著者
赤星 俊樹 赤柴 恒人 植松 昭仁 岡本 直樹 権 寧博 細川 芳文 内山 真 橋本 修
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.17-22, 2010-02-01 (Released:2010-06-14)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Considerable progress has been made in both the basic research and clinical areas over the last several decades in our understanding of the pathogenesis of obstructive sleep apnea-hypopnea syndrome (OSAHS). This brief review highlights the potential mechanisms of repetitive collapse of the pharyngeal airway during sleep in patients with OSAHS.
著者
佐々木 巌 赤柴 恒人 堀江 孝至
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.57-65, 1992-01-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
20

慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者の両心機能を, 安静時, 運動負荷時に, RIアンジオグラフィーで検討した. COPD群16名, 対照群8名を対象に, Tc-99mで生体内赤血球標識し, マルチゲート法で記録した. 運動負荷は臥位エルゴメータによる多段階漸増法で, 心室容積測定は standard voxel count 法によった. その結果, COPD群では両心室とも収縮能障害の存在が示唆され, また, 右心カテーテルを施行した12症例において, 左心機能低下と高炭酸ガス血症との関連性が示唆された. 安静時の全肺血管抵抗指数および平均肺動脈圧と, RI法による安静時右室収縮末期容積指数との間に, 各々γ=0.769 (p<0.01), γ=0.631 (p<0.05) の正相関を認めた. 一方, 運動負荷時の一回拍出量は, 16例中10例で増加が見られず, その半数例で, 運動中の両心室拡張末期容積が減少しており, COPD群では肺過膨張などの機械的影響が, 心循環動態に悪影響を及ぼしている可能性が示唆された.
著者
須金 紀雄 辻野 一郎 山崎 哲男 高橋 典明 赤柴 恒人 澤田 海彦 堀江 孝至
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.307-313, 2003-08-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
18

目的. cyclosporin Aの溶媒として用いられているCremophor ELのetoposide (VP-16) の抗腫瘍効果増強についてヒト肺癌細胞株を用いて検討した. 方法. 細胞生存率の測定には, ヒト肺腺癌細胞株 (PC-14), ヒト類上皮癌細胞株 (KB), ヒト肺小細胞癌細胞株 (H69) に対してgrowth inhibition assayを行った. さらに, PC-14に対してはinvitro clonogenic assayも行った. 各細胞系における抗腫瘍剤の細胞内蓄積量の差を [3H] VP-16を用いて比較検討した. MDR1 (multidrug resistance) 遺伝子の発現に関するmRNAの測定には, 定量的PCR法を用いた. 結果. PC-14において, in vitro clonogenic assayでCremophorELの濃度が250μg/mlの条件下ではVP-16単剤に対して100倍以上の殺細胞効果増強が認められた. VP-16の細胞内蓄積量はPC-14, A549 (ヒト肺腺癌細胞株) において有意な増加が認められた. また, MDR遺伝子のmRNAの増幅はPC-14, A549において認められなかった. 結論. Cremophor ELは肺腺癌細胞におけるVP-16の殺細胞効果を増強し, これはVP-16の細胞内蓄積量の増加が原因と考えられた. そしてこの現象は, MDR遺伝子の発現に関連したものではないと考えられた.