著者
中根 生弥 高嶋 幹代 青山 敦子
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.364-368, 2017-07-25 (Released:2017-07-29)
参考文献数
2
被引用文献数
1

平成27年4月に施行された「改正臨床検査技師法」に早期対応することで臨床検査技師が外来診療で活躍できる場面を目指し,「鼻腔・咽頭」からの検体採取を開始した。実現に向け事前に病院各種委員会での情報提供と資格取得に向けた啓発活動ならびに臨床検査技師への具体的な技術習得研修を行った。また病院事業目標の一つに掲げられたことで,検査部門全体の目標が明確となり,初年度で45名全員が資格取得した。感染対策委員会と施設課の協力を仰ぎ「感染待合」を設置し,さらに「採取ポイント」のリーフレットを作成して改善を図った。外来患者での検体採取は,改正臨床検査技師法によって臨床検査技師の活躍(検査待ち時間の短縮・採取綿棒間違い低減・非感染患者さんへの配慮・再採取の迅速な判断など)を病院職員に認識させ,ひいては患者への安心・安全な医療提供に繋げる絶好の機会となった。
著者
青山 敦 阿部 惇
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.3_123-3_127, 2006 (Released:2006-06-23)
被引用文献数
1 1

Japanese industry has been encouraged to transform from a mode of ‘recovery’ to one of 'front-runner' in effective innovation and creation of new businesses and markets based in accomplishments of basic research. Graduate School of Technology Management at Ritsumeikan University strives to not only offer knowledge and skills, but also business experiences to its students so that they may acquire the abilities to discover and solve practical problems logically, analytically and systematically. To achieve these aims, it has inaugurated the Ritsumeikan University Practicum Program by enhancing existing internship programs. Under the guidance of its faculties, this program will allow its students a chance to set and solve actual problems in real world business environments.
著者
後藤 優仁 星野 貴行 青山 敦
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual58, no.Abstract, pp.449, 2020 (Released:2020-08-05)

近年,上側頭溝での cross-frequency coupling (CFC) が視聴覚の統合錯覚に関連する現象として注目されている. 理論的には,視覚と聴覚に確度の差があるため,より信頼度の高い感覚によって他方が捕獲される事で説明がされている.しかし,実験的に確認されている上側頭での CFC がこうした感覚統合処理を直接的に担っているのかは不明である. そこで本研究では, 音声の定位方向が視覚情報に引き寄せられる錯覚である腹話術効果に着目し, 上側頭溝近傍への経頭蓋ランダムノイズ刺激 (tRNS) によって当該部位での位相活動に外乱を与え,CFCを乱す事で腹話術効果を阻害する事が可能であるかを検討した. 実験参加者の正面を0度としてモニターを設置し, -30~30度に21個のスピーカーを等間隔で配置した. モニターには口唇動作が映され, 参加者はいずれかのスピーカーから流れる音声に対して音源定位を行った. この際の実際の音源方向と知覚された音源方向との誤差を腹話術効果の指標として tRNS による電気刺激時とシャム刺激時での比較を行った.実験の結果,シャム刺激時では角度の誤差も大きく,腹話術効果が観測されたが, 電気刺激時においては誤差やその分散が小さく錯覚の効果が弱まった.tRNS は位相活動に外乱を与えるため,上側頭溝近傍への tRNSが腹話術効果を阻害したと考えられる.この事から,上側頭溝での CFC が視聴覚の統合処理を直接反映している可能性が高まった.
著者
青山 敦
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では,明瞭な空間情報をもつ聴覚・触覚・前庭感覚を主な対象として,自然には存在し得ない特殊環境(音が左右反転して聞こえる聴空間,手指への接触が左右反転して受容される触空間,重力方向が上下反転する前庭空間等)を最新のデバイスを用いて構築する.構築した各特殊環境への順応過程における脳活動を検討し,頑健性や適応性を創発する動的な多感覚統合機能のメカニズムを包括的に検討する.
著者
上野 太郎 伊藤 誠 小川 潤 青山 敦
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.S310, 2018

<p>前庭感覚系は, 体の傾きを察知するのに重要な役割を担っており,視覚系を始めとする複数の感覚系から情報を受け取っている.しかしながら, 前庭感覚系を調べる脳計測実験を設計するのは技術的に難しく,前庭感覚情報と視覚情報の相互作用については不明な点が多い.そこで本研究では,前庭感覚入力を操作するために反転台,前庭感覚入力の手掛かりを視覚的に与えないために Virtual Reality (VR) Display を使用し,反転台によって実験協力者の体勢を変えた上で VR Display を介した落下映像に対する脳波の計測を行った.事象関連電位解析において,視覚的な落下方向に関わらず, 倒立状態では直立状態と比較して落下開始後 100-200 ms から 視覚活動の減衰が確認された. また,Granger Causality 解析において,頭頂前庭領域から視覚領域への有意なコネクションが確認された.以上の結果により,異常な前庭感覚情報によって視覚活動が抑制され,視覚処理の比較的早い段階から視覚と前庭感覚の相互作用が始まることが示唆された.</p>