著者
長野 基 杉崎 和久
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.660, pp.379-388, 2011-02-28 (Released:2011-03-31)
参考文献数
34

Recently, an increasing number of urban areas have established neighborhood committee organizations. We investigated organizations established in the 1970s and those formed from the 2000s in the Tokyo metropolitan area. Comparisons reveal that their performance and appraisal by local governments differ despite their almost identical organizational structure. If local governments expect them to serve as necessary planning units for urban management, then it is important that they have legal and political stability to local assemblies and community organizations. Local governments should have them participate in policy-making processes to enhance members' motivation. Furthermore, facilitative leadership encouraging social entrepreneurship is necessary to vitalize these committees.
著者
長野 基
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.117-136, 2007-03-15

本研究は日本の地方自治体における政策の選択と運営で重要な位置を占めるようになった「ローカル・マニフェスト」への,NPOが行なう第三者評価活動の事例分析を通じて,市民がマニフェストを適切に評価できるための方策と,それを支える社会的条件を考察するものである.参与観察を行った特定非営利活動法人自治創造コンソーシアム(CAC)による神奈川県知事マニフェスト評価の事例は政治・行政セクターが提供する政策情報や自己評価情報を利用しながら,公募による市民が中心となって評価を行ったものであった.これは政策評価研究において,住民自身が評価活動を行う中で自己決定への知識・技術を身につけ,自治体の政策や改革への「参画」を目指すために行なわれる「エンパワメント評価」と呼ばれる参加型評価を実践したものであり,従来,NPOが行うマニフェスト評価として論じられてきた「政策スペシャリスト」型評価とは異なるアプローチの可能性を示すものであった.加えて,この中でCACは政策評価での基本的なプロデュース機能を前提に参加者への知識・技術の教育を行う「エンパワメント機能」と,市民参加充実などの政策的主張を評価活動から行なう「アドボカシー機能」を果たしていた.こうした活動を行うNPOは「エンパワメント型マニフェスト評価」を支える「インフラストラクチャー型NPO」と呼ぶことが出来る.市民がマニフェストを読み解く知識・技術を高める方策に対して,分析から示されることは市民参加による「エンパワメント型マニフェスト評価」の可能性であり,それを支える「インフラストラクチャー型NPO」の重要性である.そして,政策情報の公開や自己評価結果のわかりやすい提供などを通じた行政・政治セクターによる社会的環境整備の必要性である.
著者
長野 基 饗庭 伸
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.42.3, pp.235-240, 2007-10-25 (Released:2017-02-01)
参考文献数
9

本研究では東京都内49市区を対象に地方議会と都市計画の関係を都計審への議員参加の実態分析から明らかにする。計量的分析から議会と都計審の人的な重複は自治体によって実態が異なっており、議会と都計審参加議員の政治構造は必ずしも重複しているわけではないことが示される。そして事例調査からは法定都市計画や関係諸政策で首長部局側と議会とは都計審の場以外に常任委員会と会派別勉強会、あるいは個別接触による情報提供というフォーマル・インフォーマル両方のルートを通じて調整が行われるという実態が明らかにされる。都計審を中心とする都市計画過程への議会関与の是非は古くからの論点だが、議会を代表した議員が都計審に参加し、常任委員会や本会議での議論と調整をしながら、議会の意思を都市計画に反映する、とした場合には以上の諸問題を踏まえて都計審への議会からの代表性を実質化するあり方を工夫することが課題となろう。
著者
長野 基 饗庭 伸
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.235-240, 2007-10-25
参考文献数
9
被引用文献数
4

本研究では東京都内49市区を対象に地方議会と都市計画の関係を都計審への議員参加の実態分析から明らかにする。計量的分析から議会と都計審の人的な重複は自治体によって実態が異なっており、議会と都計審参加議員の政治構造は必ずしも重複しているわけではないことが示される。そして事例調査からは法定都市計画や関係諸政策で首長部局側と議会とは都計審の場以外に常任委員会と会派別勉強会、あるいは個別接触による情報提供というフォーマル・インフォーマル両方のルートを通じて調整が行われるという実態が明らかにされる。都計審を中心とする都市計画過程への議会関与の是非は古くからの論点だが、議会を代表した議員が都計審に参加し、常任委員会や本会議での議論と調整をしながら、議会の意思を都市計画に反映する、とした場合には以上の諸問題を踏まえて都計審への議会からの代表性を実質化するあり方を工夫することが課題となろう。