著者
畑中 章生 鎌田 知子 本田 圭司 田崎 彰久 岸根 有美 川島 慶之
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.115, no.8, pp.787-790, 2012 (Released:2012-10-06)
参考文献数
15
被引用文献数
1

再感染と考えられたムンプスウイルス感染症の3症例を経験した. 症例は32歳女性と5歳女児の親子, 33歳男性であった. いずれの症例も片側の耳下腺腫脹を来して当科を初診した. 全症例ともに家庭内にムンプス症例が発生していたことと, 初診時の血清ムンプスIgG抗体が高値であったことから, ムンプス再感染例と診断した. 古典的には, ムンプス感染症は終生免疫を獲得し, 再感染を起こさないものとされてきた. しかし近年の報告では, 初診時ムンプスIgG抗体が高値の場合には, ムンプス再感染を疑う所見と考えられるようになりつつある.
著者
本田 圭司 鎌田 知子 田崎 彰久 畑中 章生
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.681-685, 2012-07-01

We report a case of burns of the larynx caused by hot food in which emergency airway management was required.<br> A 36-year old male came to the hospital with a sore throat 14 hours after ingesting hot food (takoyaki, a Japanese dumpling containing octopus). Fiberscopic examination revealed mild edema of the aryepiglotic fold. The patient refused hospitalization against medical advice and went home after a corticosteroid injection, but returned to the hospital by ambulance with severe dyspnea the next day (44 hours after the injury). A considerably swollen epiglottis were seen on fiberscopy. Since endotracheal intubation was expected to be difficult, surgical cricothyroidotomy was performed for the relief of the airway obstruction. If a laryngeal burn is suspected, the patient should be hospitalized and observed carefully for 24-48 hours.<br>
著者
畑中 章生 立石 優美子 本田 圭司 鎌田 知子 田崎 彰久 岸根 有美 竹田 貴策 川島 慶之
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.117, no.2, pp.111-115, 2014-02-20 (Released:2014-03-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1 3

従来, 野生株によるムンプスウイルス再感染はまれとされていたが, 近年, 主に小児科領域において, ムンプスウイルス再感染の報告が散見されるようになった. 再感染の診断基準の一つとして, 初診時のムンプスウイルス血清IgM抗体価<2.5, かつ同IgG>25.8が提唱されている. 2010年7月から2011年6月までの12カ月間に, 土浦協同病院耳鼻咽喉科を受診した大唾液腺腫脹症例のうち感染によるものと考えられた45例に対して, 初診時にムンプスウイルス血清抗体価を測定した. ムンプスウイルス初感染と考えられた症例は10例, 上記診断基準からムンプスウイルス再感染と考えられた症例は7例であった. 今回の検討から, ムンプスウイルス再感染はありふれた病態である可能性が示唆された.
著者
鎌田 知也
出版者
日本沙漠学会
雑誌
沙漠研究 (ISSN:09176985)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.75-80, 2019-09-30 (Released:2019-10-24)
参考文献数
2

営農型太陽光発電,いわゆるソーラーシェアリングは農地での営農を継続しながら農地を立体的に活用しほ場内に支柱を立てて太陽光パネルを設置・上部空間で発電を行うことで,営農と発電を両立する取り組みである.太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー電力は地球温暖化対策や原発依存体制からの脱却,エネルギー安全保障政策等重要な役割を担っているが,営農型太陽光発電はそれらに加え売電収益による農家所得の向上や農業経営の下支え,荒廃農地の再生等,農業・農村が抱える課題解決の一つのツールとしても注目されはじめており,農林水産省としても健全な営農型太陽光発電の取り組みを促進しているところである.地球規模でも限られた土地や水資源を有効活用し,食料や持続可能で安価な電力供給の面で営農型太陽光発電の潜在力は大きい.本稿では,営農型太陽光発電をめぐる背景及び経緯,期待される効果,現状と課題,海外展開への可能性等について触れる.