著者
岡安 孝弘 嶋田 洋徳 丹羽 洋子 森 俊夫 矢冨 直美
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.310-318, 1992-12-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
24
被引用文献数
40 20

The purpose of this study is to develop a school stressor scale from the events experienced frequently by junior high school students in their daily school life, and to examine the relationship between school stressors and stress responses. In study I, factor analysis of data by 552 students revealed four main factors “teacher”, “friend”, “club activity”, and “study”, which were extracted from initial set of 72 items. In study II, factor analysis of 50 items, of which 39 items were extracted in study I, and 11 new items of free-description type, of data by 622 students, revealed that main stressors in junior high school were following six, “teacher”, “friend”, “club activity”, “study”, “rule”, and “ofcial activity”. Furthermore, multiple regression analyses revealed that “friend” strikingly correlated with “depressive-anxious emotion” and “study” did with “cognition-thought of helplessness”.
著者
森 俊夫
出版者
京都文教大学
雑誌
人間学研究
巻号頁・発行日
vol.7, pp.89-101, 2006

欧米の1940年代から60年代にかけてのファインアートの分野では、作品を構成する諸要素の中で、純粋な造形性を追求することに重点が置かれてきた。その後、様々な動向を経て、1980年代以降は、物語性やメタファーなど言説性が重視される傾向にある。これはポスト・モダニズムの諸相と考えられている事柄とも一致している。この論文では、英国の現代アート作品における物語性を分析した上で、その特徴について考察をしている。
著者
杉浦 愛子 森 俊夫 日下部 信幸
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.58, 2008

<B>目的</B> 衣服はその色や柄,形などを媒介に着用者の様々な情報を発信しており,衣服に用いられる柄はその情報を左右する重要な要因のひとつである.従来,縞柄や水玉柄といった基本的な柄について様々な研究が行われてきたが,複雑な要素をもつ柄について研究されたものはあまりみられなかった.本研究では,近年,色々な服飾品に取り入れられているアニマルプリント柄に注目し,アニマルプリントに対する嗜好性とテクスチャ特徴との関係について検討した.<BR><B>方法</B> 試料はレオパード柄やゼブラ柄,ホルスタイン柄などのアニマルプリント10種類である.嗜好性の評価は,被験者43名(男性20名,女性23名)を対象に,アニマルプリント柄の布の外観をカラースキャナで読み込み印刷したものを用い、官能評価を行った.また,テクスチャ特徴は,アニマルプリントのカラー画像を256階調のグレイレベル画像に変換し,輝度平均(MIU),角二次モーメント(ASM),コントラスト(CON),相関(COR),エントロピー(ENT),フラクタル次元(D)を抽出した.<BR><B>結果</B> アニマルプリントの嗜好性はテクスチャ特徴のうち,CORやMIUと高い相関がみられた.このことから,アニマルプリントは柄の明るさや線状性が高いものほど嗜好性が高く評価されると推察された.
著者
森 俊夫 淺海 真弓 野口 雅子 杉浦 愛子 日下部 信幸
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.485-490, 2007 (Released:2010-07-29)
参考文献数
5

The colored shadow phenomenon of polka-dotted patterns is investigated by applying image analysis. The purpose of our study is to evaluate how the achromatic color of polka-dots is perceived as having a slightly yellow hue which is the complementary color of blue when placed in a blue background. RGB images are converted to lightness (L*) images. Each pixel of L* image is assigned a gray-level value from 0 for black to 255 for white. The co-occurrence contrast (CON) is calculated for L* images. CON as a parameter for lightness contrast effect increases with the increase of the difference of lightness between the polka-dotted pattern (the test field) and the background (the inducing field), regardless of whether the lightness of the figure becomes higher or lower than that of the background. The degree of colored shadow of 30 kinds of polka-dotted patterns is evaluated by sensory evaluation, according to the rating-scale method, and the relation between their sensory-evaluation values and CON is examined. It is concluded that the colored shadow of polka-dotted patterns is enhanced with the decrease of the lightness contrast effect.
著者
森 俊夫 岩佐 美代子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.305-311, 1985-05-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
9

The extensional properties and the stress-relaxation properties of representative round and square braids were studied by changing yarn species. Silk, promix and vinylon yarns were used as the materials. Maximum load, Young's modulus, work, energy loss and resilience of the round braids were lower than those of the square ones. Difference between both braids in the recovery percentage was not found. The extensional properties except for the recovery percentage and the resilience differed more or less depending on the yarn species. As the results of the stressrelaxation experiments, the rheological properties of the braids were found to be represented by a parallel combination of three Maxwell models and an elastic moment. Much differences were found between the rheological parameters of the round and square braids. The yarn species gave a pronounced difference in the relaxation time rather than in the other parameters, such as viscosity and elasticity. These results were discussed in terms of the spatial inadaptability of yarn bundles and of the rheological properties of the material yarns.
著者
森 俊夫 影山 隆之
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.135-142, 1995 (Released:2009-03-27)
参考文献数
31
被引用文献数
14 13

