- 著者
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西平 直
- 出版者
- 東京大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2002
1、教育におけるスピリチュアリティの問題、あるいは、現代社会における青少年のスピリチュアリティの問題を、シュタイナー教育の調査を通して解明するという研究の趣旨は、聞き取り調査を手がかりとした理論研究の形で、最終報告集にまとめられた。(報告集、第一章)2、同校の卒業生に対する聞き取り調査を通し、彼らは、学校教育から影響を受けるのと同じだけ、(場合によってはそれ以上に)こうした学校にわが子を送る保護者の価値観・人生観から強い影響を受けることが明らかとなった。しかしながら、そうした保護者の価値観・人生観の解明のためには、スピリチュアリティの地平を理論的に整理する必要が生じ、最終報告集にその一部がまとめられた。(報告集、第二章)3、ハワイのホノルルシュタイナー学校、京都の京田辺シュタイナー学校など、定期的に参与観察を続ける中で、シュタイナー教育の本質を、日本古来の「芸道思想」との関連で整理する視点が明確になり、東洋思想の理論的研究を蓄積した。その成果もまた最終報告集にまとめられた。(報告集、第三章)4、とりわけ世阿弥の稽古論との関連が注目され、世阿弥の稽古をめぐる思想の解明が進められた。(報告集、第四章)5、総じて本研究は、卒業生への聞き取り調査を基盤としながら、そこで得られた知見を教育人間学的に解明するための理論構築の作業において、大きな成果を得た。