著者
野田 優希 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 内田 智也 石田 美弥 佃 美智留 藤田 健司
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.197-200, 2017
被引用文献数
1

<p>バレーボールの傷害調査を行い,男女間の傷害発生の傾向を分析した。対象は469名1046件(男性142名332件,女性327名714件)であった。部位別傷害発生率は男女ともに膝関節と足関節が上位を占めた。疾患別傷害発生率は足部,腰部,肩関節,下腿において男女間で有意な差がみられた(P<0.01)。足部では,女性において中足骨疲労骨折の発生率が高かった。腰部では,男女共に筋筋膜性腰痛が多くを占めた。また男性において椎間板性腰痛症の発生率が高かったことが特徴的であった。肩関節では,男性で肩関節インピンジメント症候群,女性では動揺肩が多かった。下腿では,女性においてシンスプリントの発生率が高かった。バレーボールでは足部,腰部,肩関節,下腿において発生する傷害が男女で異なっており,コンディショニング指導の際は性差による傷害発生の特徴を考慮する必要性が示された。</p>
著者
内田 智也 大久保 吏司 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 野田 優希 石田 美弥 佃 美智留 土定 寛幸 藤田 健司
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.75-81, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
22
被引用文献数
2

【目的】投球中の肩関節ストレスの軽減には,良好な下肢関節動作が重要となる。そこで,本研究はFoot Contact(以下,FC)以降のステップ脚膝・股関節の力学的仕事量と肩関節トルクの関係について検討した。【方法】中学生の投手31 名の投球動作解析で求められた肩関節内旋トルクについて,その平均から1/2SD を超えて低い群(以下,LG)10 名と1/2 を超えて高い群(HG)10 名の2 群に分け,ステップ脚膝・股関節の力学的仕事量(正・負仕事)を群間比較した。【結果】FC から肩関節最大外旋位(MER)におけるLG の膝関節屈曲-伸展の負仕事量が有意に低値を示した。【結論】ステップ脚膝関節伸展筋力は良好な投球動作獲得に寄与し,FC 以降の膝関節の固定および下肢関節からの力学的エネルギーを向上させることは肩関節ストレスを軽減させると考えられた。
著者
内田 智也 藤田 健司 大久保 吏司 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 野田 優希 石田 美弥 佃 美智留 土定 寛幸
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.75-81, 2018

<p>【目的】投球中の肩関節ストレスの軽減には,良好な下肢関節動作が重要となる。そこで,本研究はFoot Contact(以下,FC)以降のステップ脚膝・股関節の力学的仕事量と肩関節トルクの関係について検討した。【方法】中学生の投手31 名の投球動作解析で求められた肩関節内旋トルクについて,その平均から1/2SD を超えて低い群(以下,LG)10 名と1/2 を超えて高い群(HG)10 名の2 群に分け,ステップ脚膝・股関節の力学的仕事量(正・負仕事)を群間比較した。【結果】FC から肩関節最大外旋位(MER)におけるLG の膝関節屈曲-伸展の負仕事量が有意に低値を示した。【結論】ステップ脚膝関節伸展筋力は良好な投球動作獲得に寄与し,FC 以降の膝関節の固定および下肢関節からの力学的エネルギーを向上させることは肩関節ストレスを軽減させると考えられた。</p>
著者
内田 智也 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 野田 優希 石田 美弥 佃 美智留 大久保 吏司 藤田 健司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.791-794, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
15

〔目的〕我々が考案したSingle Leg Up Downテスト(以下SLUDテスト)と体重支持指数(以下WBI)の関連について検討すること.〔対象と方法〕中学野球選手202名にSLUDテストおよびWBI(等尺性最大膝伸展筋力を体重で除した値)を測定した.非投球側のSLUDテスト遂行可能な高さで群分けし,各群間のWBIをKruskal-Wallis検定,多重比較法を用いて比較した.〔結果〕SLUDテスト40 cm,30 cm,20 cm,10 cmのWBIの平均はそれぞれ0.79±0.18,0.87±0.20,1.00±0.19,1.04±0.24であり,40 cmと30 cmの各群に対して,20 cm,10 cmの各群が高値を示した.〔結語〕スポーツ選手に必要な筋力はWBI 1.0以上とされていることからも,20 cm台からのSLUDテスト遂行の可否が下肢筋力のスクリーニングテストとして有用であることが示された.
著者
内田 智也 松本 晋太朗 小松 稔 野田 優希 石田 美弥 佃 美智留 中山 良太 武田 雄大 平川 理映子 武藤 貢平 大久保 吏司 古川 裕之 藤田 健司
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.237-242, 2016-04-01 (Released:2016-03-18)
参考文献数
32
被引用文献数
1

Recently, the problem of the high incidence of throwing injuries in young people has been gaining attention. Identifying high-risk players before the onset of the throwing injury is important for prevention. One of the most widely used screening tests for sports-related injuries is the Functional Movement Screen (FMS), which assesses the quality of movement; however, its correlation with throwing injuries has not been established. The purpose of this study was to investigate the correlation between the FMS score and throwing injuries. The FMS was used during the medical check for two hundred and thirty junior high school baseball players. We allotted those who had experienced throwing injuries multiple times to the injury group and those who had never experienced throwing injury to the control group. We then calculated the FMS cutoff value using the receiver operating characteristic curve. In addition, we investigated differences in the incidence of throwing injury between above and below the cutoff value using chi-square test. The FMS cutoff score was 17. Players who scored ≤17 had a significantly higher incidence of throwing injuries than those who scored ≥18. Conclusion: We believe that FMS score is correlated to throwing injuries. In addition, the results suggest that throwing injuries might be prevented in junior high school baseball players who scored ≤17 on the FMS if they undergo training in the correct movement patterns.
著者
内田 智也 大久保 吏司 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 野田 優希 石田 美弥 佃 美智留 土定 寛幸 藤田 健司
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11373, (Released:2018-01-24)
参考文献数
22

