- 著者
-
駒込 乃莉子
和田 涼子
峯木 眞知子
- 出版者
- 一般社団法人 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.2, pp.91-98, 2021
<p> 本研究の目的は,エスプーマ法により米粥を調製し,その物理的特性を明らかにすることである。さらに,エスプーマ食が高齢者施設等で利用可能かを検討した。</p><p> 米粥の配合は,飯,牛乳,クリーム,砂糖,味噌を用いた。試料調製はエスプーマ法を用いて飯の配合量を変えA,B,C試料を調製した。</p><p> 調製した米粥は,高エネルギー・高たんぱく質食であった。調製後30分間でも離水せず気泡の状態が安定していた。いずれの試料も,えん下困難者用食品の許可基準の規格基準Ⅲを満たした。飯の配合の違いは,気泡の大きさ,気泡面積比,密度,硬さに影響した。官能評価の結果,いずれの試料も好まれた。さらに評価が高いB試料を用いて健常な高齢者を対象に嚥下内視鏡検査を行った結果,咽頭に残留なしと認められた。</p><p> 以上より,エスプーマ法で調製した米粥は高齢者施設で利用できる食形態だと考える。今後の課題として嚥下困難者を対象に検討する。</p>