著者
藤田 純一 青山 久美 戸代原 奈央
出版者
一般社団法人 日本児童青年精神医学会
雑誌
児童青年精神医学とその近接領域 (ISSN:02890968)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.147-157, 2019-04-01 (Released:2020-02-28)
参考文献数
25

インターネット依存の概念が登場してからすでに20年以上が経過しているものの,果たしてこれが一つの社会現象なのか,治療的介入が妥当な医療対象となる疾患概念なのか迷う点が多かった。しかしながら,近年操作的診断基準が改訂される中で,インターネット・ゲーム依存の概念はますます医学的興味関心を集めるようになった。本稿ではそれを踏まえ,大学病院におけるインターネット・ゲーム依存に関する実態調査と事例報告を行った。都市部の大学病院において,インターネットの使用目的を主にゲームとする患者のうち約25%は問題使用群に,約8%は病的使用群に該当した。問題使用群や病的使用群に該当する患者には,不安・抑うつ症状,不登校,被虐待体験,喫煙や飲酒などの心理社会的背景をもつものが比較的高い割合で存在していた。また病的使用群は正常使用群と比較すると一日を通した日常生活機能全般と放課後の友人関係の問題が存在することが示唆された。このように,インターネット・ゲーム依存傾向のある患者は治療・支援にあたるべき心理社会的要素を抱えているが,治療・支援の実際としては患者や家族がもつ個々の特性に応じて地道に診療にあたることが現実的だと考えられ,本稿では大学病院での診療の実際を一部紹介した。
著者
大塚 耕太郎 鈴木 友理子 藤澤 大介 米本 直裕 加藤 隆弘 橋本 直樹 岩戸 清香 青山 久美 佐藤 玲子 鈴木 志麻子 黒澤 美枝 神先 真
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

医療、精神保健、および家族、社会的支援制度に該当する領域(法律、生活相談)、教育など幅広い領域におけるゲートキーパー養成プログラムを内閣府と協力して作成した。また、内閣府との共同で全国へ研修会やITを通じた普及を図り、ファシリテーター養成のためのプログラムを提供した。うつ病、統合失調症、不安障害、物質依存という4つの精神疾患の危機対応法プログラムとファシリテーター養成プログラムの開発を地域の精神保健に関する関係機関と共同で行い、有効性や妥当性を検証した。