【目的】投球中の肩関節ストレスの軽減には,良好な下肢関節動作が重要となる。そこで,本研究はFoot Contact(以下,FC)以降のステップ脚膝・股関節の力学的仕事量と肩関節トルクの関係について検討した。【方法】中学生の投手31 名の投球動作解析で求められた肩関節内旋トルクについて,その平均から1/2SD を超えて低い群(以下,LG)10 名と1/2 を超えて高い群(HG)10 名の2 群に分け,ステップ脚膝・股関節の力学的仕事量(正・負仕事)を群間比較した。【結果】FC から肩関節最大外旋位(MER)におけるLG の膝関節屈曲-伸展の負仕事量が有意に低値を示した。【結論】ステップ脚膝関節伸展筋力は良好な投球動作獲得に寄与し,FC 以降の膝関節の固定および下肢関節からの力学的エネルギーを向上させることは肩関節ストレスを軽減させると考えられた。
著者
野田 優希 古川 裕之 福岡 ゆかり 松本 晋太朗 小松 稔 内田 智也 藤田 健司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101534, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】 近年、各種スポーツに関する外傷・障害調査は多数報告されているが、バレーボールに関する報告は比較的少ない。過去の報告では、その多くが全体もしくは男性のみ、女性のみの疾患別の割合を示したものであり、傷害と性別の関係を分析した報告は我々が渉猟し得た限りではみられない。そこで今回、2007年4月から2011年10月までに当院を受診したバレーボール競技者の傷害調査を行い、男女間で傷害発生部位が異なるか否か、また各部位ごとの発生傷害に違いがみられるかについて傷害発生率をもとに検討した。【方法】 2007年4月から2011年10月までに当院を受診したバレーボール競技者718名1524件(男性431件、女性1093件)のうち30代未満の競技者(469名、1046件)を男女に分けた(男性:142名、332件、女性:327名、714件)。傷害部位は、肩関節、腰部、膝関節、下腿、足関節、足部、その他の7部位に分け、各部位ごとの傷害発生率を算出した。また、各部位で傷害を疾患別に分類し疾患別傷害発生率を算出した。分析については、各部位ごとの傷害発生率が男女間で違いがみられるか検討し、さらに各部位内の疾患別傷害発生率が男女間で違いがみられるか検討した。統計学的検定には、カイ二乗独立性の検定を用い有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 当院倫理委員会の承認を得、各被験者には本研究の趣旨と方法について説明し同意のうえ実施した。【結果】 各部位別の傷害発生率は、肩関節は男子で11.8%、女子で7.6%、腰部は同様に11.8%、13.6%、膝関節は27.6%、23.8%、下腿は5.6%、8.3%、足関節は21.7%、14.7%、足部は7.1%、16.0%で部位ごとの傷害発生率に性差はみられなかった。各部位内での疾患別傷害発生率では、肩関節と腰部、足部で男女間に違いがみられた。これら3部位内において男女間で傷害発生率が異なる傾向がみられたのは、肩関節では、インピンジメント症候群と腱板炎・腱板断裂でともに男性の発生率が高い傾向であった。腰部では椎間板性腰痛症でこれも男性の発生率が高い傾向であった。足部では中足骨骨膜炎・疲労骨折、扁平回内足で、これは女性の発生率が高い傾向であった。【考察】 バレーボールの傷害特性として、肩関節、腰部、膝関節、足関節に傷害が多いことは周知のとおりである。また、バレーボールは男女問わず小学生から中高年まで幅広い年齢層に競技者が多いスポーツである。そこで今回傷害発生率に性差がみられるか検討した。選択した7部位の傷害発生率に性差はみられなかったが、これはバレーボールの傷害において男女ともにこれらの部位に傷害発生率が高いことを示しておりこれまでの報告を支持する結果となった。肩関節、腰部、足部において男女間で違いがみられた。肩関節では、男性においてインピンジメント症候群、腱板炎・腱板断裂の発生率が高く、腰部では椎間板性腰痛症の発生率が高い傾向であった。また、足部では女性において扁平回内足、中足骨骨膜炎・疲労骨折の発生率が高い傾向であった。これらのことから、男性ではスパイク時に肩関節へ繰り返しストレスが加わり関節運動の破綻をきたしていること、またスパイク時の体幹の伸展屈曲動作により椎間板へストレスが生じていることが推察された。女性においてはブロック・スパイクジャンプ時・着地時に足部へ繰り返される荷重ストレスが傷害発生の要因であることが考えられた。試合を見ていても、男性では一発の強烈なスパイクで得点が決まり比較的ラリーが短いのに対し、女性では長いラリーの末得点が決まることが多い。このような試合の流れの違いが、今回の疾患別傷害発生率に男女間の違いとなって表れたのではないかと考えられた。【理学療法学研究としての意義】 スポーツ現場、日々の臨床においてバレーボール競技者を治療する際に感じている男女間での傷害の違いを提示することができた。バレーボールにおける傷害と性別の関係を知ることで、より効果的にトレーニング指導、傷害予防を行ことができる可能性が示唆された。