著者
川口 将武 平林 聡 平瀬 耕 加我 宏之 赤澤 宏樹
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究(オンライン論文集) (ISSN:1883261X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-12, 2021-01-21 (Released:2021-03-24)
参考文献数
99
被引用文献数
2 1

Street trees in Japan are beginning to be renewed in the face of various problems caused by the enlarged diameter of trees as well as aged trees. In order to promote the renewal without attenuating the value of the current street trees, it is necessary to construct a method that improves the accuracy of tree assessment by employing data easily obtained in Japan and parameters optimized for Japan. In this study, we analyzed the tree structure and estimated tree compensation values based on the tree soundness research data for the street trees in Suita City, Osaka Prefecture. In addition, we quantified and monetized the ecosystem services provided by the street trees by estimating 1) carbon storage, 2) carbon sequestration, 3) air pollutant removal, 4) health incidence and medical cost reductions, and 5) rainwater runoff reduction. As a result, the total number of trees analyzed throughout the city turned to be 8,796, comprised of 100 species. For reference purposes, the estimates are: compensation values of about 770.52 million yen,1) 1,377 tons, about 28.47 million yen,2) 90.0 tons, about 1.86 million yen/year,3) 961.1 kg/year,4)26.5 cases/year, about 11.58 million yen/year, and5) 8917.7 m3/year, about 6.41 million yen/year.
著者
小寺 聡 仁宮 洸太 澤野 晋之介 勝然 進 篠原 宏樹 赤澤 宏 小室 一成
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2K6OS1b04, 2022 (Released:2022-07-11)

背景:医療AIは社会的に実施され、患者に大きな影響を与えることが期待されるため、医療AIに対する患者の意識を調査することが重要である。 方法:本研究では、患者の医療AIに対する意識を調査する目的でインターネット調査を実施した。性別や年齢を考慮して、定期的に医療機関を受診している1240人、受診していない620人を対象にアンケート調査を実施した。 結果:78.1%が医療用AIを期待しており、47.7%が医療用AIについて不安を感じていた。医療用AIの診断を受け入れた人の割合は、診断精度が高い場合は56.7%、説明が明確な場合は41.4%、診断精度が高く説明が明確な場合は84.8%であった。主治医と医療AIの意見が異なる場合、主治医とAIの診断精度が同じであれば、81.3%が医師の診断を受け入れた。医療AIの診断が間違っていた場合、回答者の65.7%が医師の責任と考えた。 結論:この研究は、医療AIでは正確さと説明責任の両方が重要であり、患者は医療AIよりも医師を信頼していることを示した。
著者
難波 光義 岩倉 敏夫 西村 理明 赤澤 宏平 松久 宗英 渥美 義仁 佐藤 譲 山内 敏正 日本糖尿病学会―糖尿病治療に関連した重症低血糖の調査委員会―
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.826-842, 2017-12-30 (Released:2017-12-30)
参考文献数
34
被引用文献数
6

