著者
土屋 政雄 馬ノ段 梨乃 北條 理恵子
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.19-23, 2017-02-28 (Released:2017-03-03)
参考文献数
24
被引用文献数
1

ストレスチェック制度の開始により,労働者のセルフケアに対する関心も高まっていくことが予想される.制度のねらいから,生産性向上を視野に入れたセルフケアの普及が望まれる.本稿では,「マインドフルネス」や「アクセプタンス」といった概念を用いた方法について,その特徴,科学的根拠,実施する際の参考となる情報などを解説する.先行研究よりマインドフルネスについてはすでに多くの研究が行われているが,アクセプタンスに関する研究は数が少なく,途中段階であることが明らかとなった.ストレス症状低減についてはどちらも一定の効果が期待されるが,生産性向上についてはさらなる研究の蓄積が必要と思われる.
著者
馬ノ段 梨乃
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

仕事に関して強い不安やストレスを感じている労働者の増加に伴い、近年、労働者のストレス対策の必要性が高まっている。本研究では、労働者を対象とした個人向けストレス対策プログラムを開発し、プログラム実施の効果を検討することを目的とした。本年度は、研究成果の発表を中心に以下の2点を実施した。(1)個人向けストレス対策に関するシステマティックレビューの結果(60研究、昨年度実施)に最新研究(5研究)を追加して、データを再検討した。(2)ストレス対処法に関するweb学習プログラムの効果に関して、マルチレベル分析によるデータの再解析を行った。(1)システマティックレビューの結果から、ストレスマネジメント教育が労働者のストレス対策に有効であること、介入効果を維持するためにはフォローアップセッションなどの継続した学習が必要であること等が概観された。また、効果評価研究におけるデータの再解析の結果から(2)ストレス対処法に関するweb学習プログラムの実施により、受講者のストレス対処法に関する知識の改善が認められた。さらに、複数回(3回以上)に分けて学習した分散学習者においては知識の改善に加えてストレス対処法(問題解決)に関する得点に有意な改善が認められた。このことから、学習を複数回に分けて実施することの有用性が確認された。受講者の動機づけを高める工夫と継続した学習を促進するための方法論の検討が今後必要とされる。
著者
馬ノ段 梨乃 森 俊夫 飯島 優子 福島 南 五十嵐 良雄
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-36, 2013

近年,労働者を対象とした復職支援プログラム(リワークプログラム)が注目を集めている。本稿では,筆者が作成した「SFAの手法を用いた体験型の心理教育プログラム」に関して,提供したプログラムの内容を紹介し,リワークプログラムへの適用可能性について検討したい。プログラムは1回2時間,全8回の講義とワークから構成され,ウェルフォームド・ゴール,ミラクル・クエスチョン,スケーリング・クエスチョン,タイムマシン・クエスチョン,リソース,外在化,アサーション等の概念を含むものとした。プログラムを導入した結果,SFAに対する意見としては,より簡単に理解できる,身近に感じられるといった意見が得られた。一方で,抽象的なメタファーやイメージが多く,理論的な学習を好む利用者にとっては理解が難しい様子もみられた。今後は,効果評価を含めて,プログラムの検討をさらに進めていくことが望まれる。