著者
佐久間 加代子 横田 恵理子 安孫子 幸子 古和田 涼子
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.193-196, 1999

第13回世界理学療法連盟学会において,我々は16ケ国の理学療法事情について,アンケート調査を行った。その結果,殆どの国において女性の占める割合が多く,開業権も有していた。また,対象とする疾患や主要治療機器などにも我が国との相違点が見受けられた。我々日本人としては,アジア初の国際学会に対して絶賛の声が聞かれ,大きな喜びであった。
著者
駒込 乃莉子 和田 涼子 峯木 眞知子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.91-98, 2021

<p> 本研究の目的は,エスプーマ法により米粥を調製し,その物理的特性を明らかにすることである。さらに,エスプーマ食が高齢者施設等で利用可能かを検討した。</p><p> 米粥の配合は,飯,牛乳,クリーム,砂糖,味噌を用いた。試料調製はエスプーマ法を用いて飯の配合量を変えA,B,C試料を調製した。</p><p> 調製した米粥は,高エネルギー・高たんぱく質食であった。調製後30分間でも離水せず気泡の状態が安定していた。いずれの試料も,えん下困難者用食品の許可基準の規格基準Ⅲを満たした。飯の配合の違いは,気泡の大きさ,気泡面積比,密度,硬さに影響した。官能評価の結果,いずれの試料も好まれた。さらに評価が高いB試料を用いて健常な高齢者を対象に嚥下内視鏡検査を行った結果,咽頭に残留なしと認められた。</p><p> 以上より,エスプーマ法で調製した米粥は高齢者施設で利用できる食形態だと考える。今後の課題として嚥下困難者を対象に検討する。</p>
著者
工藤 美奈子 峯木 眞知子 和田 涼子 杉山 みち子 髙田 和子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.163-171, 2018-12-01 (Released:2019-01-21)
参考文献数
21

【目的】高齢者施設で給与エネルギー目標量を設定する場合に,どのようにエネルギー必要量(以下ER)を推定しているか,推定方法の実態と推定方法や推定値の活用における課題を明らかにすることを目的とした。【方法】東京都内の介護老人福祉施設114施設,及び東京都内と神奈川県内の介護老人保健施設115施設の栄養管理者を対象に,ERの推定方法と課題について質問紙調査を行った。【結果】回収率は58.1%であった。ERの推定方法は「基礎代謝量×活動係数×ストレス係数」が64.7%と最多で,使用している基礎代謝量の推定式はHarris-Benedict式が66.1%であった。ERの推定値が対象高齢者に適切かの回答は「適切である」が21.8%,「適切ではない」が23.3%,「わからない」が49.6%であった。【結論】ERの推定値が対象高齢者に合わないと感じ,値の調整を行っている割合が44.4%であった。現在推奨されている,食事摂取基準に準じた式や数値から求めるERの推定方法は,高齢者施設の現場に適さない場合が多い可能性が示唆された。エビデンスに基づいた要介護高齢者に適したERの推定方法の確立が必要である一方で,式による推定だけでなく,個人差に対する適切な調整方法の確立も栄養ケア・マネジメントにおいては重要である。
著者
工藤 美奈子 峯木 眞知子 和田 涼子 髙田 和子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.121-129, 2018-10-01 (Released:2018-11-06)
参考文献数
23

【目的】高齢者施設におけるエネルギー必要量の推定方法として,高齢者施設内での生活活動を基にした身体活動量の質問紙を作成し,加速度計や角度計による測定との比較から質問紙の有用性を検討する。【方法】対象者は介護保険施設3施設に入所している70歳以上の16名とした。身体活動量の質問紙は,改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』を参考に作成し,施設の介護者に記入してもらった。同時期に加速度計と角度計による身体活動量調査を4日間行い,臥位,座位,立位の姿勢別時間を求めた。その姿勢別活動時間に活動強度(臥位1.0,座位1.4,立位 1.8 METs)を乗じて1日当たりの身体活動量を算出した。【結果】質問紙による1日の姿勢別活動時間の中央値は,臥位18.00時間,座位5.75時間,立位0.50時間で,身体活動量は 26.50 METs・時/日であった。加速度計による身体活動量は 28.04 METs・時/日,角度計では 26.96 METs・時/日で,3つの評価法による測定値には有意な差は認められなかった。【結論】質問紙から得られた結果に対し客観的指標である加速度計と角度計の身体活動量の差は小さかった。このことから,介護者が質問紙を用いて高齢者施設入所者の睡眠,入浴を除く日常生活活動についての姿勢を把握することにより,加速度計や角度計による測定と同程度の精度で身体活動量を推定できる可能性が示唆された。