著者
山本 敏充 斎藤 成也 徳永 勝士 布施 昇男 (長崎 正朗) 河合 洋介 カラセド アンジェル
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

スペインのコリア・デル・リオ市内及び周辺に住んでいる約800名の「ハポン」姓を名乗る人々のうち、DNA解析希望者男性50名、女性51名から血液試料を採取した。スペインでDNA抽出され、匿名化後、日本で、男性DNA試料について、Y染色体上のSTRsのハプロタイプ解析を行った。また、全てのDNA試料について、ジャポニカ・アレイと呼ばれる日本人に特化された約66万個のゲノムワイドなSNPs解析を行った。その結果、日本人に由来すると考えられるY-STRハプロタイプは観察されず、また、ゲノムワイドなSNP解析からも日本人に由来すると考えられる結果が得られなかった。今後、新しい手法による解析が期待される。
著者
渡辺 賢治 長崎 正朗
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

われわれはこれまでの研究により、漢方薬十全大補湯が1型インターフェロンであるインターフェロンαの遺伝子発現経路に作用してインターフェロン産生を制御していることを見出した。本研究ではさらなる機序解明のため、大腸の固有粘膜層に存在するインターフェロン(IFN)産生細胞について明らかにするとともに、Toll Like Receptor(TLR) 4およびMyD88ノックアウトマウスを使用してそのメカニズムを解明する事を試みた。その結果、十全大補湯はTLR4依存かつMyD88非依存のシグナル経路に働きかける事が明らかとなった。また、MyD88ノックアウトマウスではI型インターフェロン関連遺伝子の定常状態における発現レベルが高くなっており、十全大補湯により発現レベルが減少する事が認められ、同様の現象が無菌(GF)マウスでも認められた。さらに、それらの作用細胞は全て同じ単球系細胞であったが、既報のインターフェロン産生細胞とは異なることが示された。次に十全大補湯の感染防御能を確かめる目的でインフルエンザ感染実験を行ったが、対照群の補中益気湯と比べ、十分な抗インフルエンザ効果が認められなかった。マウスの系統やウイルスの特性によって十全大補湯の実験系に影響を及ぼす事が考えられた。また補中益気湯について、その感染防御メカニズムの一端を明らかにした。
著者
長崎 正朗
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

次世代シークエンサではさまざまな転写産物を同時に見ることができるが同じ領域から出る転写産物について実際にどの転写産物がどの程度出ているかを区別することが課題である。特に機能を行っているかどうか未知であるncRNAやmicroRNAの網羅的探索においてはより正確な転写産物の推定が重要である。本研究ではこれらの特性を生かした転写量推定アルゴリズムを開発した。また、スーパーコンピュータを用いてlincRNAおよびmRNAを抽出できる環境整備を本研究成果により実現することができた。