著者
斗内 政吉
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.325-328, 2019-01-15 (Released:2019-01-18)
参考文献数
12

テラヘルツ電磁波は,300 GHzから30 THz程度の周波数帯の未開拓電磁波領域にある.近年,多くの応用が期待され,注目を集めている.中でも,医療・製薬・バイオ分野では大きなマーケットの存在から重要視され始めてきた.本稿では,その展望といくつかの最近の研究トピックスを紹介する.
著者
山下 将嗣 二川 清 斗内 政吉 大谷 知行 川瀬 晃道
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.855-859, 2005-12-15 (Released:2014-03-26)
参考文献数
10

Inspection and failure analysis of large-scale integrated circuits (LSI) have become a critical issue, as there is an increasing demand for quality and reliability in LSIs. Recently, we have proposed a laser THz emission microscope (LTEM) for inspecting electrical failures in LSIs, which detects the THz emission from LSIs by scanning them with femtosecond laser pulses. We successfully obtained the THz emission image of MOSFETs without bias voltage. We also measured MOSFETs in which the connection lines from the electrodes to the p-n junctions were interrupted, and found that the polarity of the temporal waveform of the THz emission from the pn junction in damaged MOSFETs has the opposite sign compared to that in normal MOSFETs. This result indicates that the LTEM can be used for the inspection of MOSFETs without bias voltage, which is attractive for the testing of semiconductor devices during the manufacturing process.
著者
熊谷 孝幸 伊東 良太 竹家 啓 久保 等 吉田 浩之 藤井 彰彦 能勢 敏明 尾崎 雅則 斗内 政吉
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 2009年 日本液晶学会討論会 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
pp.189, 2009 (Released:2011-04-01)

本研究では、テラヘルツ帯にストップバンドを持つような一次元フォトニック結晶にネマティック液晶を導入することでテラヘルツ波スイッチング素子の実現を試みた。無水合成石英と空気からなる一次元フォトニック結晶中に液晶欠陥層を導入した構造を作製し、テラヘルツ帯において液晶欠陥に起因する欠陥モードピークの発現を確認した。更に液晶の配向を制御することで、屈折率異方性を用いて欠陥モードピークが発現する周波数の制御を試みた。
著者
斗内 政吉 KIM S. KIM Sunmi
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

平成20年度は現在までに構築しているレーザーテラヘルツ放射顕微鏡(LTEM)のシステム高機能化をを計るとともに、これを使った半導体デバイスの評価を行った。またこの高機能化したシステムに関する特許の申請を行った。以下に研究結果の詳細を示す。前年度までに従来の試料ステージ移動型のLTEMにビームエクスパンダーおよび固浸レンズを組み込むことにより、波長780nmのフェムト秒レーザー光源を使って、空間分解能として1.2ミクロンを達成していた。また、高速イメージングのためにレーザー走査用のガルバノメータを組み込んだ透過タイプのレーザービーム走査型LTEMを構築し、500×500画素のテラヘルツ放射イメージ取得時間を10秒程度まで短縮することに成功していた(従来の試料ステージ移動型では1時間程度必要)。今年度は、このレーザービーム走査型LTEMを、様々な試料に適応可能な反射型に改良し、またレーザー光源については多くの半導体デバイスのベースとなるシリコンを透過可能な1058nmに変更。さらにビームエクスパンダーおよび固浸レンズを組み込んだシステムへと拡張した。このシステムにより、0.5ミクロンのライン&スペース構造を有するテラヘルツ放射素子を用いて実験を行った。その結果、レーザービームをライン間に照射したときに放射される周期的なテラヘルツ放射パターンが観測されており、よって空間分解能として1ミクロン以下を達成した。また、この新システムを用いて、半導体デバイスの一つであるオペアンプのテラヘルツ放射イメージの観測を行った。人為的に配線に断線箇所を作ったオペアンプと正常なものにおけるLTEMイメージにおいて、有意な差を観測した。このようなテラヘルツイメージの差はアンプに外部から何もバイアス電圧等を入力しない場合にも観測されており、このLTEMを使って半導体デバイスの故障評価を非破壊で高速に行える可能性を示している。
著者
斗内 政吉 村上 博成 川山 巌
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

システム開発においては、固浸レンズやガルバノスキャナーを用いた新規なレーザーテラルツエミッション顕微鏡を構築し、空間分解能1μm以下でかつスキャン時間が数秒であといった高分解能かつ高速性能を持つことを確認した。また、このシステムを用が、半導体集積回路の欠陥検査等に有効であることを示した。一方、強誘電体からのテラヘルツ放射を、結晶構造および配向制御した薄膜を用いて系統的に観測し、そのメカニズムを明らかにした。
著者
斗内 政吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.323-332, 2002-05-01
被引用文献数
2

フェムト秒光パルス励起に伴う高温超伝導体の超高速電荷ダイナミックスを研究する手段として,テラヘルツ電磁波放射を用いることを提案し,その時間領域波形から,雪崩崩壊過程,ホットエレクトロンのバンド内緩和,準粒子再結合過程,対粒子の動的振舞いなどが議論でき得ることを明らかにする.また,超高速光超伝導電流変調により,従来の超伝導理論では許されない,超伝導内部における磁束量子の生成と制御が可能であること,並びにその現象の応用展望についても報告する.