著者
石岡 恒憲 峯 恒憲 宮澤 芳光 須鎗 弘樹
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

センター試験など大学入試試験レベルの短答式記述試験の自動採点および人間による採点を支援する実用可能なシステムを試作・実装する。採点は設問ごとに作題者が用意した「模範解答」と「採点基準」に従いシステムがある程度の精度をもった採点計算(自動採点)を行うことを基本とし、その結果を人間が確認・修正できるものとする。このシステムの最大の特徴は「(予め用意された)模範解答」と「(被験者の実際の)記述解答」との意味的同一性や含意性の判定に採点済みの教師データを使わないことにある。予め別に用意された新聞や教科書、Wikipediaなど別のコーパスなどから自動構築した言語モデルによって判定を行う。
著者
山田 健太 須鎗 弘樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.759, pp.83-88, 2005-03-22

Taniのrecurrent neural network with parametric bias(RNNPB)モデルによるロボットの運動パターンなどの学習において自己組織化されるPB空間の性質について述べる.RNNPBモデルは, ロボットの一連の運動パターンを低次元のPB空間で表現し, その空間上のPB値によって容易に学習パターンを生成できる.このとき, PB空間が学習した運動パターンと対応関係をもつように自己組織化される.本研究では, この自己組織化されるPB空間の性質を述べ, PB空間の特徴を利用した応用の可能性について議論する.
著者
大矢 雅則 須鎗 弘樹 渡邉 昇 下井田 宏雄 宮沢 政清 戸川 美郎
出版者
東京理科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

この一年間に亘る研究成果について述べる.数理科学を対象とする領域は多様であるが,その中で情報科学と関連のあると考えられる分野に焦点を当て,それを解析的,特に函数解析や確率解析の手法を用いてできるだけ統一的に展開した.つまり,多様な分野を横に結ぶ″Key″となる概念を見い出し,それによって統一的に様々な分野を扱い,具体的に次のような内容の研究を行なった.1.情報理論の基幹であるエントロピー理論を解析的,確率論的,量子論的に展開し,量子制御通信過程における誤り確率の数学的な一般式を導き,光パルス変調方式の効率を数理的に調べた.2.遺伝子配列の整列化,相互エントロピーを用いた生物の類縁度の定式化による系統樹を作成し,遺伝子の情報論的取り扱いの有用性を示した.3.一般量子系の状態に対して,幾つかのフラクタル次元,及び量子ε-エントロピーを定式化し,それの具体的な力学系への応用を議論した.4.ニューラル・ネット及びシミュレーティッド・アニーリングについて数学的に厳密に定式化を行なった.特に,ニューラル・ネットを用いた最適値問題の解法における解の安定性を保障する幾つかの結果を得た.5.R^<n+>上で定められた非線形力学系の漸近安定解の外部からのノイズの影響について研究を行った.また,負性抵抗を含む回路がストレイキャパシタンスの影響により不安定になるケースについて調べた.6.デジタル回路網におけるバースト型のトラフィック問題を待ち行列モデルを使って解析し,光通信における通信路や交換機バッファーの容量,誤り確率等の最適値問題を数理的に研究した.7.最近のスーパーコンピュータの発達と数式処理のソフトウェアの発展を利用して函数値の高速かつ精密な算法を情報理論的見地から再検討し,組合せ最適値問題や非線形画法などで利用可能な新しい計算手法を開発するための基礎的研究を行なった.
著者
戸川 美郎 須鎗 弘樹 渡辺 昇 下井田 宏雄 宮沢 政清 大矢 雅則
出版者
東京理科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

今年度の研究実績について述べる.エントロピー理論はClausius,Boltzmann,Shannon等に始まり,その後,von Neumannによって,量子力学構築が試みられ,量子系のエントロピー理論が生まれ,現在も様々な分野において,その研究が続けられている.本研究計画においても,以上のような背景にもとづいて,次に示すような研究実績をあげてきた.(1)解がカオス的に境界に漸近する力学系において,境界が存在する相空間上の位相的エントロピーのパラメーター依存性を調べた.(2)画像処理に用いられる回路の安定性の条件を見つけることができた.(3)光通信における誤り確率の定式化並びに相互エントロピーによる変調効率の比較等を行うことができた.(4)ガウス通信過程への相互エントロピーの応用等を論じた.(5)量子系のエントロピーの最大化,ファジーエントロピーの諸性質などについても論じた.(6)遺伝子解析にエントロピー理論を応用するため,2個の生物塩基配列,あるいはアミノ酸列をコンピュータによって,整列化する際,DP matcingを用いたアルゴリズムを提案し,従来の整列化法を比較検討した.(7)また,2個の塩基配列だけでなく,n個の塩基配列を同時に整列化する方法も提案し,その速さ等を従来の方法と比較検討した.(8)RGSMP(Reallocatable Generalized Semi-Markov Process)と呼ばれる一般の待ち行列ネットワークに応用することが出来る確率過程を提案し,その基本的な特性の解析を調べた.(9)RGSMPの定常分布の構造をあらかじめ仮定することにより,RGSMPの状態推移の構造が定常分布にどのように反映しているかを議論した.(10)ポアソン到着を持つ無限窓口待ち行列の系内仕事量のモーメントを計算しバースト型到着モデルへの応用を論じた.(11)率保存則についてサーベイを行うとともに,パルム測度に関する基本的な公式や各種の確率過程の定常分布を特徴づける式などがすべて率保存則より導かれることを示した.
著者
須鎗 弘樹
出版者
千葉大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

(1)最も基本的な線形微分方程式を最も単純に非線形化した非線形微分方程式を解くことによって,q-指数関数、q-積、q-多項係数を導き,q-多項係数のq-対数にq-スターリングの公式を適用することにより,Tsallisエントロピーを導くことができる.それは,加法的双対性と言われる数理構造の表現であるが,q-多項係数をさらに一般化した(μ,υ)-多項係数を導入することにより,加法的双対性に加え,乗法的双対性,q-triplet,マルチフラクタル-tripletの構造も導くことができた。これら4つの数理構造は,Tsallis統計力学に典型的に現れ,それらを特殊な場合として含む統一的な表現を得ることができた.(2)(1)で導いた(μ,υ)-多項係数から,ドモアブルラプラスの定理の拡張として,ロングテール構造をもつ裾野の広い分布(q-ガウス分布)が導けるかを数値的に検証した.特に,q-ガウス分布に分布収束するときの3つのパラメータμ,υ,qの関係を数値計算により調べた.(3)Tsallisエントロピーを平均符号長の下限にもつ符号木を導いた。この導出方法は,ある性質をもつ一般化エントロピーにも応用できる.さらに,ここで導いた符号木は,マルチフラクタル構造をもつこともわかった.(4)Tsallisエントロピーのパラメータqの意味は分かっていなかったが,マルチフラクタルの理論に現れる一般化次元のqと同じであることがわかった.さらに,Tsallisエントロピーと一般化次元との一意な関係式を導き,これが1910年のEinsteinの論文で主張された式の一般化になっていることを発見した.