著者
藤井 忠志 稲葉 正和 湯浅 俊行 横山 恵一
出版者
Association of Wildlife and Human Society
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.33-40, 2019 (Released:2019-12-29)
参考文献数
48

Mt. Hayachine, which is the famous mountain of Iwate, has had reported sightings of the Rock Ptarmigan Lagopus muta since ancient times, but there was never any evidence to support it. However, in a school collection in Ehime Prefecture, a stuffed specimen suspected of being a Rock Ptarmigan from Mt. Hayachine in Iwate Prefecture was analyzed, and the authenticity of the production area was examined.
著者
藤井 忠志 渡邊 治
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.S25-S30, 2012 (Released:2013-01-05)
参考文献数
11

岩手県雫石町七ツ森の町有林で,雄2個体,雌1個体が関与したサンコウチョウ Terpsiphone atrocaudata の繁殖を観察した.雄は尾羽の短い若鳥と,尾羽の長い成鳥であった.給餌行動や雄,雌による排他的行動から,雌個体とつがい形成していたのは,前者であると考えられた.尾羽の長い成鳥の雄がどのような経緯で繁殖に関与するようになったのかは不明である.今後,このような事例が見つかった場合は,DNAサンプルを採取して父性を調べると同時に,本種の繁殖生態を精査することが重要である.
著者
藤井 忠重 平山 二郎 金井 久容 半田 健次郎 草間 昌三 矢野 今朝人 高本 信治 丸山 喜代次 滝沢 正臣
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.179-184, 1982

心肺疾患6例に<SUP>201</SUP>Tlシンチグラフィを実施し, 血液および体外計測により経時的放射能量変化を観察するとともに<SUP>99m</SUP>TC-ヒト血清アルブミン (<SUP>99m</SUP>TC-HSA) を併用し, 肺血管内スペースに存在する<SUP>201</SUP>Tlの画像を求め, これを<SUP>201</SUP>Tl像からサブトラクトし, 肺血管外スペースの<SUP>201</SUP>Tlの画像を算出した。血中消失曲線では急速に減少し, 15分後では静注1分後の値の10~15%となり, 体外計測で肺の放射能量は100~150秒後にほぼ一定となった。肺血管外および肺血管内スペースにおける<SUP>201</SUP>Tl量は, 症例により若干の差異を認めるが肺集積量のおのおの94.9~99.7%, 0.6~7.2%を占め, また, 前者の画像は通常の<SUP>201</SUP>Tl像とほぼ同様であり, <SUP>201</SUP>Tlの肺集積はほぼ肺血管外スペースへの集積とみなせる。
著者
藤井 忠重 金井 久容 草間 昌三 滝沢 正臣
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.115-120, 1975

腫瘍の陽性描画として, <SUP>197</SUP>HgCl<SUB>2</SUB>と<SUP>197</SUP>I-RISAを用いてホールボディスキャナまたはシンチカメラーミニコンピュータによりサブトラクション・シンチグラフィを施行した。画像の質の向上の点でサブトラクション・シンチグラムは従来の<SUP>197</SUP>HgCl<SUB>2</SUB>のシンチグラムに比し有用であった。本法により, 非特異的な<SUP>197</SUP>Hgの集積が除去され, 縦隔の転移巣における集積がより明瞭となった。両装置によるサブトラクション・シンチグラフィはおのおのの特徴を有し, 前者では位置分解能が良好で, 後者ではデータ収録時間が短く, 減算がより正確かつ容易でコントラスが良好なサブトラクション・シンチグラムが得られた。
著者
藤井 忠志
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-18, 2021-04-23 (Released:2021-05-14)
参考文献数
80

本州に生息するクマゲラDryocopus martiusは,高度経済成長期におけるブナ林伐採により,生息地を奪われ,北東北のブナの自然林が残存した地を拠点とし,種を維持してきたが,研究者も少ないことから未解明な生態が多い.本論文では,本州におけるクマゲラの生態と研究小史に焦点をあて,これまで何が既に解明されており,何が未だ解明されていないかを整理し,次に解決すべき課題が何かを明白にすることを目的とした.クマゲラはムネアカオオアリを主とするアリ類を捕食し,営巣地の最終決定は雌が行う.繁殖期の役割分担の違いは明確で,つがいのどちらかが死んでも残った片親で巣立ちまで世話をする.巣立ちは6月中旬に行われ,平均の巣立ち雛数は2.2羽で西ドイツにおける値に近い.またクマゲラの巣穴は他の鳥獣にも利用され,要石的種としての役割を果たしているものと推定される.一方,本州での営巣木選好性の決定要因の把握が大きな課題でもある.例えば,営巣地環境,生立木である理由,胸高直径の許容範囲,下枝から巣穴までの距離,樹幹の傾斜,巣穴(産室)の大きさなど.さらにねぐら木や行動圏の把握,現状の分布および新たな分布などまだまだ明らかになっていない課題がある.本州のクマゲラについては,江戸時代すでにクマゲラが生息していたことを示す観文禽譜という古記録が存在していた.また,クマゲラの発見には川口孫治郎ほか多くの研究者や人物が関与し,現在では北東北三県のブナ林に定着していることが明らかになった.しかし,北海道など主要な生息地との個体交流も限られている可能性が高く,本州のクマゲラは,早急に保護を要する可能性が高いと考えられる.
著者
藤井 忠
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜経営研究 (ISSN:03891712)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.170-179, 1994-09