著者
木川田 朱美 辻 慶太
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.234-244, 2009

本稿では,Amazon.co.jpが扱う図書がNDL-OPACでヒットするかを調べる形で国立国会図書館における納本状況を調査し,ポルノグラフィのほとんどが納本されていない現状を明らかにする。また,ポルノグラフィを刊行している出版社の納本状況を調査し,一般出版物は納本しているにもかかわらずポルノグラフィだけは納本していないといった結果も提示する。さらに国立国会図書館,取次,出版社に聞き取り調査を行い,日本の現行納本制度の運用上における諸問題を考察する。
著者
辻 慶太 遠藤 諭 水沼 友宏
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.69-86, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
76

本研究では,カーリルの検索記録,国立国会図書館オンライン,公立図書館のOPAC, CiNii Books 等を用いて,以下の4 種類の図書が存在することを示した。即ち,(1)国立国会図書館(及び大学図書館)が所蔵しておらず,公立図書館が所蔵している図書,(2)それらのうち公立図書館が除籍してしまった図書,(3)その結果,国立国会図書館(以下, NDL)も大学図書館も公立図書館も所蔵しなくなってしまった図書,(4)そうした状態に陥る危機にある,NDL も大学図書館も所蔵しておらず,公立図書館1 館だけが所蔵している図書,の4 種類である。さらに,つくば市立図書館の除籍図書リストを用いて,同館も NDL が所蔵していない図書を除籍したことを示した。本研究では,公立図書館による共同・ 分担保存の例は少ないことを示した上で,NDL が所蔵していない図書を公立図書館が除籍する時は,NDL に寄贈することを提案した。
著者
木川田 朱美 辻 慶太
出版者
日本図書館情報学会
巻号頁・発行日
2008-03

本研究ではAmazon.co.jp の書誌リストをNDL-OPAC に突き合わせる形で国立国会図書館における納本状況を調査し,成人向け出版物のほとんどが納本されていない現状を示した。また成人向け出版物を刊行している出版社の納本状況を調査し,一般出版物は納本しているにもかかわらず成人向けだけは納本していないといったパターンも確認した。さらに国立国会図書館,取次,出版社に聞き取り調査を行い,日本の納本制度の運用上における問題点を明らかにした。
著者
木川田 朱美 吉田 光男 辻 慶太 キカワダ アケミ ツジ ケイタ
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
第58回日本図書館情報学会研究大会発表要綱
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2010-10

本稿では、各都道府県が青少年保護育成に関する条例により図書類を有害図書類として指定する、いわゆる有害図書規制に関して、指定された図書に関する情報が散逸している問題について指摘する。その問題を解決し、規制の実態や有効性を明らかにするための量的調査を容易にするために、各都道府県が指定した有害図書等に関する情報を収録したデータベースを提案し試作する。
著者
木川田 朱美 辻 慶太 キカワダ アケミ ツジ ケイタ
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.234-244, 2009-11

本稿では,Amazon.co.jpが扱う図書がNDL-OPACでヒットするかを調べる形で国立国会図書館における納本状況を調査し,ポルノグラフィのほとんどが納本されていない現状を明らかにする。また,ポルノグラフィを刊行している出版社の納本状況を調査し,一般出版物は納本しているにもかかわらずポルノグラフィだけは納本していないといった結果も提示する。さらに国立国会図書館,取次,出版社に聞き取り調査を行い,日本の現行納本制度の運用上における諸問題を考察する。
著者
辻 慶太 楳原 衣恵 木川田 朱美 原 淳之
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.594-608, 2010-03-01

本研究では近年急速に成長しているQ&Aサイトと公共図書館レファレンスサービスに同じ質問を行い,正答率などを比較した。前者には「教えて!goo」を,後者には首都圏近郊の32館を選び,60個の質問を行った。結果,直接的に完全な正答が与えられた割合は共に32%で,間接的に与えられた場合を含めても両者の正答率に大きな差はなかった。質問の主題別に見ても差はなく,答えが得られるまでの時間もQ&Aサイトの方が大きく劣ることはなかった。こうした状況を踏まえ公共図書館は新たなレファレンスサービスのあり方を検討する必要がある。
著者
木川田 朱美 辻 慶太
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.234-244, 2009-11-01 (Released:2017-05-24)

