著者
木戸 久美子 中村 仁志 藤田 久美 林 隆
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学社会福祉学部紀要 (ISSN:1341044X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.135-139, 2005-03-20

本研究は発達障害と性非行および性犯罪との関連を文献的に考察することを目的とした。本邦における医学文献の検索には医学中央雑誌を、外国文献の検常には医学文献データベースMEDLINEを用いた。発達障害と性非行および性犯罪との関連の医学論文は国内で3件、国外で6件とともに少なかった。性非行や性犯罪と関連する発達障害としては、本邦では広汎性発達障害、なかでもAsperger症候群があげられていた。外国では注意欠陥/多動性障害(以下AD/HD)との関連も指摘されていた。どのような発達障害特性が性非行や性犯罪に関連するかは、エビデンスが十分ではないために断定的なことは言えない。発達障害と性非行および性犯罪を短絡的に結びつけることは大変危険であるが、文献的研究からは、発達障害児者の持つ発達特性と彼らを取り巻く否定的な環境要因が、結果的に発達障害児者を反社会的行為に追い込んでしまう可能性が示唆された。
著者
石川 達也 犬飼 道雄 森元 真理江 田中 真紀 藤田 久美子 西山 武 西山 剛史 梶谷 伸顕
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.1203-1206, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
13

【目的】高負荷運動療法施行が困難である超高齢者のサルコペニアに対して、栄養療法+低負荷運動療法を行い、プロトコールの安全性と身体に与える影響について検討した。【対象及び方法】栄養状態良好でサルコペニアと診断された76名のうち、高負荷運動療法施行が困難と判断し、栄養療法+低負荷運動療法を実施した23名を後方視的に検討した。週3回3か月間栄養療法+低負荷運動療法を行い、栄養状態や身体能力の評価を行った。【結果】完遂率91.3%、運動療法中断率5.2%、運動療法後栄養療法不能例はなかった。歩行速度、Timed Up and Go (TUG) 、Short PhysicalPerformance Battery (SPPB) で有意に改善した。【結論】栄養療法+低負荷運動療法は安全に行えたが、効果は限定的であった。
著者
木戸 久美子 藤田 久美
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.135-154, 2019-05-24 (Released:2019-06-05)
参考文献数
37

本研究では,幼児期から学齢期にある発達障害児および発達障害が疑われる児の育児上の気がかりと,母親の精神面の健康度によってその気がかりに特徴があるのかを質的に検討することを目的とした。小児科発達外来を受診した発達障害児および発達障害が疑われる子どもの母親25人を対象とした。対象者には,The Center for Epidemiologic Studies Depression Scale(以下CES-D)を用いて抑鬱傾向調査と発達障害児の育児に関して半構造化面接を行った。質的データは,Framework methodsを用い,量的データはEZRを用いて分析を行った。対象者のCES-D平均値は15.9(±10.2)であり,CES-Dの「鬱あり」のカットオフ値である16に近い点数であった。また,CES-D平均値の結果から「鬱あり」の範疇にあったのは11人(44%)で本邦におけるうつ病生涯有病率3~7%(厚生労働省)よりも高い発症率であることがわかった。今一番気がかりなこととして,CES-D正常値群の母親,抑鬱群の母親の双方において将来への不安が語られていた。抑鬱群の母親では,子どもの異性への性的関心が性犯罪に結びつくことを懸念していること,行き場のないストレスを抱え家族や子どもとの関係に影響を与えていることがわかった。母親の精神面の健康状態は,子どもの問題行動や育児を通してのストレスへの主観的な感じ方が影響している可能性が考えられた。
著者
穴沢 豊 国分 守信 藤田 久美雄
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.27-35, 1972 (Released:2010-02-25)
参考文献数
29
被引用文献数
1 2
著者
高井 利恵子 宮島 真治 大村 亜紀奈 森澤 利之 岡野 明浩 木田 肇 沖永 聡 久須美 房子 大花 正也 藤田 久美
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.9, pp.1689-1695, 2015-09-05 (Released:2015-09-05)
参考文献数
12

既往にStage Iの腎細胞癌摘出術を受けた男性が,倦怠感と肝胆道系酵素上昇を認め受診した.腹部の超音波検査やCT上,さらに肝生検においても異常はなかった.しかし,FDG-PET検査で骨に集積を認めた.骨生検の病理組織像は,以前摘出した腎細胞癌と類似していた.各種検査で他臓器には原発巣を指摘できず,腎細胞癌の骨転移と診断した.肝機能異常は,腎細胞癌に随伴するStauffer症候群であると考えた.
著者
木戸 久美子 林 隆 藤田 久美
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学社会福祉学部紀要 (ISSN:1341044X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.123-130, 2007-03-20

There are many evidences supporting the lack of skills for living in the background of increasing artificial abortion and sex transmitted infection (STI) in adolescents of Japan. World health organization (WHO) has been proposed that educational programs about skill for living are effect for preventing AIDS in teenagers. Especially peer education is strongly recommended foe useful and good for youths. However, there is no report about the effectiveness of peer education in acquiring skills for living.The purpose of this study is to clarify the effectiveness of peer education about HIV/AIDS for acquiring the skill of living in high school students (i.e. : decision making, skill of communication, self esteem). Participants consisted of 12 female and 15 male high school students aged from 16 to 17 years. Also, the peer educators were university students. The results showed that 93.6% were positive answer for peer education technique. There was no statistically significant difference between pre and post peer education in the aspects of decision making, skill of communication, self esteem. There was significance in change of awareness about reproductive health rights (p=0.007). We conclude that only one trial of peer education may be hard to get the skill for living.