著者
高橋 識至 三塚 由佳 飯田 聡美 安達 哲也
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.186-192, 2012-10-31 (Released:2016-04-25)
参考文献数
9

自己管理教育の主要項目としてアクションプランを用いた増悪への対処法を指導した慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者45名(77.5±6.5歳,%FEV1.0 45.6±15.3%)のアウトカムを検討した.アクションプラン設定前後1年間の療養日誌が検討可能であった33名においては,増悪回数に有意な変化はなかったが,予定外受診回数(1.1±1.4→0.4±0.7/年)および入院回数(0.7±1.0→0.3±0.5/年)の有意な減少を認めた.療養日誌の検討不能であった12名においては診療録から検討をしたところ,有意な変化はなかった.アクションプラン設定前後ともに増悪がみられた18名において,治療開始までの日数(4.2±1.9→2.4±1.2)および回復までの日数(11.5±3.3→7.2±2.1)ともに短縮効果を認めた.アクションプランを指導強化した自己管理指導は,COPD増悪への早期対応を可能とし,早期回復および重症化の予防効果を期待できると考えた.
著者
天野 百々江 大野 睦子 須田 隆一 飯田 聡子 角野 康郎 小菅 桂子
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 : bunrui : 日本植物分類学会誌 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.129-139, 2008-08-20
被引用文献数
1

インバモはササバモとガシャモク間の自然雑種である.福岡県北九州市のお糸池では国内で唯一,絶滅危惧種ガシャモクとインバモが野生状態で継続的に生育しているが,近年,これらの個体数が減少しつつある.お糸池の現存個体と博物館所蔵の過去の標本を用いて,インバモの交配の方向と形態的特徴を調べた.核遺伝子adhと葉緑体遺伝子rbcLを解析した結果,インバモにはガシャモクを母親とするD型とササバモを母親とするM型があり,両者は葉の形態である程度区別できた.お糸池では,過去にD型のインバモが採集されているにもかかわらず,現存するパッチはすべてM型であった.栽培実験では,ガシャモクはササバモに比べて渇水時の生存能が低く,M型のインバモはササバモと同様に渇水時の生存能が高かった.お糸池では,近年,透明度の低下や渇水が起こっており,このような生育環境の悪化により,D型のインバモは選択的に生育できなくなった可能性がある.
著者
飯田 聡 甲斐 誠也 高見 友幸
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.91-96, 2013-09-27

摩訶大将棋は鎌倉時代に創案された大将棋のひとつである.我々の研究グループでは,古文書の記述に基づいた摩訶大将棋の復刻に取り組んでおり,駒の動きや成りのルールについては,ほぼ解明が終わっている.これまでの通説では,摩訶大将棋はその駒数の多さから考えて,実際には指されていなかっただろうとされていたが,そうではなく,実際には非常に面白い対局が実現する.ただ,初心者にとっては,ルールの煩雑さが問題となるため,我々は,対局支援ツールとしてのデジタル摩訶大将棋の開発にも取り組んできた.デジタル摩訶大将棋は,通常の対局モードの他,ネットワーク対局モード,ゲームAIと対局するモードがある.発表では,デジタル摩訶大将棋が持つ対局支援機能,棋譜の保存・再生機能,ゲームAIの機能について解説するとともに,対局を重ねてきたことで得られた摩訶大将棋の戦略についても言及する.