著者
阿川 千一郎
巻号頁・発行日
1992-04-22 (Released:2012-03-01)

報告番号: 乙10689 ; 学位授与年月日: 1992-04-22 ; 学位の種別: 論文博士 ; 学位の種類: 博士(医学) ; 学位記番号: 第10689号 ; 研究科・専攻: 医学系研究科
著者
武藤 徹一郎 小西 富夫 上谷 潤二郎 杉原 健一 久保田 芳郎 安達 実樹 阿川 千一郎 斉藤 幸夫 森岡 恭彦 沢田 俊夫
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.492-499, 1983

教室におけるCrohn病17例の経験を報告し,最近の外科的治療方針の動向について文献的考察を行った.手術は9例に行われ,残る8例はいずれも経静脈栄養によって管理することができた.9例中6例には吻合術が可能であった,痔瘻は8例に合併していたが,7例は通常痔瘻と性状が変わらず,lay openにて治癒した.<BR>欧米ではCrohn病に対する外科的治療として,小範囲切除を行う一派と広範囲切除を行う一派とがあり,主として前者には英米の専門家が,後者にはスカンジナビア,ドイツの専門家が属している.広範囲切除派は術中の凍結切片標本の検索により,病変の取り残しを防ぐことを主張している.これら欧米のCrohn病に対する外科治療方針の現況を紹介し,われわれの方針についても述べた.
著者
森兼 啓太 小西 敏郎 阿部 哲夫 阿川 千一郎 西岡 みどり 谷村 久美 野口 浩恵 小林 寛伊
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.139-144, 2000-05-18
被引用文献数
7

消化器手術後の手術部位感染 (SSI) サーベイランスを米国のNNISシステムに従って施行した.対象は当科で9ヵ月間に施行された消化器外科開腹手術症例364例とした.感染制御チームを結成し, 巡回により基礎データを収集しSSIを拾い上げ, 外科医が創を観察しCDCの基準に従ってSSIか否かを判定した. 一方でCDCのSSI防止ガイドラインのうち現状を改善することが可能と思われる対策を講じ, 介入を行いつつサーベイランスを継続した.まず, 初めの4ヵ月間の創分類III, IV (汚染, 感染創) の症例ではそれぞれ9例中5例 (56%), 10例中9例 (90%) と高率にSSI発生を認め, 全体のSSI発生率に対する大きな撹乱因子となると考え, 以下の検討から除外した.創分類I, II (清潔, 準清潔創) の症例におけるSSI発生率は全体で35/323 (10.8%) であり, 術式別に分類しても, またrisk index score別にみてもNNISのデータより約3-5倍の高率であった.しかし, 米国では後期SSI発生症例を遺漏している可能性がある. 全例に術後30日のサーベイランスを遂行できた我々のデータとCDCのデータとの単純な比較はできないと思われた.サーベイランスの施行に並行して介入を行い, 主として抗生物質の術前投与が徹底された.しかし本研究期間内にSSI発生率の低下はみられなかった. 今後も継続的にサーベイランスを施行していく必要があると考えられた.