著者
林田 智弘 西崎 一郎 菅生 雄矢
出版者
The Operations Research Society of Japan
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:13498940)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.27-43, 2014

部分ゲーム完全均衡は展開型ゲームに対する均衡概念であり,多くの展開型ゲームにおけるプレイヤーの行動のベンチマークとして用いられている.しかし,展開型ゲームの一種であるムカデゲームに対する被験者実験では,部分ゲーム完全均衡から逸脱する行動が多く観測されたことが報告されている.均衡理論では利得最大化の意味での合理的なプレイヤーが仮定されているが,ゲームが繰り返される場合,被験者は1回のゲームの利得の最大化ではなく,むしろ累積利得を考慮した長期的な視野に基づいた行動選択をしていると考えられる.本論文では,ムカデゲームに対して適応型エージェントを用いたシミュレーションにより,累積利得を考慮した長期的視野および被験者間での非対称性,利得に対するリスク態度などにより被験者の行動が説明できることを示す.
著者
菅生 雄矢 西崎 一郎 林田 智弘
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.131-131, 2010

本論文では,複数のプレイヤーが決められた順番に意思決定を行っていく展開型ゲームに関する研究を行う.多くの展開型ゲームにおいて,サブゲーム完全均衡は人間の行動を高精度で予測可能であることが知られている.しかし,サブゲーム完全均衡による予測と一致しない被験者実験がいくつか報告されており,ムカデゲームはその1つである.均衡理論ではプレイヤーは合理的であると仮定されているが.現実の人間は必ずしも合理的であるとは限らず,試行錯誤的な意思決定を行うこともある.本研究では試行錯誤的な意思決定構造を模倣できる人工適応型エージェントを用いたシミュレーションモデルにより,ムカデゲームにおける被験者の行動分析を行う.
著者
林田 智弘 山本 透 木下 拓矢 西崎 一郎 関崎 真也 平塚 尚人
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.137, no.2, pp.242-248, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)
参考文献数
13

A single or multiple kinds of internal or external environmental variations of the system often cause the property variation of any system under control, and the readjustment of controller parameters is required. To maintain high performance of controlling and minimize the total cost for readjustments of the controller parameters, determination the appropriate timing for readjustment the controller parameters is important. This paper proposes new procedure to determine the appropriate timing for the readjustments based on the time-series data using the recurrent neural networks (RNNs). A well coordinated RNN with proper structure has high performance on the predication of time-series data with the assistance of its internal signal feedback structure. This paper conducts some numerical experiments to verify the availability of the proposed method to some systems. The experimental result indicates that the proposed method has higher performance than other existing method with the same aim.
著者
西崎 一郎 上田 良文 林田 智弘
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

(1) 耕種農業と畜産農業が混在する北海道十勝での耕畜連携型農業モデルの研究に対して,耕種農業者への便益,畜産農業者への便益,耕畜連携型農業を運営する組織の運営,環境への影響の4つの目的を有する多目的問題として定式化し,複数の代替案を構成し,比較する.(2) 日照時間の長い宮崎での太陽熱利用のハウス暖房による有機野菜栽培モデルの研究に対しては農家の満足度,地域農業の振興,環境への影響の3つの目的を有する多目的問題として定式化し農業ビジネスモデルの複数の代替案を構成し,比較する.