著者
酒本 裕明 法宗 布美子 有賀 康裕 左右内 敏浩 丹 美幸 都築 泉
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.194-201, 2017-04-01 (Released:2017-04-03)

商品開発ではニーズの把握が非常に重要である。そのため,将来のニーズ(例えば次のブーム)を予測する手法が今後益々必要とされる。そこで,本研究では,次世代商品ニーズの予測手法を確立することを目的とした。題材には身近な商品であるシャンプーを選択し,次に来るシャンプーブームを予測した。今回,各年代に発生したブームについて,出願件数の経年変化の数値に対して統計処理を行なう手法を試みた。その結果,いずれのブームにもブーム発生以前に前兆となるシグナルが確認された。この手法を用いて,種々の手法により抽出したニーズ候補を評価し,次世代商品ニーズ群の選定を試みた。
著者
長谷部 雅彦 持井 聡子 大森 照夫 杉山 典正 近成 涼香 都築 泉
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.616-622, 2018-12-01 (Released:2018-12-01)

介護サービス全体に占める徘徊見守りサービスの市場割合は0.2%以下,また既存サービスの利用率は10%以下という極めて少ない状況である。この原因として,既存サービスは介護従事者等の人手を必要とするケースが多い一方介護の仕事は社会的地位が低い上に低賃金・重労働のため常時人手不足を生じていることや,身体拘束や行動制限などへの留意が必要であることが認識された。そこで,これらの人権侵害に留意しつつ介護従事者の負担軽減を図ることが可能と考えられる技術要素を抽出し,技術要素を組み合わせて,本研究では,進化型ペットロボ,体内挿入カプセルロボ,未来型お供ロボを提案することとした。
著者
都築 泉
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.326-332, 2010-08-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

有料で提供されている特許分析ツールについて,その主な機能により,統計処理型,テキストマイニング型,データベース付随型,独自指標型に分け,それぞれ3〜4種類,合計13種類を取り上げ,(1)提供機関・連絡先,(2)分析対象データ,(3)概要・特徴,(4)処理件数(処理データ量)の上限,(5)利用料金,を紹介する。特許情報分析を行う際には,分析の目的と情報源となるデータの質・信頼性が重要である。対象となる特許データの収集に利用するデータベースに分析機能が付随している場合には,利用条件等が許せば適宜利用し,また,それとは別個に,CSVデータや複数種類のデータベースの検索結果を扱える,汎用性のあるツールも備えておくと大いに有用である。
著者
左右内 敏浩 法宗 布美子 都築 泉 大森 照夫
出版者
Information Science and Technology Association, Japan
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.149-153, 2020-03-01 (Released:2020-03-01)

新規開発テーマを提案する手法の一つとして「α発想法」がある。「α発想法」は,①個々人が自由発想を行う「個人ワーク」,②個人ワークで得られた発想をグループ化,階層構造化して機能ツリーマップを作成する「集団ワーク」,③機能ツリーマップの分類に既存特許を当てはめて,発想と公知技術との対応を表す機能鳥瞰マップを作成する「鳥瞰ワーク」,④機能鳥瞰マップに自社の強みや市場環境を加味して攻め所を特定する「提案ワーク」の4段階で構成されており,徹底的に発想を展開した後に公知技術と対比し,最終的に自社の強みや環境要素を加味して提案する手法である。「既存特許の分析」を起点とする一般的な手法とは異なり,既存の枠に捉われない「発想」を起点とする点が,「α発想法」の特徴といえる。本研究では,「生分解性プラスチック」を題材に,「新規開発テーマの提案」を目的として「α発想法」を実践し,「徐放性シロアリ駆除剤」を提案するまでの,各段階における留意点等について報告する。
著者
鈴木 愛子 涌井 利果 都築 泉
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.97-102, 2019 (Released:2019-06-14)

ASEANなど新興国の調査実務では、商用データベースの収録不足を補完する目的で各国特許庁データベースを活用する企業も増えてきた。中国特許調査においても英語情報のみの調査では漏れも発生することから、中国語検索が採用されているように、ASEANの特許調査においてもインドネシア、タイ、ベトナムなどの調査では各国特許庁データベースでの原語検索、検索結果の査読が行われるようになってきた。そのような中、PATENTSCOPEやGoogle Patentsなどの無料データベースにASEANや新興国の特許情報が収録され始め、注目を集めている。そこでPATENTSCOPEをはじめとする無料特許データベースの収録状況および検索・表示機能について、商用データベースでの検索事例も交えて、ASEANや新興国特許情報を調査する担当者が、どのデータベースを選択して調査に当たるべきかの指針を示すことを目的に研究した成果を紹介する。
著者
法宗 布美子 左右内 敏浩 都築 泉 大森 照夫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.25-29, 2019 (Released:2019-06-14)

