著者
高岡 明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.118, pp.15-20, 2000-12-16

現在までに書かれたピッチ・クラス集合論に基づく楽曲分析プログラムは、そのほとんどがT_n/T_nI typeの導出に機能が限定されている。"Dubiel″は、より多くの機能を持つ分析プログラムである。楽曲分析においてピッチ・クラス集合の特定を自動化するためには、pc-setの分割基準が明確でなければならない。ピッチ・クラス集合論は、ピッチ集合の抽象化によって、記述の一般性に優れるが、それ自体は分割の基準を提供することはできない。無調音楽におけるpc-setの分割に際しては、Butlerの"Intervallic Rivalry Model"が有効であると思われる。Butlerのモデルに基づき、pc-setの分割を自動化するメッソドをDubielに実装した。Most computer programs for pitch-class-set analysis which have appeared to date are limited to finding the T_n/T_nI type of a given pc-set. By contrast, "DUBIEL,″written in Java, is currently the most feature-rich application for pc-set analysis. Although the implementation of most classes and methods is rather straightforward, that of the method of identifying pc-sets in a composition involves the thorny issue of segmentation in atonal theory. An automated segmentation of pc-sets seems possible by means of Butler's "Intervallic Rivalry Model" A method based on the model is implemented in Dubiel so that it can perform automated Segmentation of pc-sets.
著者
梶川 祥世 井上 純子 佐藤 久美子 兼築 清恵 高岡 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.291, pp.19-24, 2005-09-16

2曲の歌(「ゆりかごの歌」, 「ぞうさん」)について, 4-13ヶ月児の母親が乳児に対して歌いかけた場合と乳児不在で歌った場合とで, 音響的特徴の比較を行った.テンポについては, 対乳児のほうが乳児不在よりもテンポが遅くなる傾向が全般にみられた.母親による曲の印象評価においても, テンポは判断の主要な要素であり, 遅いテンポを乳児が好むと考える母親は、他の母親よりも遅いテンポで歌う傾向が「ぞうさん」にみられた。基本周波数平均値については, 対乳児と乳児不在での変化には個人差があり, 対乳児歌唱音声で一様に高くなるとする従来の見解は支持されなかった.乳児に対する歌唱音声では, テンポは個人、曲によらず一定の傾向がみられる要素であり, 周波数の高さは個人や曲によってばらつきがあると考えられる.