著者
木川田 朱美 辻 慶太
出版者
日本図書館情報学会
巻号頁・発行日
2008-03 (Released:2013-12-19)

本研究ではAmazon.co.jp の書誌リストをNDL-OPAC に突き合わせる形で国立国会図書館における納本状況を調査し,成人向け出版物のほとんどが納本されていない現状を示した。また成人向け出版物を刊行している出版社の納本状況を調査し,一般出版物は納本しているにもかかわらず成人向けだけは納本していないといったパターンも確認した。さらに国立国会図書館,取次,出版社に聞き取り調査を行い,日本の納本制度の運用上における問題点を明らかにした。 2008年度日本図書館情報学会春季研究集会発表年月日:2008年3月29日場所:東京大学本郷キャンパス
著者
荒井 俊介 辻 慶太
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-19, 2013-02-20 (Released:2013-04-18)
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

Blog やTwitter に書かれた日常的な質問を収集し回答を呼びかけるWeb サイトを構築すれば,記事の著者は効率よく回答を得ることが出来るかもしれない。本研究では次の2 つのステップからなる記事の収集方法を提案し,実際に質問を提示するWebサイトを構築して,有効性の検証を行った。即ち,(1)疑問の書かれた記事に特徴的な表現を用いた,既存のサーチエンジンによる検索,(2)テキスト自動分類を用いた疑問の書かれた記事の抽出,である。(1)では「タイトルが思い出せない」をキーワードとして用いることで,効率的に疑問の書かれた記事を抽出できることを明らかにした。(2)ではブースティングと決定木を用いる事で効率よく抽出できることを明らかにした。さらに疑問の書かれたBlog 記事30 個とTwitter 記事31 個をWeb サイトに提示した結果,それぞれ6 個と5 個の記事の著者を満足させる回答が得られた。
著者
荒井 俊介 辻 慶太
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.23-40, 2015-02-28 (Released:2015-04-30)
参考文献数
23
被引用文献数
2

国立国会図書館は,レファレンス協同データベースでレファレンス事例を公開・提供している.レファレンス事例はこの事業に参加している各図書館によって登録されるが,登録の際の項目の一つであるNDCの項目に関しては全体の約2/3にしか記述されていない.本研究では機械学習を用いて,レファレンス事例に対して自動的にNDCを付与する手法を提案する.NDCの自動付与を行う事で,NDC を付与する図書館員の負担を軽減する事ができると考える.本研究では以下の3 つの手法を提案する.即ち(1)参考資料のNDC を用いる手法,(2)質問文から疎でない特徴ベクトルを作る手法,(3)両方同時に用いる手法,である.NDC の2 桁目(綱)まで自動付与する実験の結果,(1)では45.6%,(2)では53.8%,(3)では45.6%の精度で自動付与を行う事ができた.従来手法による精度は32.4%であり,精度を向上させる事ができた.
著者
堀 智彰 木下 奏 小林 映里奈 村尾 真由子 渡邉 朋子 兼松 泰文 辻 慶太 宇陀 則彦
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.189-196, 2014
被引用文献数
2

「知の探検法」は文献の調べ方を中心とした情報リテラシーの授業である。平成24年度から文献探索に対する理解・目的意識の向上を目的として「文献探索ゲーム」を実施している。文献探索ゲームはゲーム形式で文献探索を行うことで文献探索に目的意識を持たせ、基本手順について学ぶことを目的としている。本稿では平成25年度に実施した文献探索ゲームの評価実験について報告する。評価実験では学生の文献探索に関する知識構造の変化を計るため、コンセプトマップを用いた。分析の結果、文献探索ゲームの前後で学生の知識構造が変化しており、文献探索に対する理解が深まっていることが明らかになった。
著者
堀 智彰 木下 奏 小林 映里奈 村尾 真由子 渡邉 朋子 兼松 泰文 辻 慶太 宇陀 則彦
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.189-196, 2014-05-24 (Released:2014-12-01)
参考文献数
4
被引用文献数
2

「知の探検法」は文献の調べ方を中心とした情報リテラシーの授業である。平成24年度から文献探索に対する理解・目的意識の向上を目的として「文献探索ゲーム」を実施している。文献探索ゲームはゲーム形式で文献探索を行うことで文献探索に目的意識を持たせ、基本手順について学ぶことを目的としている。本稿では平成25年度に実施した文献探索ゲームの評価実験について報告する。評価実験では学生の文献探索に関する知識構造の変化を計るため、コンセプトマップを用いた。分析の結果、文献探索ゲームの前後で学生の知識構造が変化しており、文献探索に対する理解が深まっていることが明らかになった。
著者
堀 智彰 益子 博貴 村尾 真由子 大曽根 美奈 渡辺 雅子 辻 慶太 松村 敦 宇陀 則彦
雑誌
第 21回情報知識学会年次大会予稿
巻号頁・発行日
2013-05

