著者
佐藤 慶明 入口 豊 西島 吉典
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第V部門 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.11-22, 2014-02-28

1993年に10クラブからスタートしたプロサッカー・JリーグもJ1・J2を合わせて40クラブに増加し,現在はJ3リーグ結成が計画されるまでに発展した。Jリーグの誕生が,日本選手のレベルを格段に引き上げ,日本代表チームの4大会連続のワールドカップ出場と世界ランキング上位に躍進させる原動力となったことは疑う余地がない。しかし,順調に発展してきたかに見えるJリーグ・クラブ各チームにおいては,個別には経営上の様々な問題を抱えていることも事実であり,それらの問題の克服なくして今後の大きな飛躍を望むことは困難な情勢にある。本研究は,Jリーグ所属全チームの中でも親会社を持つクラブの順位浮上のためのマネジメント上の問題点を,J1・J2各1チームのクラブ経営のトップであった元社長,GMへのヒアリングを中心に事例的に明らかにすることを目的とする.特に本稿では,J1チームの中でもトップクラスの人気と観客動員数を誇る「浦和レッドダイヤモンズ」の元GMへのインタビューを基に,クラブ経営トップから見た経営上の実情,問題点,GMの現状とあるべき将来像を明らかにする。The purpose of this study is to make the actual conditions of management of a professional football club in Japan (J- league) clear through having an interview with the general manager of the J1- league and the J2- league clubs. Especially, the present study is to examine the actual conditions of management of the "Urawa Red Diamonds" (J1) through having an interview with the former general manager of the Urawa Red Diamonds. The finding and discussions on the following topics are presented in this paper: 1. An outline of the Urawa Red Diamonds 2. Contents of an interview with the former general manager of the Urawa Reds (1)about a management of the general manager (2)the relationship among the front, the staff, and the players (3)the duties of the general manager (4)the present state and the future of the general manager of the J- league
著者
佐藤 慶明 入口 豊 西島 吉典
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第4部門, 教育科学 = Memoirs of Osaka Kyoiku University (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.45-54, 2014-09

1993年に10クラブからスタートしたプロサッカー・JリーグもJ1・J2を合わせて40クラブに増加し,現在はJ3リーグ結成が計画されるまでに発展した。Jリーグの誕生が,日本選手のレベルを格段に引き上げ,日本代表チームの4大会連続のワールドカップ出場と世界ランキング上位に躍進させる原動力となったことは疑う余地がない。しかし,順調に発展してきたかに見えるJリーグ・クラブ各チームにおいては,個別には経営上の様々な問題を抱えていることも事実であり,それらの問題の克服なくして今後の大きな飛躍を望むことは困難な情勢にある。本研究は,Jリーグ所属全チームの中でも親会社を持つクラブの順位浮上のためのマネジメント上の問題点を,J1・J2各1チームのクラブ経営のトップであった元社長,GMへのヒアリングを中心に事例的に明らかにすることを目的とする.特に本稿では,JFLからJ2昇格後に3年連続最下位を経験して,2011年にJ1昇格圏内にまで成績を上げるも,四国という地域性とチーム運営面や観客動員数にも課題を残す「徳島ヴォルティス」の事例を中心に取り上げる。The purpose of this study is to make the actual conditions of management of a professional football club in Japan (J-league) clear through having an interview with the general manager of the J1-league and the J2-league clubs. This is the continued study from the previous report with the same title :"A Case Study of Management of a Professional Football Club in Japan(I)-focus on a case of the Urawa Red Diamonds (J1)-"(Memoirs of Osaka Kyoiku University, Ser.IV., Vol.62-2.2014.2., pp.11-22.) Especially, the present study is to examine the actual conditions of management of the "Tokushima Vortis "(J2) through having an interview with the former president of the Tokushima Vortis". The finding and discussions on the following topics are presented in this paper: 1.An outline of the Tokushima Vortis (J2) 2.Contents of an interview with the former president of the Tokushima Vortis (1)about a management of the president (2)the relationship among the front, the staff, and the players (3)the duties of the president (4)the present state and the future of the general manager and the president of the J-league team.
著者
増田 基嘉 奥田 邦晴 林 義孝 西島 吉典 生田 泰志
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.G0956-G0956, 2006

【目的】<BR>多くの種類の障害者が参加するスポーツの一つに水泳競技がある。それ故にその指導や競技力向上のためには、競技特性と選手の持つ障害特性を考慮して運動特性の共通性と独自性を明らかにする必要性がある。我々は第40回学術大会において、定常状態となったストローク動作中の下肢麻痺者の泳速度増加に伴う三角筋前部や大胸筋などの特徴的筋活動量の変化について報告した。今回、脊髄損傷などの下肢麻痺者がスタート時に飛び込みやプール壁を蹴り出すことができないことに注目し、下肢による推進力がなく上肢のみで加速しなければならない下肢麻痺者を想定して、スタート直後のストローク動作中の肩周囲筋活動の検討を行った。<BR>【対象と方法】<BR>大学体育会水泳部に所属する選手10名を対象とした。被験者には、口頭および文書にて実験の主旨を説明し、同意を得た。運動課題は自由形泳法にてATレベルと全力の運動強度にて泳ぎ、スタートから3ストローク間の三角筋前部、大胸筋、上腕二頭筋、三角筋後部、上腕三頭筋、広背筋、僧帽筋上部の筋活動を表面筋電図法にて測定した。さらに下肢麻痺者の想定として、壁蹴り動作を行わないことと下肢が屈曲位となる特徴的姿勢を再現するためにベルトを用いて下肢屈曲位に保持させた。スタートはいずれも水中スタートとし、通常の泳ぎではスタート時の壁蹴りとキックによる推進を行い、下肢麻痺者の想定においては、下肢による推進を行わないようにした。各条件において3回測定し、記録した筋電図よりストロークごとの各筋の平均RMS値を求め比較した。<BR>【結果】<BR>大胸筋において、泳速度に関係なく1ストローク目の筋活動量が、下肢による推進がある場合より下肢屈曲位保持で有意に大きかった。また上腕三頭筋のATレベルの1ストローク目において、下肢屈曲位保持が下肢による推進がある場合よりも筋活動量が有意に大きかった。<BR>【考察】<BR>今回、スタート直後の下肢による推進の有無が上肢の筋活動に与える影響を検討した。Pinkらは、プル動作中の肩伸展筋として大胸筋と広背筋があるとし、その前半に大胸筋、後半には広背筋が働くとしている。今回の測定結果から下肢による推進がない場合、スタート直後の推進には大胸筋の貢献度が高いことが明らかとなった。スタート直後においてプル動作の前半で主に機能する大胸筋の筋活動量が増大することから、実際の下肢麻痺者のスタートまたはターン動作は上肢への負荷が大きいことが考えられる。またそのため短水路での練習ではより肩関節への負担が増大することが予測される。このように理学療法士の立場から、健常者と共通性の多いスポーツ動作においても障害特性による運動の違いを評価することで、スポーツ指導における固有の指導理論の確立や競技能力の向上、さらにリスク管理につながる情報提供ができると考えた。<BR><BR>