位では, 2. 4 GHzの周波数で推定誤差1m以下を達成した.ウェアラブル型の常時即時認識可能なドライバー用情報表示機器を実現した.