著者
藤崎 健一郎 津久井 敦士 勝野 武彦
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.679-682, 2000-03-30
被引用文献数
3 8

街路樹の樹種や大きさなどがほぼ同じで剪定方法が異なる2地域を対象とし,周辺住民の街路樹に対する意識についてアンケートを行って比較した。強剪定が行われている街路樹の周辺住民に比べて,自然成長仕立ての街路樹の周辺住民の方が街路樹の各効果に対する評価が高かった。さらに,街路樹による落ち葉や歩行の妨げなどの問題に対して「許容できる」との回答比率も,自然成長仕立ての地域での方が多いという結果が得られた。これらのことから、過剰な剪定はかえって苦情を増幅し,むしろ適切に枝を伸ばして良好な姿にする方が街路樹の評価を高め,多少のマイナス面は許容されるようになると考察された。
著者
小林 恭子 勝野 武彦 藤崎 健一郎
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.197-200, 2001-08
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

コケシートとは乾燥させたコケ(蘚類)をネットに挟んでシート状にしたもので, 屋上や壁面へのコケ植栽に使用されている。本研究は, コケシートからコケが良好に生育する条件を明らかにすることを目的とし, コケの種類, 灌水および光条件の違いによる生育の差違を, 緑被率と新芽の数などから比較したものである。灌水頻度を変えた実験では無灌水区の生育は良く, 実験地の気候条件においては自然の降雨のみで充分な生育が可能と判断された。寒冷紗等により光条件を変えた実験ではコケの種類による違いが見られ, スナゴケは相対照度(光量子, 日射もほぼ比例)50%以上の方が旺盛に生育したのに対し, ハイゴケは50%以下の方が生育良好であり, トヤマシノブゴケは20%以下の方が良いという傾向がみられた。
著者
小木曽 裕 根本 和晃 藤崎 健一郎
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.753-756, 2013 (Released:2014-05-08)
参考文献数
17
被引用文献数
2

The aim of this study is to elucidate how residents’ perception and use of green belts (“forests”) in housing complexes changed when such spaces were redeveloped in order to meet residents’ needs to eliminate parts considered as obstacles from the viewpoints of perception and utilization. The opinion of residents about the forest space in Tamadaira was that its balance was improved by the redevelopment, its overall atmosphere was lightened, and the space became easier to use. Consequently, the forest was considered to have become more valuable. The use of forests preserved in the area also increased as a result of redevelopment, and the residents’ perception of the forests was improved. This higher evaluation is attributed to the comprehensive improvement of forests in accordance with the needs of residents, whereby the presence of forests was the objective of planning and scholarship through long-term workshops and green academic seminars.
著者
小林 恭子 勝野 武彦 藤崎 健一郎
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.197-200, 2001-08-31 (Released:2011-02-09)
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

コケシートとは乾燥させたコケ (蘚類) をネットに挟んでシート状こしたもので屋上や壁面へのコケ植栽に使用されている。本研究は, コケシートからコケが良好に生満する条件を明らがこすることを目的とし, コクの種類, 灌水および光条件の違いによる生育の差違を, 緑被率と新芽の数などから比較したものである。灌水頻度を変えた実験ではま無灌水区の生育が良く, 実験地の気候条件においては自然の降雨のみで充分な生育が可能と判断された。寒冷紗等により光条件を変えた実験ではコケの種類による違いが見られ, スナゴケは相対照度 (光量子, 日射もほぼ比例) 50%以上の方が旺盛に生育したのに対し, ハイゴケは50%以下の方が生育良好であり, トヤマシノブコケは20%以下の方が良いという傾向がみられた。
著者
藤崎 健一郎 長倉 亮一 高田 彬成
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.397-400, 2007-03-30
被引用文献数
2 1

Recently, school children sometimes participate in cultivating school turf. Even though as it is, the following case must be an outstanding case. An elementary school child proposed to make school turf. The merit and demerit of school turf were discussed in the class of integrated learning. They decided to execute an experiment to select better turf grass species for school ground. On this process, they contacted with many persons includes specialists and volunteers. As results, they got small but worthy turf plot. After they graduated, the city government gave budget to enhance turf. Now the school children, parents, graduates, teachers, and volunteers are attending workshop to maintain that school turf. On the process of learning about turf grasses, many persons from outside of the school helped the school children. The present social background must be different from the 1970 th decade when many school turf were constructed but disappeared soon. This time the school children studied much about biological and cultural aspects of turf grasses. In addition to natural scientific matters, the children studied much about the importance of the social connections.
著者
橋田 祥子 加治屋 亮一 小池 義和 安田 明生 大森 宏 藤崎 健一郎
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、明星大学緑地環境保全ボランティアクローバーを、日野市、あきる野市、八王子市の市民が、緑地保全や緑の環境緩和効果に関する環境測定を通じて交流する仕組みの核として位置づけ、芝浦工業大学と共同で開発した環境教育ツール(GPSを用いた移動観測装置)を用い、中学生と共同で環境測定を実施した。また、東京大学大森研究室と共同開発した、ホームページを用いた対話型環境教育ツールを用いて樹名板の作成や構内樹木マップの作成に取り組み、市民が緑に親しむきっかけづくりに取り組んだ。今回開発した環境教育ツールを様々な場面で応用し、若い世代が緑に親しみ、緑地保全に興味を持つきっかけを広げてゆきたい。
著者
藤崎 健一郎 半田 真理子
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.151-156, 1994-03-31
被引用文献数
4 10

本研究は,植栽が微気象に及ぼす効果を定量的に把握することを目的とし,特に温度に重点をおいて調査したものである。日射の強い夏の日においても樹林内外の気温差は2〜3℃程度であるが,人が感じる差異はこれよりはるかに大きい。そこでグローブ温度計を用いて黒球温度を測定したところ,気温差が1.6℃の時に17.1℃の差があり,体感温度の差を定量的に表現するのに適していると考えた。そこで,各種の植栽地内外において,気温,黒球温度及び他の微気象要素の測定を冬季に行った。その結果,街路樹の有無によっても黒球温度で8℃程度の差ができること,地表面の状態によっても黒球温度に差ができることなどが明らかとなった。