糖尿病に対する薬物治療の進歩の一方で,患者の高齢化などを背景とした低血糖リスクの増大が憂慮されている.このため,わが国の糖尿病実臨床における治療に関連した重症低血糖の調査を行った.日本糖尿病学会学術調査研究等倫理審査委員会の承認のもと,2015年7月に同学会認定教育施設631施設の研修責任者に対して調査への参加を依頼した.参加意思を表明した施設には,倫理審査の必要書類を送付し,各施設の倫理審査委員会での承認後,Web登録システム(症例データは匿名・非連結)を利用してデータ登録を依頼した.本調査研究は,同学会学術調査研究委員会の予算で行った.施設実態調査(施設データ)および,個々の症例から同意取得後に症例調査(症例データ)を実施した.重症低血糖の定義は,『自己のみでは対処できない低血糖症状があり,発症・発見・受診時の静脈血漿血糖値が60 mg/dL未満(毛細管全血50 mg/dL未満)が明らかにされていることが望ましい』とし,調査期間は2014年4月1日から2015年3月31日としたが,施設データは193施設から,症例データはそのうち113施設から総数798症例の登録があった.回答を得た193施設中,149施設(77.2 %)に救急部が併設されており,1施設あたりの同部への年間総救急搬送件数(中央値)は4962件,このうち重症低血糖は17.0件(0.34 %)をしめた.回答施設における重症低血糖による年間受診総数は2237人であり,1施設あたり6.5人であった.重症低血糖による年間入院総数は1171人で,1施設あたり4.0人であり,重症低血糖による年間受診数の52.3 %を占めていた.798例の症例データをまとめると,病型は1型240人,2型480人,その他78人,年齢は1型54.0(41.0-67.0)歳,2型77.0(68.0-83.0)歳であり,2型が有意に高齢で(P < 0.001),BMIは1型では21.3(18.9-24.0)kg/m2,2型では22.0(19.5-24.8)kg/m2で,2型の方が高値であった(P = 0.003).推算糸球体濾過量(eGFR)は1型73.3(53.5-91.1)mL/min/1.73 m2,2型50.6(31.8-71.1)mL/min/1.73 m2となり,2型の方が低値であった(P < 0.001).重症低血糖発生時点のHbA1cは全体で7.0(6.3-8.1)%,1型7.5(6.9-8.6)%,2型6.8(6.1-7.6)%であり2型で低値であった(P < 0.001).重症低血糖の前駆症状の有無に関しては全体で有35.5 %,無35.6 %,不明28.9 %,前駆症状の発現率は1型で41.0 %,2型で56.9 %となり,1型の方が前駆症状の発現率は低かった(P < 0.001).2型の治療薬はインスリン使用群(SU薬併用29人含む)292人(60.8 %),SU薬群(インスリン未使用)159人(33.1 %),インスリン・SU薬未使用群29人(6.0 %)であった.調査対象798例のうち296例(37.2 %)は,過去にも重症低血糖で救急受診した既往を有していた.以上のようにわが国の糖尿病治療に関連する重症低血糖の実態が初めて明らかになった.今後は重症低血糖の高リスク者や既往者に対し,低血糖の教育と治療の適正化による発症予防対策が急務であることが明確となった.
著者
赤澤 宏
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.394-399, 2019-04-15 (Released:2020-04-24)
参考文献数
16
著者
吉井 初美 北村 信隆 齋藤 秀光 赤澤 宏平
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.268-277, 2013-07-15 (Released:2016-12-28)
参考文献数
28
被引用文献数
1

健康への悪影響が懸念される精神保健分野の課題の1つであり,かつ障害予防歯科における課題でもある精神障害者の口腔衛生問題に関し,統合失調症患者に対する口腔衛生支援の促進をめざし,1)国内外の文献による統合失調症患者における口腔衛生研究動向を概観し,2)今後のわが国の統合失調症患者に対する効果的な口腔衛生支援のあり方と課題を考察した。国内研究では事例報告と口腔衛生調査結果が示されていた。国外研究では,口腔衛生調査結果と統合失調症に特有の口腔衛生に関する概説とが示されていた。それらの内容検討から,口腔衛生指導に関する疫学研究の促進,および口腔衛生指導の実践・導入のための組織的な支援体制の整備,さらにわが国の精神保健医療福祉システムに則した効果的な支援方法の検討が必要であると考えられた。
著者
福本 優 大平 和弘 藤本 真里 赤澤 宏樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.777-782, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
13

本研究は、神戸市の緑地協定に基づく自主管理型開発公園について、空間的特徴と協定に基づく管理や責任に関する所有者意識の実態について文献調査とアンケート調査により明らかにした。調査の結果、自主管理型開発公園は空間的特徴から「エントランス型」「分離型」「裏型」の3つに類型され、それらは開発規模や接道条件により影響されることがわかった。「エントランス型」「分離型」として計画されると公園の自主管理意識が増加し自分たちで実施できる管理項目については自主的に管理している一方で、「裏型」として計画された自主管理型公園は維持管理が外注され自主管理意識が減少することが明らかとなった。加えて、「エントランス型」「分離型」では自主管理型開発公園を地域へ開放する意識は高いが、「裏型」になるとその意識も低下することが明らかとなった。また、自主管理自体の課題も多く所有者が開発公園を自主管理するための支援の必要性も明らかとなった。今後は開発協議の時点でのデザイン誘導や維持管理の支援の仕組みを検討することで都市空間の質的な向上に寄与し、持続的な管理が可能な自主管理型開発公園の在り方が必要であると考えられる。