情報知識学会 第 21 回(2013年度)年次大会 2013年5月25-26日 お茶の水女子大学
著者
矢作 明子 辻 慶太
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.290-301, 2009-01-01

日本の公共図書館におけるフィルタリングソフトの導入状況と性能を調査した。まず公共図書館155館において,都道府県立は85.3%,市区町村立図書館は76.9%がソフトを導入していること,導入ソフトにはi-FILTERやInterSafeが多いことが示された。性能調査では上記2ソフトが稼働する端末で検索を行い,4,640件のWebページを調査した。結果,「学校裏サイト」といった新しい概念に対しブロック漏れが起きやすいこと,有害ページのブロック率はi-FILTERの方が高く,逆に無害ページの誤ブロック率はInter-Safeの方が低いことなどが示された。
著者
辻 慶太
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.11-22, 2005-10-30 (Released:2016-12-23)
参考文献数
25

専門分野に現れた新語の中から, 今後重要な語として普及するものを, 自動的に抽出・判別する手法について検討する。こうした予測が可能になると, 用語辞書の編纂時に有用であり, またある分野で今後注目を集める研究やトピックが把握しやすくなり, トレンド分析的な面でも有用であろう。本研究では約17年分の情報学文献に現れた語を調査対象とし, 新語の出現直前の語彙の状況による予測, また従来の専門用語抽出尺度による予測の有効性を検討する。
著者
Tsuji Keita 辻 慶太
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, 2015-11

図書館の利用を増加させるラーニング・コモンズ(LC)像を調査分析した。具体的には,小山(2012)に示されている24のLCをサンプルとし,『日本の図書館:統計と名簿』に記されている入館者数,貸出数,参考受付総件数を利用量として取り上げ,これらを増加させるLCの要素を分析した。結果,プリンタ,コピー機,ノートPCがあり,学生一人当たりコンピュータ設置台数が多く,さらにTA・SAによる支援があって,1階に設置されているLCは,他のLCに比べて,入館者数や参考受付総件数を増加させる可能性があることが示された。
著者
木川田 朱美 辻 慶太 キカワダ アケミ ツジ ケイタ
出版者
日本図書館情報学会
巻号頁・発行日
2008-03

本研究ではAmazon.co.jp の書誌リストをNDL-OPAC に突き合わせる形で国立国会図書館における納本状況を調査し,成人向け出版物のほとんどが納本されていない現状を示した。また成人向け出版物を刊行している出版社の納本状況を調査し,一般出版物は納本しているにもかかわらず成人向けだけは納本していないといったパターンも確認した。さらに国立国会図書館,取次,出版社に聞き取り調査を行い,日本の納本制度の運用上における問題点を明らかにした。2008年度日本図書館情報学会春季研究集会発表年月日:2008年3月29日場所:東京大学本郷キャンパス
著者
辻 慶太
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

日本の大学図書館では,学生はWikipediaのページを閲覧し,図書館の蔵書は閲覧せずに退館する傾向がある。Wikipediaは調べ物や学習にとって有用な情報源であるが,図書館の蔵書も利用した方がより深い知識が得られるはずである。もしWikipediaの各ページで,そのページに関連する図書館蔵書が表示されたら,学生はその図書を利用するかもしれない。そのような前提の下,本研究では図書館内のパソコンのブラウザ上でWikipedia閲覧者に図書推薦を行うアドオンを開発している。上記アドオンは,(1)各Wikipediaページの内容を把握し,コンピュータ処理可能な形で表現して,(2)各蔵書の内容とのマッチングを行い,内容の類似などに基づいて,適切な推薦図書を決定する。平成28年度には,このうち(1)に関する研究を行い,国際会議QQML 2017 (9th Qualitative and Quantitative Methods in Libraries International Conference) で発表した。具体的には“Automatic Classification of Wikipedia Articles by Using Convolutional Neural Network”というタイトルで,8ページの国際会議論文を,5月25日にアイルランドのリムリックで発表した。内容としては,Wikipediaの3,985ページに対して日本十進分類法(以下,NDC)の分類コードを付与し,300ページをテスト用,残り3,685ページを学習用とし,深層学習の畳み込みニューラルネットワークを用いて,NDCコードを付与する実験等を行った。結果,87.7%という十分な精度を得た。
著者
辻 慶太
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.210-227, 2015-11-01

図書館の利用を増加させるラーニング・コモンズ(LC)像を調査分析した。具体的には,小山(2012)に示されている24のLCをサンプルとし,『日本の図書館:統計と名簿』に記されている入館者数,貸出数,参考受付総件数を利用量として取り上げ,これらを増加させるLCの要素を分析した。結果,プリンタ,コピー機,ノートPCがあり,学生一人当たりコンピュータ設置台数が多く,さらにTA・SAによる支援があって,1階に設置されているLCは,他のLCに比べて,入館者数や参考受付総件数を増加させる可能性があることが示された。