著者
森崎 智仁 大仁田 賢 竹島 史直 赤澤 祐子 山口 直之 宮明 寿光 田浦 直太 市川 辰樹 磯本 一 鳥山 寛 中尾 一彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.2, pp.245-252, 2011 (Released:2011-02-07)
参考文献数
22
被引用文献数
1

79歳,女性.上腹部不快感あり,近医にて上部消化管内視鏡検査を施行.進行胃癌を認め,当院紹介.全身精査にて,全身リンパ節転移を認め,S-1単剤化学療法を開始.2カ月後に黄疸と肝機能障害が出現し,S-1を中止した.内視鏡的逆行性膵胆管造影検査にて,肝門部肝管を中心に多発性の胆管狭窄を認めた.肝門部に腫瘍を認めず,S-1による続発性硬化性胆管炎を疑った.加療を行ったが軽快せず,永眠された.
著者
坂本 光 今泉 芳孝 新野 大介 竹内 真衣 松井 昂介 蓬莱 真喜子 佐藤 信也 赤澤 祐子 安東 恒史 澤山 靖 波多 智子 大島 孝一 宮﨑 泰司
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.305-311, 2020 (Released:2020-05-01)
参考文献数
15

Human T-cell leukemia virus type I(HTLV-1)キャリアや成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)は免疫不全を来すことが知られているが,Epstein-Barrウイルス陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫発症(EBV陽性DLBCL)との合併の報告は少ない。今回,サイトメガロウイルス網膜炎を発症したHTLV-1キャリアに,網膜炎の治療中に肝臓腫瘍が出現し,生検の結果,ATLとEBV陽性DLBCLのcomposite lymphomaと診断した症例を経験した。化学療法開始前には肺クリプトコッカス症,侵襲性肺アスペルギルス症の合併を認めた。化学療法を行ったが,CMV抗原血症や敗血症の合併を繰り返し,最終的に敗血症で死亡した。日和見感染症を合併したHTLV-1キャリアでは,ATLのみならずEBV陽性DLBCLの発症および感染症の管理にも注意が必要である。
著者
竹島 史直 赤澤 祐子
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

不飽和脂肪酸の1つであるパルミトレイン酸(PO)は、炎症抑制作用があることが糖尿病や脂肪肝の研究で知られています。私たちは、POの炎症性腸疾患への関わりを調べるために、炎症性腸疾患患者の血清や手術標本の解析とマウスを用いた実験腸炎への影響を調べました。血清PO濃度はクローン病患者で健常人や潰瘍性大腸炎患者と比較し有意に上昇し、手術標本の腸間膜脂肪組織内PO濃度もクローン病患者の炎症部で非炎症部や大腸癌患者と比較して有意に上昇しました。マウスの腹腔内にPOを投与したところ、コントロールと比較して腸炎の改善が認められました。POは腸管炎症の抑制に関わっている可能性があると考えられました。