著者
山内 直人 赤井 伸郎 石田 祐 稲葉 陽二 大野 ゆう子 金谷 信子 田中 敬文 樽見 弘紀 辻 正次 西出 優子 松永 佳甫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の定量的把握および統計的分析からその経済社会的効果を分析し、政策的意義について検討・評価することを目的としたものである。 研究の成果を通じて、抽象的概念であるソーシャル・キャピタルの定量的把握に関する手法を開発、新しいソーシャル・キャピタル指標を提示し、それを用いた実証分析を行うことが可能となった。また、これまで十分に解明されてこなかったソーシャル・キャピタルの日本的特徴を把握し、多様な政策対象とソーシャル・キャピタルとの関係性に関する理論的、実証的示唆を得るとともに、ソーシャル・キャピタルの社会的意義や政策的インプリケーションに関する検討課題や論点を整理した。
著者
金谷 信子
出版者
広島市立大学国際学部
雑誌
広島国際研究 = Hiroshima Journal of International Studies (ISSN:13413546)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.43-60, 2017-11-30

This paper examines the differences in behaviors between nonprofit providers and for-profit providers of Long-Term Care Services (LTCS) for the elderly in Japan by analyzing whether providers compromise on quality and engage in strategies to maximize profits. The quasi-market was introduced to improve the efficiency of the former public welfare service, which was limited to serving the public and nonprofit organizations. However, there is considerable doubt about LTCS's ability to balance the market mechanism with the fairness or equality of public services.Therefore, I examine the possibility of service quality compromises and the tendency toward strategic behaviors, e.g., the selection of users and service locations, economies of scale, and economies of scope. The results indicate the service quality of nonprofit providers may be better than that of for-profit providers. For-profit providers also seem to select profitable users and service locations and seek the scale and scope of economies more positively than nonprofit providers.
著者
金谷 信子
出版者
コミュニティ政策学会
雑誌
コミュニティ政策 (ISSN:1348608X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.124-143, 2008 (Released:2013-03-28)
参考文献数
49
被引用文献数
1

ソーシャル・キャピタルの形成には、市民活動が大きな影響を持つことが知られている。ただ日本の市民社会論では、現代的で自律型の市民活動に関心が集中し、伝統的な地縁団体や行政系ボランティアがつくる地縁ネットワークの役割や意義についての研究はまだ少ない。このため本論では、ソーシャル・キャピタル論とその背景にある市民社会論の関係を再考した上で、地域の安全や福祉に取り組む地縁ネットワークの意義を再確認し、これが顔の見える関係の基盤を造り、ソーシャル・キャピタルの要素である信頼の源泉として機能する可能性について考察する。
著者
山内 直人 松永 佳甫 西出 優子 金谷 信子 石田 祐 田中 敬文 奥山 尚子
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

社会のダイバーシティ(多様性)が、ソーシャル・エクスクルージョン(社会的排除)をもたらすメカニズムを解明するとともに、ダイバーシティをポジティヴに評価・活用して、社会の活力維持につなげるための公共政策のあり方について研究を進めた。各国社会のダイバーシティおよびソーシャル・エクスクルージョンの状況と、各国の経済成長、起業、犯罪など、様々な社会経済パフォーマンスとの関係を定量的に分析した。