- 著者
-
鈴木 亮平
- 出版者
- 東京大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2008
平成21年度は,当初の研究実施計画を拡張し,ノードのリアルタイム性を意識した転送ノードのスケジューリング手法(RT-Pipe)とシンクノードから任意の地点へのpipelineの構築手法(BS-Pipe)を提案した.上記提案手法の概要を以下に述べる.1.RT-Pipe:センサデータ送信元ノードとシンクノードとの間でデータ配送を行う配送ノードの往復時間と,ノードの加減速にかかる消費電力を考慮し,送信元ノードのストレージオーバフローによるデータロスを最小にする中で、消費電力を最小とする配送ノードのスケジューリング手法を提案し,平成20年度に提案したセッションプロトコルへの拡張を行った.2.BS-Pipe:平成20年度提案したセッションプロトコルは要求される転送レートが比較的大きいデータを送信する場合を想定しており,温度のモニタリング等,転送レートの小さいデータを送信するノードが比較的多い環境では,有効とは言えなかった,そのためBS-Pipeでは,シンクノードから事前に決定し地点への経路上に配送ノードを並べたpipelineを複数構築することで,領域全体に広がるセンサノードのデータ配送効率を向上させる提案を行った.ここで,BS-Pipeでは,利用可能な配送ノードの数と領域の広さ等のパラメータを元に最適なpipelineの長さ,また数を決定するアルゴリズムを提案した.また,平成21年度は,RT-Pipe,BS-Pipeに平成20年度に提案したセッション管理における経路統合アルゴリズムを加えた統合シミュレーションを行い,評価と議論を行った.さらに平成21年度は,SunSpotを基盤としたプロトタイプロボット7台の作成により、実験環境の構築と簡易実験を行った.