本稿では,Amazon.co.jpが扱う図書がNDL-OPACでヒットするかを調べる形で国立国会図書館における納本状況を調査し,ポルノグラフィのほとんどが納本されていない現状を明らかにする。また,ポルノグラフィを刊行している出版社の納本状況を調査し,一般出版物は納本しているにもかかわらずポルノグラフィだけは納本していないといった結果も提示する。さらに国立国会図書館,取次,出版社に聞き取り調査を行い,日本の現行納本制度の運用上における諸問題を考察する。
著者
辻 慶太 党 春菜 原 淳之
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.348-363, 2011-01

本研究では都道府県立及び市区公共図書館のデジタル/対面式のレファレンスサービスとQ&Aサイトに60個の同じ質問を行い,正答率を比較した。結果,デジタルレファンスサービス(DRS)の正答率は全般にQ&Aサイトより高いこと,DRS未実施館の対面式の正答率はQ&Aサイトと変わらないが,実施館のそれはQ&Aサイトより高いことが示された。DRSを行うほどレファンスサービスに熱心に取り組めば,図書館の正答率はQ&Aサイトを超えられる可能性がある。今後のレファンスサービスのあり方を検討する上で考慮べき結果と思われる。
著者
辻 慶太 楳原 衣恵 木川田 朱美 原 淳之
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.594-608, 2010-03

本研究では近年急速に成長しているQ&Aサイトと公共図書館レファレンスサービスに同じ質問を行い,正答率などを比較した。前者には「教えて!goo」を,後者には首都圏近郊の32館を選び,60個の質問を行った。結果,直接的に完全な正答が与えられた割合は共に32%で,間接的に与えられた場合を含めても両者の正答率に大きな差はなかった。質問の主題別に見ても差はなく,答えが得られるまでの時間もQ&Aサイトの方が大きく劣ることはなかった。こうした状況を踏まえ公共図書館は新たなレファレンスサービスのあり方を検討する必要がある。
著者
辻 慶太 黒尾 恵梨香 佐藤 翔 池内 有為 池内 淳 芳鐘 冬樹 逸村 裕
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.176-189, 2012-09-01

本研究では(1)T大学附属図書館の貸出履歴約5年分を用いた協調フィルタリング, (2)同データを用いたアソシエーションルール, (3)Amazon,の3つによって被験者33名に図書を推薦し,それぞれの有効性を比較検証した。結果, (3)>(2)>(1)の順に推薦パフォーマンスが高いことを確認した。貸出履歴を用いて図書推薦を行うならば,協調フィルタリングよりも,プライバシー漏洩の可能性が低く計算コストも少ないアソシエーションルールを用いた方が有効であること,さらにAmazonの利用・併用も検討に値することが言えた。
著者
辻 慶太 楳原 衣恵 木川田 朱美
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会春季研究集会発表要綱
巻号頁・発行日
vol.2009年度, pp.79-82, 2009-05-23

本研究では近年急速に成長しているQ&Aサイトと公共図書館レファレンスサービスに同じ質問を行い,正答率などを比較した。前者には「教えて!goo」を,後者には首都圏近郊の32館を選び,60個の質問を行った。結果,直接的に完全な正答が与えられる割合は共に32%で,全般に両者の正答率に大きな差は見られなかった。こうした状況を踏まえ公共図書館は今後新たなレファレンスサービスのあり方を検討する必要がある。
著者
辻 慶太
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.210-227, 2015-11-01

図書館の利用を増加させるラーニング・コモンズ(LC)像を調査分析した。具体的には,小山(2012)に示されている24のLCをサンプルとし,『日本の図書館:統計と名簿』に記されている入館者数,貸出数,参考受付総件数を利用量として取り上げ,これらを増加させるLCの要素を分析した。結果,プリンタ,コピー機,ノートPCがあり,学生一人当たりコンピュータ設置台数が多く,さらにTA・SAによる支援があって,1階に設置されているLCは,他のLCに比べて,入館者数や参考受付総件数を増加させる可能性があることが示された。
著者
辻 慶太 党 春菜 原 淳之
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.348-363, 2011-01-01
被引用文献数
1

