著者
村上 隆之 桑原 拓郎 佐々木 堯 谷口 肇
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.531-535, 1995-07-15
被引用文献数
4 3

Bio-Gel P-6DG担体を用いた親和性クロマトグラフィーとToyopearl HW-55Sゲル濾過クロマトグラフィーを併用し糸状菌Robillarda sp. Y-20の培養濾液より,エンド-1, 4-β-キシラナーゼ(1, 4-β-Xylano-hydrolase, EC 3.2.1.8)を簡易に精製することができた培養濾液からの精製酵素の回収率は約40%であった.SDS-PAGEによって測定した分子量は23400Daであった.pIは9.5で,至適pHおよび温度はそれぞれpH4.5-5.5と55℃であった.キシロオリゴ糖の加水分解物をパルスドアンペロメトリー検出によるHPLCで分析したところ,主生成物はキシロビオースであり,また,本酵素が転移酵素活性を持つことが解った.キシロ3-6糖に対するKmおよびVmaxを求め,これらのデータより本酵素が5個のサブサイトを持つことが推察された.また,本酵素はキシロオリゴ糖の存在下でBio-Gelカラムに対して特異的なアフィニティーを持つことが確認された.
著者
加藤 昌英 辻 元 田原 秀敏 横山 和夫 青柳 美輝 山田 美紀子 谷口 肇
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本年度(補助金が交付されてきた期間を含む)に行った研究によって得られた結果は以下のとおりである。1.複素3次元射影空間のある種の領域(「広い領域」)の商多様体の分類に関して次のことが分かった。すなわち(1)この問題を(複素1次元の)クライン群理論の高次元化(奇数次元のみ可能)と考えた。特に複素3次元の場合には、Grassmann多様体G(4,2)に作用する群と考えることによって、うまく問題の定式化(2)クライン群理論における初等型の群に対応する部分の複素3次元版がほぼ完成した。ここで初等型の群とは3次元射影空間の稠密な領域に作用する「端点(end)」が有限である群と定義する。特に固有不連続な開集合の商空間が正の代数次元を持つコンパクトな成分を少なくともひとつ持てば、固有不連続な開集合は3次元射影空間の稠密な領域であって、クライン群は初等型になることが示された。同時に商多様体も有限不分岐被覆を除いて分類された。ここの議論では、(非Kaehler多様体を含む)複素多様体への正則写像の、S.Ivashkovichによる拡張定理が有効に用いられる。現在、発表のための草稿の作成と、証明の改良(なるべく概念的な証明に直すこと)を行っている。が出来ることがわかった。これによって基礎になる種々の概念が固まった。2.複素多様体がprobableになるための良い十分条件を求める問題についてはまだ手がついていない。複素射影構造が特異点集合の持つ場合の考察についても進歩がなかった。ともに今後の課題である。