著者
片野 修 中村 智幸 山本 祥一郎 阿部 信一郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.902-909, 2004 (Released:2005-07-08)
参考文献数
25
被引用文献数
8 9

浦野川において魚類の種組成, 個体密度, 成長率および食物関係について調査した。合計で14種, 7,052個体の魚類が採集された。オイカワがもっとも優占し40%以上の個体数を占め, ついでドジョウ, ウグイ, カマツカが多かった。これらの魚種は6月から8月にかけて正の成長を示した。大半の魚はユスリカなどの水生昆虫を捕食していたが, オイカワだけは底生藻類を主食としていた。浦野川の調査区においてはナマズなどの魚食性魚類がほとんど生息しておらず, その生態的地位が空白となっている。したがって, オオクチバスなどの外来魚食魚の侵入が危惧される。
著者
桟敷 孝浩 玉置 泰司 高橋 義文 阿部 信一郎 井口 恵一朗
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.73-80, 2012 (Released:2013-08-21)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

内水面漁業協同組合によるアユ(Plecoglossus altivelis altivelis)の増殖は,内水面漁業や遊漁に果たす役割だけでなく,アユが付着藻類を摂餌することで景観を保全する機能を有している。本研究の課題は,アユ増殖への取り組みから発現する,川の景観保全効果に対する経済的価値を計測するとともに,景観保全効果の経済的価値に影響を与える要因を明らかにすることである。本研究では,アンケート調査で得られた北海道と沖縄県を除く全国838サンプルを用いて,二段階二肢選択形式の仮想市場評価法による分析をおこなった。分析の結果,アユ増殖による川の景観保全効果に対する経済的価値は,1世帯当たり平均WTP(支払意志額)で4,216円と評価された。景観保全効果の経済的価値に影響を与える要因は,“川のそばで散歩やジョギングなどをしたことのある回答者”,“川で水泳や水遊びをしたことのある回答者”,“沢登りをしたことのある回答者”,“居住地から1 km以内に川がある回答者”,“より高い年間世帯所得の回答者”,“アンケートでより低い提示額の方が支払いやすい回答者”であることが解明された。
著者
片野 修 中村 智幸 山本 祥一郎 阿部 信一郎
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.115-119, 2005-06-20
被引用文献数
4

外来魚ブルーギルは日本全国の湖沼や河川に拡まっており、水産有用魚種や生態系への影響が危惧されている。しかし日本の河川上中流域におけるブルーギルの生態についてはほとんど報告がない。著者らは長野県の千曲川の1支流である浦野川のAa-Bb移行型の河川形態区間で、2003年の6月及び7月に75個体のブルーギルを電気ショッカーによって採捕した。すべてのブルーギルは岸から1m以内で採捕され、その空胃個体は75個体中8個体にすぎなかった。胃内容物充満度は平均0.63%で、最大で2.86%に達した。ブルーギルは主にユスリカ科の幼虫を摂食し、そのほかカゲロウ科やトビケラ科の幼虫及び陸生昆虫を捕食していた。ブルーギルの食性は浦野川の在来魚の何種かといちじるしく重複していた。ブルーギルは河川の魚類群集に負の影響を与えると考えられ、根絶される必要がある。
著者
片野 修 中村 智幸 山本 祥一郎 阿部 信一郎
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.115-119, 2005-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
15
被引用文献数
3

外来魚ブルーギルは日本全国の湖沼や河川に拡まっており, 水産有用魚種や生態系への影響が危惧されている。しかし日本の河川上中流域におけるブルーギルの生態についてはほとんど報告がない。著者らは長野県の千曲川の1支流である浦野川のAa-Bb移行型の河川形態区間で, 2003年の6月及び7月に75個体のブルーギルを電気ショッカーによって採捕した。すべてのブルーギルは岸から1m以内で採捕され, その空胃個体は75個体中8個体にすぎなかった。胃内容物充満度は平均0.63%で, 最大で2.86%に達した。ブルーギルは主にユスリカ科の幼虫を摂食し, そのほかカゲロウ科やトビケラ科の幼虫及び陸生昆虫を捕食していた。ブルーギルの食性は浦野川の在来魚の何種かといちじるしく重複していた。ブルーギルは河川の魚類群集に負の影響を与えると考えられ, 根絶される必要がある。
著者
片野 修 中村 智幸 山本 祥一郎 阿部 信一郎
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.902-909, 2004-11-15
被引用文献数
4 9

浦野川において魚類の種組成,個体密度,成長率および食物関係について調査した。合計で14種,7,052個体の魚類が採集された。オイカワがもっとも優占し40%以上の個体数を占め,ついでドジョウ,ウグイ,カマツカが多かった。これらの魚種は6月から8月にかけて正の成長を示した。大半の魚はユスリカなどの水生昆虫を捕食していたが,オイカワだけは底生藻類を主食としていた。浦野川の調査区においてはナマズなどの魚食性魚類がほとんど生息しておらず,その生態的地位が空白となっている。したがって,オオクチバスなどの外来魚食魚の侵入が危惧される。