本研究では都道府県立及び市区立公共図書館のデジタル/対面式のレファレンスサービスとQ&Aサイトに60個の同じ質問を行い,正答率を比較した。結果,デジタルレファレンスサービス(DRS)の正答率は全般にQ&Aサイトより高いこと,DRS未実施館の対面式の正答率はQ&Aサイトと変わらないが,実施館のそれはQ&Aサイトより高いことが示された。DRSを行うほどレファレンスサービスに熱心に取り組めば,図書館の正答率はQ&Aサイトを超えられる可能性がある。今後のレファレンスサービスのあり方を検討する上で考慮すべき結果と思われる。
著者
河本 毬馨 辻 慶太
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.79, pp.85-107, 2018

【目的】近年, 米国では "library as place (場所としての図書館)"という概念が広まり, 利用者が長時間滞在しやすいよう飲食を許す図書館が現れている。一方, 日本の多くの図書館では, 従来館内飲食は許されないと言われてきた。だが, 日本の館内飲食の現状や飲食許可による効果などは明らかにされていない。そこで本研究では, (1) 日本の図書館における現在の飲食方針, (2) 飲食による図書館資料への影響, (3) 図書館利用者の館内飲食に対する反応, (4) 図書館員の館内飲食に対する意見, (5) 館内飲食許可の前後における図書館利用量の変化, を明らかにする。【方法】本研究では, (a) アンケート調査, (b) 図書館利用量分析, を行った。(a) アンケートは無作為抽出した公共・大学図書館各500館に2015年5~7月に送付し, それぞれ356館, 329館から回答を得た。(b) 図書館利用量分析では『日本の図書館 : 統計と名簿』から入手した来館者数, 個人貸出総数, 参考業務受付件数が, 飲食を許した年の前後2年間ずつでどのような増加率を示しているかを調べた。【結果】調査の結果, 公共図書館の56.2%, 大学図書館の62.3%が飲み物または食べ物の利用を許していることが明らかとなった。また, 館内飲食に付随する問題として取り上げられる資料への汚れに関しては, 飲食を許した後に汚れが「目立つ」「少し目立つ」と回答した公共図書館は4.0%, 大学図書館は14.6%と比較的低い割合であることがわかった。さらに, 飲み物を許した公共図書館の来館者数の増加率の平均値は+65.7%であり, 全国の平均値+8.6%より有意水準0.05 で高いことや, 食べ物を許した公共図書館の個人貸出総数の増加率の中央値は+56.5%であり, 全国の中央値+4.1%より有意水準0.01 で高いことなども示された。因果関係の証明などは難しいものの, 飲食許可後は来館者数や個人貸出総数が増加する傾向があり, 館内飲食は図書館利用量向上に有効なサービスである可能性が示された。Purpose : While more libraries in the United States are starting to allow food and drinks as a result of the rise of the "library as place" theme, the changing policies on food and drinks in Japanese libraries have not been studied. Therefore, we investigated Japanese libraries' food and drink policies and their effect on library materials, as well as user reactions, librarians' opinions of the policies, and changes in library usage after the introduction of the policies.Methods : In 2015, we sent questionnaires to 1,000 libraries (500 public and 500 university), of which 356 public and 329 university libraries responded. We also investigated library usage (gate counts, loans, and reference transactions) both before and after the introduction of policies that allow food and drinks, and found that the numbers consistently increased after the policies were put in place.Results : The results show that 56.2% of public and 62.3% of university libraries allow food and drinks. Only 4.0% of public and 14.6% of university libraries reported that these policies resultedin noticeable stains on library materials. The gate count for all public libraries, including those that did not allow food and drinks, increased by an average of 8.6%, while that for public libraries allowing food and drinks increased by 65.7%. Public libraries that allowed food and drinks saw a median 56.5% increase in the number of library loans. Therefore, allowing food and drinks may have positive effects on library usage.原著論文
著者
辻 慶太 芳鐘 冬樹 松本 直樹 影浦 峡
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.166-179, 2008-09-01

