著者
竹本 良章 小林 賢司 月村 光弘 高澤 直裕 加藤 秀樹 鈴木 俊介 青木 潤 近藤 亨 齊藤 晴久 五味 祐一 松田 成介 只木 芳隆
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.5-8, 2016

3次元積層技術を用いた多層フォトダイオードCMOSイメージセンサによるマルチバンドイメージングを実証した.このイメージセンサは,フォトダイオードアレイを有した複数の基板を積層し,それぞれのフォトダイオードアレイを独立して駆動する事で,最適化した駆動条件でそれぞれの画像を取得できる.また積層構造を活かし,これまでの2次元構造で用いられたようなRGB (Red, Green, Blue)画像に限らずIR(赤外)画像も同時に取得するといったマルチバンドイメージングが実現可能である事を確認した.この際にそれぞれのフォトダイオードアレイでRGB画像とIR画像を同一デバイスで同時に撮像可能であり,RGB画像の画質劣化を引き起こす事もない.このような特徴を活かし,これまでのIRイメージセンサとRGBイメージセンサを組み合わせたシステムと比較し,より小型・安価かつ多機能なシステムの実現が期待される.
著者
鈴木 俊介 神村 真 阪上 最一
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1729-1730, 2004

都市部でのトンネル工事では、近接施工となる場合が多いので、地盤掘削が周辺地盤に及ぼす影響を精度良く予測する必要がある。数値解析は、予測手法として一般的であるが、結果検証のためには、遠心力模型実験等による実挙動の確認が必要である。しかし、一般に普及しているビーム型遠心力模型実験装置は、高精度であるが、大型であるため簡便性に欠ける。著者らは、ビーム型装置より小型のミニドラム型遠心力模型実験装置により、トンネル掘削模擬実験を実施し、簡便な地盤挙動予測手法の検討を行った。検討結果は、ミニドラム型装置が、掘削時地盤挙動を簡便かつ精度良く把握できることを示すものであったので、ここに報告する。
著者
鈴木 俊介
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要
巻号頁・発行日
vol.49, no.1-2, pp.11-18, 2013-03-22

ゲノムインプリンティングは一部の遺伝子に親由来により異なるエピジェネティック修飾を与え,片親性発現を引き起こす。本来,雄由来と雌由来の染色体からなる二倍体の細胞をもつことは劣勢変異の表現型を抑える大きなメリットがあるが,片親性発現であるインプリント遺伝子は二倍体でありながらその機能が一倍体と同じ状態になっている。このユニークな遺伝子発現制御機構は,高等脊椎動物において哺乳類には広く保存されているが,鳥類以下では見つかっていない。ゲノムインプリンティングが哺乳類の進化上なぜ現れ,どのように進化して現在まで保存されてきたかは,非常に興味深い側面であるがまだ結論は出ていない。哺乳類には,卵生で胎盤をもたない単孔類,胎生だが真獣類と比べ非効率的な胎盤をもち早期に出産する有袋類,効率のよい胎盤をもち長期間胎内で子を育てる真獣類という,それぞれ異なった生殖様式をとる三つのサブグループが存在する。ゲノムインプリンティングの進化は,哺乳類の中でも胎生である真獣類と有袋類のみにみられること,インプリント遺伝子群に胎児の成長や母子間の栄養輸送,母性行動などに関わる遺伝子が複数含まれること,ほとんどのインプリント遺伝子が胎盤組織で高い発現レベルを示すことなどから,哺乳類の胎生の進化と関連があったと考えられている。したがって,生殖様式の異なる真獣類と有袋類においてインプリンティングを受ける遺伝子や領域,メカニズムを解析し比較することは,その起源や生物学的意義,進化を考察する上で必須である。本総説では,これまでのほとんどの研究が対象にしてきたマウスやヒトとは別のグループである有袋類や単孔類を含めた比較解析により見えてきたこれらの知見について議論する。
著者
粒来 崇博 鈴木 俊介 釣木澤 尚実 三井 千尋 東 憲孝 福冨 友馬 谷本 英則 関谷 潔史 押方 智也子 大友 守 前田 裕二 谷口 正実 池原 邦彦 秋山 一男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.184-193, 2012
参考文献数
22
被引用文献数
2

【背景,目的】強制オッシレーション法は被験者に努力を行わせることなく呼吸抵抗,呼吸リアクタンスといったメカニクスの指標を測定し,スパイロメトリーと違い努力呼気が必要でないことから注目される.近年,本邦より強制オッシレーション法の測定機械としてモストグラフ(チェスト社,東京)が販売され,気管支喘息の診断や治療の指標としての応用が期待されている.そこで,成人の治療中の喘息におけるモストグラフの指標の判定の目安について考察する.【方法】当院外来で治療により安定した気管支喘息患者151症例について同時にFeNO,モストグラフ,スパイログラムを評価,比較した.【結果】%FEV_1,%MMFとモストグラフの各指標は有意な相関を認めたが,Fresと最も強い相関を認めた.%FEV_1予測式は,%FEV_1=-3.174×Fres+115.7であった.また,年齢とX5,Fres,ALX,BMIと全ての指標に有意な相関を認め,年齢や体格によるこれらの指標に対する影響を示唆した.そこで,モストグラフ各指標におけるFEV_1,年齢,BMI,FeNOの関与を評価する目的で重回帰分析を行ったところ,Fresに主たる影響があるのはFEV_1(p<0.001)であるが,BMI(p<0.001)も有意な影響があると考えられた.【考察】モストグラフ法による測定は成人の治療中喘息における気道閉塞を検出するのに優れていた.%FEV_1=60%相当のFresは17.5,%FEV_1=80%相当のFresは11.3,%FEV_1=100%相当は4.94と想定された.