著者
緒方 幸代 藤田 孝輝 石神 博 原 耕三 寺田 厚 原 宏佳 藤森 勲 光岡 知足
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.317-323, 1993 (Released:2010-02-22)
参考文献数
26
被引用文献数
5 21 18

健常成人8名に4G-β-D-Galactosylsucrose (ラクトスクロース: LS) をはじめの1週間1g/日, 次いで1週間は2g/日, さらに, 2週後の1週間は3g/日を摂取させ, 少量LS摂取の腸内フローラおよび糞便の性状に及ぼす影響について検討した。その結果, LSの1g/日, 2g/日および3g/日の摂取のいずれにおいても, Bifidobacteriumが有意に増加し, C. perfringensを含むレシチナーゼ陽性ClostridiumおよびBacteroidaceaeの減少が認められた。糞便中のアンモニアおよび硫化物はLS 2g/日, 3g/日摂取で有意に減少した。糞便pHはLS 3g/摂取で低下し, 糞便重量および水分量はわずかな増加をした。以上の成績から, LSの最小有効摂取量は健康成人において1日当り1~2gと判断された。
著者
緒方 幸代 藤田 孝輝 石神 博 原 耕三 寺田 厚 原 宏佳 藤森 勲 光岡 知足
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.317-323, 1993
被引用文献数
16 21

健常成人8名に4<SUP>G</SUP>-β-D-Galactosylsucrose (ラクトスクロース: LS) をはじめの1週間1g/日, 次いで1週間は2g/日, さらに, 2週後の1週間は3g/日を摂取させ, 少量LS摂取の腸内フローラおよび糞便の性状に及ぼす影響について検討した。その結果, LSの1g/日, 2g/日および3g/日の摂取のいずれにおいても, <I>Bifidobacterium</I>が有意に増加し, <I>C. perfringens</I>を含むレシチナーゼ陽性<I>Clostridium</I>およびBacteroidaceaeの減少が認められた。糞便中のアンモニアおよび硫化物はLS 2g/日, 3g/日摂取で有意に減少した。糞便pHはLS 3g/摂取で低下し, 糞便重量および水分量はわずかな増加をした。<BR>以上の成績から, LSの最小有効摂取量は健康成人において1日当り1~2gと判断された。
著者
橋本 博之 山下 亜希子 藤田 孝輝 岡田 正通 森 茂治 園山 慶 北畑 寿美雄
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.169-176, 2004 (Released:2008-03-24)
参考文献数
42

Oligosaccharides with α-D-galactosidic linkages, especially the positional isomers of α-galactobiose (α-Gal 2), participate in such biological processes as immunity and pathogen-to-cell adhesion on the basis of molecular mechanisms for ligand-receptor interaction. α-Linked galactooligosaccharide (α-GOS) containing positional isomers of α-Gal 2 produced from galactose by the reverse reaction of α-galactosidase, is a potential food for the prevention of infections by pathogens, neutralization of toxins, and regulation of immune system. α-GOS (7.5 kg) was produced from galactose (18 kg; prepared from lactose hydrolyzate) by the reverse reaction of α-galactosidase from Aspergillus niger APC-9319. α-GOS contained 58% disaccharide, 28% trisaccharide and 14% oligosaccharides larger than trisaccharide. The disaccharide in α-GOS consisted largely of α-1,6-galactobiose (73%). α-GOS was stable at neutral and acidic pHs, and high temperatures. The sweetness of α-GOS was 25% of that of sucrose. The taste of α-GOS was mild and mellow. α-GOS reduced acid taste, bitterness, astringency, and harsh taste without spoiling the original taste in various fruit juices, and emphasized the original flavor of food materials in various cooked foods. α-GOS was not hydrolyzed in an in vitro digestion method. In oral tolerance tests of α-GOS, the blood glucose level did not change at all. α-GOS had a strong selective growth activity for Bifidobacterium sp. and Clostridium butyricum. An α-GOS intake in rats made the contents of lactate and n-butyrate in the cecum higher, and pH in the cecum lower than for a control intake. The viable count of Candida albicans in cecum and colon of mouse was decreased by an α-GOS intake more than by a raffinose intake. Therapeutic oral treatment with α-GOS had a potent inhibitory effect on adjuvant arthritis in Wister rats and on type II collagen-induced arthritis in DBA/1 J mice. Dietary α-GOS ameliorated allergic airway eosinophilia at least partly via post-absorptive mechanisms in Brown Norway rats.
著者
内藤 文子 青山 葉子 藤田 孝輝 高橋 節子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.253-259, 1994-11-20
被引用文献数
1

ラクトスクロースは乳糖とショ糖を原料としたビフィズス菌増殖活性の強い難消化性の糖質である。このラクトスクロースがマシュマロの物性や食味に及ぼす影響を知る目的で、ショ糖を対照としてラクトスクロースを25、50および100%置換して調製したマシュマロについて、クリープメーターによる破断強度測定、レオロメーターによるテクスチャーおよび官能評価による食味特性から検討し次のような結果を得た。1)ラクトスクロールの粉末品(LS-55P)を用いたマシュマロの硬さ、破断エネルギーはショ糖100%に比べて大きい値となり、こしや歯ごたえのあるテクスチャーを与えることが明らかとなった。2)ラクトスクロールをショ糖の25%置換したマシュマロは対照と近似の物性を示した。50%以上の置換では硬さの増加が顕著となったが破断歪や凝集性に与える影響は僅少であった。3)市販マシュマロ3種の硬さは1.44〜2.75(×10^5N/m^2)と試料間の差が大きく、実験室調整品4種はそれらの中間の値であった。4)官能評価の結果からラクトスクロール25%置換のマシュマロは対照のショ糖100%と似た食味特性を示し、歯切れや口どけが良く、対照と同様に好まれる製品といえる。ラクトスクロース100%置換は硬さが大であり甘味が低いためか嗜好性は低い傾向を示した。5)ラクトスクロール100%置換のマシュマロは硬くボディーのしっかりした製品が得られることから、ゲル化剤としてのゼラチンの使用量を1.0%減ずることが可能であった。このことは起泡時の作業性を良くし、経済性につながると考えられる。6)マシュマロの物性と官能評価との相関関係は硬さと口どけ、破断エネルギーと甘さ、歯切れとの間に負の相関が認められ、物性測定中硬さ、破断エネルギーはマシュマロの食味の一つの指標となると考えられた。また、官能評価の各項目と総合評価との間では、甘さ、歯切れの良さ、口どけの良さの3項目において、特性評価および嗜好ともにそれぞれ正の相関が認められた。7)ラクトスクロールの粉末品を用いたマシュマロは甘味度が低いことから、菓子としてのみでなくサラダやデザート菓子などの調理素材としても即席に幅広く利用できると考えられた。