新規開発テーマを提案する手法の一つとして「α発想法」がある. 「α発想法」は, ①個々人が自由発想を行う「個人ワーク」, ②個人ワークで得られた発想をグループ化, 階層構造化して機能ツリーマップを作成する「集団ワーク」, ③機能ツリーマップの分類に既存特許を当てはめて, 発想と公知技術との対応を表す機能鳥瞰マップを作成する「鳥瞰ワーク」,④機能鳥瞰マップに自社の強みや市場環境を加味して攻め所を特定する「提案ワーク」の4段階で構成されており, 徹底的に発想を展開した後に公知技術と対比し, 最終的に自社の強みや環境要素を加味して提案する手法である.「既存特許の分析」を起点とする一般的な手法とは異なり, 既存の枠に捉われない「発想」を起点とする点が, 「α発想法」の特徴といえる.本研究では, 「生分解性プラスチック」を題材に, 「新規開発テーマの提案」を目的として「α発想法」を実践し, 「徐放性シロアリ駆除剤」を提案するまでの, 各段階における留意点等について報告する.
著者
長谷部 雅彦 持井 聡子 大森 照夫 杉山 典正 都築 泉 近成 涼香
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第15回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.19-24, 2018 (Released:2018-06-22)

本研究では、近年社会問題化され益々増加する認知症高齢者の徘徊に着目し、新しい「徘徊見守りサービス」を提案することを目的とした。現状調査によると、介護サービス全体に占める徘徊見守りサービスの市場割合は0.2%以下と極めて小さく、また既存サービスの利用率は10%以下という状況であった。この原因として、既存サービスは介護従事者等の人手を必要とするケースが多い一方介護従事者は社会的地位が低い上に低賃金・重労働のため常時人手不足を生じていることや、身体拘束や行動制限などへの留意が必要であることが認識された。そこで、これらの人権侵害に留意しつつ介護従事者の負担軽減を図ることが可能と考えられる技術要素を調査した結果、論文情報ではAI画像解析、GPSトラッキング、特許情報ではAI会話解析,生体信号監視,各種センサー技術,口コミ情報ではGPS位置情報、特殊シールの貼り付け、QRコードの携帯などが着目された。これらの技術要素を組合せ、本研究では、進化型ペットロボ、体内挿入カプセルロボ、未来型お供ロボを提案した。
著者
高石 静代 朝倉 和子 上野 亮磨 左右内 敏浩 都築 泉 出口 哲也 渡邉 薫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.180-185, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)

新製品・新事業探索は,企業が持続的な成長をしていく上で必要な取り組みであり,様々な方法が提案・実践されている。本研究では,この新しい手法として「段階的発想法」を考案し,その適用について検討した。段階的発想法とは,共出語を用いてキーワードを段階的につなげて,新製品・新事業につながる発想を広げていく方法である。本研究では,マイクロレンズ製造技術をコア技術として有する実在するK社を題材に,特許,学術文献,新聞,ソーシャルメディア,ウェブ情報から段階的発想法を用いて新製品・新事業の探索を試みた。段階的発想法は,従来法よりも発想を飛躍でき,広い範囲で新製品・新事業を探索できるものと期待される。
著者
高石 静代 朝倉 和子 上野 亮磨 左右内 敏浩 都築 泉 出口 哲也 渡邉 薫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.27-33, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
3

新製品・新事業探索は、企業が持続的な成長をしていく上で必要な取り組みであり、様々な方法が提案・実践されている。本研究では、新しい手法として段階的発想法を考案し、その適用について検討した。段階的発想法とは、共出語を用いてキーワードを段階的につなげて、新製品・新事業につながる発想を広げていく方法である。 従来より、コア技術のキーワードを用いて特許文献を絞り込み、作成した集合を分析して新製品・新事業を探索する方法が知られているが、段階的発想法は、この従来法よりも発想を飛躍でき、広い範囲で新製品・新事業を探索できるものと期待される。 本研究では、実在するK社のコア技術であるマイクロレンズを題材に、特許、学術文献、新聞、ソーシャルメディア、ウェブ情報から段階的発想法を用いて新製品・新事業の探索を試みた。その結果から、情報源による違い、従来法と段階的発想法との違いや有用性を考察した。
著者
吉野 孝 川島 順 藤城 享 桐山 勉 都築 泉 長谷川 正好 田中 宣郎 栗原 健一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構 一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.137-141, 2011

「欲しいなぁ」と思う情報がドクメンテーションされていないことは良くある。そのような場合には、自分自身でドクメンテーションしてみてはどうだろう。本発表では、特許権の存続期間の延長情報をドクメンテーションした事例を紹介し、必要とする情報がドクメンテーションされていない場合は、自分自身でドクメンテーションすることを推奨する。本発表は、INFOSTA-SIG-パテントドクメンテーション部会 (Patent Documentation Group) の 2011 年度の活動の成果である。
著者
都築 泉
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.270-276, 2013-07-01

多数の特許出願を審査・調査するために,特許分類は必須である。世界共通の特許分類として国際特許分類(International Patent Classification;IPC)が,また,日本のFI(ファイルインデックス;File Index),Fターム(File Forming Term)をはじめ,各国特許庁独自の分類も長年にわたり利用されてきた。しかし,経済のグローバル化,技術の発展に伴い,IPCにも限界があることから,米国・欧州の両特許庁での共通分類としてCPC特許分類(Cooperative Patent Classification)の運用が開始され,また,日本,中国,韓国を加えた五大特許庁でのCHC特許分類(Common Hybrid Classification)プロジェクトが推進されているが,政治的な思惑もあり,行き詰まりも指摘されている。これら特許分類の歴史・経緯・現状と課題を概説する。