著者
神 展彦 芳賀 直樹 藤代 一成
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.443-444, 2016-03-10

グルーヴとは,演奏における音のうねり,リズムのノリや一体感などを表す音楽特徴の一つである.グルーヴを習得することは多くの時間と経験が必要であり,初心者にとって種々のグルーヴの違いを聴き分けることは難しい.また,グルーヴの分析に関する研究は多々存在するが,いずれの研究もユーザの音楽知識が必要で直感的な結果の読み取りが困難である.グルーヴの差異や特徴を図形としてインタラクティブに描画することで,直感的にグルーヴを捉えることが可能なる.本研究では,入力されたMIDIを,マルチスレッド処理を用いてインタラクティブに図形に変換し,音楽知識の乏しいユーザでもグルーヴの習得に有用である,直感的なリズムを可視化することを目的とする.
著者
北山 暁子 藤代 一成 平野 恒夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.76, pp.17-22, 1998-08-27
被引用文献数
2

パーティクルシステムなどに応用可能な,大規模球群を高速に描画する手法を提案する.粒子を球体として描画する際の問題の一つに,レンダリング計算コストに起因する描画の遅れがある.これを改善するために,ポリゴンによって近似した球を3次元的にレンダリングするのではなく,球の陰影を表した,異なる解像度のテンプレートテクスチャを予めテーブルに格納しておき,それらから光源やビューイングパラメータに依存した部分テクスチャを切出し,円盤状のビルボードにマッピングすることによって粒子を高速に描画する.そして,この手法の効果を検証するために,分子動力学計算によって得られた,数千個オーダーの粒子系の時系列データを用いてリアルタイムアニメーション作成を試みる.This paper proposes a method for fast display of a large-scale system of particles. To alleviate the temporal complexity of 3D rendering of geometrically-represented spheres, the method renders each sphere by extracting an appropriate partial texture analytically from the multi-resolution template texture table for shaded sphere, according to the position relative to a light source and viewing-related parameters, and maps the extracted texture onto a disc-shaped billboard. The effect of the present method is proven with an application to the realtime visualization of a 4D molecular dynamics data set comprising a thousand particles.
著者
佐藤 和彦 池辺 八洲彦 藤代 一成
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.187-188, 1992-09-28

現在多種類の自然言語辞書(以下辞書とよぶ)が利用されているが,ユーザーの立場から見ると辞書にはいくつか不備な点が認められる。それらは大別して構造的な欠点と内容的な欠点の2つに分類することができる。構造的な欠点の多くは通常の辞書が「紙」という媒体で構築されていることを原因とする欠点で,内容的な欠点とは辞書が扱う情報に関する欠点である。文献では,内容的な欠点の一例として英和辞書における単語の語源情報の取扱いの不備が指摘されている。自然言語の時的発達に関する情報をまとめて語源情報という。語源情報には,その単語に関する意味,語形,用法などの歴史的変化の情報が含まれる。当研究室では,英和辞書に普遍的に見られる語源情報の不備を新しい視点から改善した辞書システムを,高度データベースシステムとして構築するプロジェクトが進行中である。その一部として本報告では,大学受験生(高校生),一般社会人を対象とした英単語学習システム構築を念頭におき,語源情報の一部である印欧原語語根から生じる単語間の関連の利用可能性と有効性の調査結果について述べる。
著者
井上 千鶴 原島 省 渡辺 正孝 池辺 八州彦 市川 哲彦 佐藤 浩史 藤代 一成
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.365-366, 1994-03-07

鞭毛藻などの数種の水生微生物の培養液の表面に、微生物を多く含む部分が筋状に垂れ下がることが知られている。Plattは、これをBenard型対流との相似性から生物対流と名付けた。この対流現象は、微生物の反重走性によって培養液に密度不安定が生じ、それが原因となって起こると考えられるため、生物系と非生物系との間の相互作用を扱っている点で非常にユニークである。80年代に著者の一部により、流体力学的アプローチによる生物対流の鉛直2次元数値シミュレーションが行なわれた。本研究の目的は、同様のアプローチに基づいた数値シミュレーションを3次元化し、さらに効果的な可視化によって現象を解析することにある。現在、この問題をとり上げる理由は大きく二点ある。一点は、この現象の同アプローチによる解析が2次元までしか行なわれていなかったこと、もう一点は、この現象がボリュームレイキャスティングと呼ばれるボリュームビジュアライゼーション手法によって効果的な可視化が可能となる典型的な例であることである。本稿では生物対流現象を概説したあと、可視化手法を紹介しその結果を考察する。そして最後にまとめと今後の展望を述べる。
著者
喜多村 晶子 竹島 由里子 市川 哲彦 藤代 一成 佐藤 浩史
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.261-262, 1994-03-07

本研究は、純粋な関数型算譜言語(pure FP)とデータベース(DB)の操作体系との統合を目的としている。関数型データベース算譜言語(DBPL)の研究・開発が行われる一方で、pure FPは種々の参照透過な入出力機構を備えてきた。従って、Nikhilに指摘されたような、順次実行制御機構の欠落に起因する更新操作記述の困難さは解消可能である。関数型のDBPLではDBは記号束縛の環境で与えられ、更新は記号束縛の変更/生成、または記億域に束 縛された変数への代入により行われる。一方、pure FPでは実行時にトップレベルの束縛環境変更はできないため、なんらかの形で変数操作に対応する操作体系を持ち込む必要がある。本研究では、関数型算譜言語Haskell上に、モナド(Monad)による順次実行制御と、多重定義関数によるDB操作体系の導入を行った。多重定義はクラス(class)機構によって制御されているが、言語仕様の若干の変更が必要であったため、Glasgow Haskell Compilerに手を加える形で、これを実現した。簡単な操作例を図に示す。これは"university" DB中の学生データを更新する例であり、findStudentは名前で学生データを検索するためのユーザ定義関数である。以下、想定したデータモデルの簡単な説明に続いて、モナドの利用とDB操作体系の実現について順に説明をし、最後にまとめを行う。