病院看護者の精神衛生と職場環境との関係を検討するために, 3病院471名の看護者を対象に自記式質問紙調査を行った. GHQ-60による評価では,対象者は明らかに一般集団よりも精神的不健康度が高かった.精神的不健康度は,最近1カ月の休日数と負の関連,「判断の難しい仕事」「患者の死との直面」というストレッサーと正の関連があった.同僚との対人関係には,「判断の難しい仕事」というストレッサーに対する緩衝効果がみられた.以上より病院看護者の精神衛生のために,勤務時間に関する労働環境面の対策,現職教育を含む職場のソーシャルサポートに関する対策,および職場での心理的サポートシステムなど個人の耐性を高める対策の3つの次元にわたる対策が必要と考えられた.
著者
森 俊夫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.82-82, 2003

目的 パターンや形態の視覚的特徴は複雑で、正確にその情報を伝えることは難しい。しかしながら、パターンなどの多種多様な視覚的情報が感覚的、心理的に働いて、われわれに美しいとか快いという感情を与える。このような視覚パターンの最も具体的なものが画像である。画像は空間上の各画素がどのような情報をもち、どのように分布しているかによって規定される視覚情報である。本研究では画像を構成する基本的なパターン要素の種類や個数、位置などを変化させて、パターンの視覚的特徴と美しさについて検討する。方法 試料画像は正方形や円などの基本的パターン要素の個数や位置などを変化させて作成した白黒濃淡画像を用いた。画像解析により、これらのパターン画像の角二次モーメント(ASM)、コントラスト(CON)、相関(COR)、エントロピー(ENT)、グレイレベル平均(MIU)およびフラクタル次元(D)を算出した。また、パターンの美しさに関する官能検査を3段階評価で行なった。結果 正方形などのパターン要素の個数が増大すると、パターン全体の一様性や均一性が失われ、局所的変化や情報量、複雑性は増大した。正方形などのパターン要素の個数を一定にして、それらの位置をランダムに変化させた場合には、視覚的特徴に変化はみられなかった。しかしながら、正方形(一辺20ピクセル)と円(直径20ピクセル)の組み合わせでは、正方形の個数を増大(円の個数は減少)させると、パターン全体の不均一性や局所的変化が増大した。ENTを秩序の、Dを複雑さの尺度と考え、バーコフの美的測度を算出した。これと美しさに対する官能評価値との間には比較的よい一致が見られた。
著者
馬ノ段 梨乃 森 俊夫 飯島 優子 福島 南 五十嵐 良雄
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-36, 2013

近年,労働者を対象とした復職支援プログラム(リワークプログラム)が注目を集めている。本稿では,筆者が作成した「SFAの手法を用いた体験型の心理教育プログラム」に関して,提供したプログラムの内容を紹介し,リワークプログラムへの適用可能性について検討したい。プログラムは1回2時間,全8回の講義とワークから構成され,ウェルフォームド・ゴール,ミラクル・クエスチョン,スケーリング・クエスチョン,タイムマシン・クエスチョン,リソース,外在化,アサーション等の概念を含むものとした。プログラムを導入した結果,SFAに対する意見としては,より簡単に理解できる,身近に感じられるといった意見が得られた。一方で,抽象的なメタファーやイメージが多く,理論的な学習を好む利用者にとっては理解が難しい様子もみられた。今後は,効果評価を含めて,プログラムの検討をさらに進めていくことが望まれる。
著者
森 俊夫
出版者
岐阜女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

グレイレベル画像解析が編目密度の異なる平編物の視覚的特徴、規則的にあるいはランダムに折り畳まれた綿布の折りしわ外観及びさざ波状のしわや不規則な折りしわを含むランダムなしわの布の視覚的緩和挙動の測定に適用された。デジタル画像のグレイレベル平均、グレイレベルの同時生起行列から抽出される角二次モーメント、相関、コントラストやエントロピーおよびフラクタル次元が視覚的特徴量として測定された。これらの画像情報量は平編物の美しさ、布の折りしわやランダムしわの視覚的特徴や視覚的緩和挙動を特徴づけるのに有用であることがわかった。水玉模様の色対比や色陰現象を特徴づけるためにカラー画像解析が適用された。NTSC_RGBカラーシステムで表現されたRGB画像からL*C*H*画像への変換が行われた。同時生起コントラスト(CON)がL*、C*およびH*画像について計算された。CONは、水玉模様の対比効果や色陰現象を記述するよいパラメータとなることが分かった。並置混色の論理を応用して多色の色柄の全体的な色の印象から色柄布の寒暖を評価するために、カラー画像解析が適用された。多色系色柄布の暖色、中性色および寒色イメージは色相角により評価されることがわかった。RGB色空間を利用した色彩特徴解析が布の色彩テクスチャの特徴づけに適用された。因子分析により官能評価値と視覚的特徴量との関係が検討された。画像解析が色柄布の変退色を評価するのに適用された.画像中の各画素のL^*,a^*およびb^*がCIELABの公式を用いて計算され,L*,a*およびb*の全画素の平均値がそれぞれAVE-L^*,AVE-a^*およびAVE-b^*として得られた.単一色に対して,分光色差計によって測定されたL^*,a^*およびb^*と画像解析から求められたAVE-L^*,AVE-a^*およびAVE-b^*との間にはよい一致がみられた.