司書資格は取得者にどのような仕事をもたらしたか,満足をもたらしたのか,を明らかにする為,司書資格を取得(して/しないで)図書館に勤務(したことがない/している)者,及び資格取得を目指して(いる/いない)大学生,の6グループにインターネット調査を行った。回答者は1,829人で,資格を取得し図書館員にならなかった者には非正規職員が多く,現状に満足しておらず,年収は一般人より低いことが示された。資格を持つ図書館員には専門的業務に従事する者が多く,年収は低いが非常に満足していることも示された。
著者
久保 順子 辻 慶太 杉本 重雄
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.15-31, 2010-02-26 (Released:2010-04-04)
参考文献数
28
被引用文献数
1

コンピュータを使用した専門用語自動抽出は,従来,対象とする専門分野のテキストコーパスのみをデータとして行っているものが多かった.しかし,専門用語の特徴として,対象分野のコーパスに頻出し,対象分野以外の他分野コーパスにはあまり多く出現しない点が挙げられる.そこで本研究では,対象分野コーパスと他分野コーパスとの用語の出現率の差を考慮した手法を提案する.実験では,女性学のテキストを対象分野のコーパスとして使用し,他分野のコーパスとして39分野のテキストを使用した.実験の結果,従来の代表的手法よりもかなり高い精度で用語が抽出できることが明らかとなった.また39分野のテキストから任意のテキストを選び他分野コーパスとして用いてコーパスの規模を縮小できるか実験を行った.その結果,対象分野と類似した分野のテキストを用いることで,39分野すべてのテキストを用いた場合の抽出精度・再現率に近づけることができた.
著者
辻 慶太 滝沢 伸也 佐藤 翔 池内 有為 池内 淳 芳鐘 冬樹 逸村 裕
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.253-267, 2013-11-01

本研究では(1)T大学図書館の貸出履歴約6年分を用いたアソシエーションルールの確信度・支持度,(2)図書のタイトル類似度,(2)NDC,(4)「BOOK」データベースの要旨の類似度,の各種組合せを学習用データとしたサポートベクターマシン(SVM)を用いて図書推薦の実験を行った。さらにSVMを用いず上記情報を単独で用いた場合やAmazonによる推薦も比較検証した。被験者は32名で,結果,「NDC+タイトル+貸出履歴」と「タイトル+貸出履歴」の組合せが有効であること,Amazonの推薦の方が評価が高いことを確認した。
著者
佐浦 敬之 辻 慶太
巻号頁・発行日
2009

図書館が利用履歴を保存・活用することに関する図書館利用者の意識を明らかにすることを目的として,高校生以上の公共図書館の来館者に対して質問紙調査を行い,198 件の有効回答を得た。結果,図書館サービス提供のために利用履歴を保存することに関して,「サービスの利便性」,「履歴は秘密にするほどのものではない」などの理由から約7 割が容認できると回答した。一方,残りの約3 割は,「個人情報の流出やプライバシー侵害への懸念」,「流出リスク軽減の優先」などの理由から,容認できないと回答したことが分かった。
著者
辻 慶太 芳鐘 冬樹 松本 直樹 影浦 峡
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.166-179, 2008-09-01 (Released:2017-05-24)

司書資格は取得者にどのような仕事をもたらしたか,満足をもたらしたのか,を明らかにする為,司書資格を取得(して/しないで)図書館に勤務(したことがない/している)者,及び資格取得を目指して(いる/いない)大学生,の6グループにインターネット調査を行った。回答者は1,829人で,資格を取得し図書館員にならなかった者には非正規職員が多く,現状に満足しておらず,年収は一般人より低いことが示された。資格を持つ図書館員には専門的業務に従事する者が多く,年収は低いが非常に満足していることも示された。