著者
秋永 一枝 兼築 清恵 鈴木 豊 佐藤 栄作 上野 和昭 金井 英雄
出版者
早稲田大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

未発表資料索引の刊行作業は、「アクセント史資料索引」として、昭和62年度に秋永一枝・後藤祥子編『袖中抄声点付語彙索引』(6号)、鈴木豊編『日本書紀神代巻諸本声点付語彙索引』(7号)、昭和63年度に坂本清恵編『近松世話物浄瑠璃胡麻章付語彙索引』(8号)、金井英雄編『補忘記語彙篇博士付和語索引』(9号)を編纂、刊行した。また、上記資料刊行とともに、研究分担の資料調査に伴う問題点や研究を発表した。秋永は、「袖中抄」「古今集」の声点とアクセントに関する論考を4篇発表。上野は「平曲譜本」の記譜とアクセントに関する論考を2篇。坂本は「近松浄瑠璃本」の記譜とアクセント、義太夫節のアクセントに関する論考を4篇発表。鈴木は「日本書紀私記」「古語拾遺」の声点に関する論考をそれぞれ発表した。(裏面記載の論文)また、これまでに発表してきたアクセント史索引を総合的にコンピュ-タで検索できるよう「国語声調史資料索引集成」の編纂作業を行ってきた。これまでにコンピュ-タ入力を終了し、今後資料の追加や校正作業を進め、多くの人に利用の便を計るよう研究作業を続ける予定である。以上の史的アクセントの研究と同時に、アクセント史解明に不可欠な日本諸方言アクセントの調査と位置付けに関する研究を行った。昭和63年度に佐藤栄作編『アクセント史関係方言資料』として、テ-プ2巻と活字資料集を刊行した。また、佐藤が高松アクセントについての論考を発表した。以上のように、文献からのアクセント史解明の研究と、方言からのアクセント史解明へのアプロ-チを進め、成果をあげることができた。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵 上野 和昭
出版者
早稲田大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

「アクセント史資料索引」として、昭和58年度に秋永一枝編『言語国訛竹柏園旧蔵本影印ならびに声譜索引』(第1号)、昭和59年度に上野和昭編『御巫本日本書紀私記声点付和訓索引』(第2号)、秋永一枝編『永治二年本古今和歌集声点住記資料ならびに声点付語彙索引』『顕昭 後拾遺抄注・顕昭 散木集注声点注記資料ならびに声点付語彙索引』(合綴、第3号)にひき続いて、昭和60年度『古語拾遺声点付語彙索引』『乾元本日本書記所引日本紀私記声点付語彙索引』(合綴、第4号)を秋永の指導のもとに鈴木豊が編纂・刊行・昭和61年度、『近松世話物浄瑠璃胡麻章付語彙索引体言篇』(第5号)を共同研究者兼築が編纂・刊行した。また、上記資料刊行とともにそれぞれ資料の調査に伴う問題点や研究を以下のように発表した。秋永は「「やまとうた」と「やまとうり」」・「古今集声点本における形容詞のアクセント」の古今集声点本に関する論考2篇を発表した。共同研究者上野は平曲譜本に関する論考を、兼築は義太夫節正本に反映したアクセントについての論考を発表した。(裏面記入の論文)以上の史的資料の研究と同時に、アクセント史解明に不可欠の日本諸方言アクセントの調査の一環として、秋永が、四国、瀬戸内海島嶼の調査を、上野が、高松、徳島、京都、大阪の、兼築が大阪の調査を行った。うち、秋永が「愛媛県魚島における老年層のアクセント」「魚島アクセントの変遷」を発表した。また、池田要氏調査の京都、大阪アクセント資料を『日本国語大辞典』記載の京都アクセント注記と同じ形に直し、50音順に並べる作業を、研究分担者全員と、鈴木豊,佐藤栄作で行い、刊行の準備とした。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵 佐藤 栄作 上野 和昭 鈴木 豊
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

1 すでに刊行した『日本語アクセント史総合資料 索引篇』(秋永一枝ほか編 1997.2東京堂出版、以下『索引篇』)所載のアクセント史データを分析して、その基礎的・応用的研究を行い、これを公表した。(1)『索引篇』に掲載した資料の書誌、アクセント史資料としての価値、ならびにその利用方法などについて研究し、公表した。(秋永・上野・坂本・佐藤・鈴木編『同 研究篇』1998.2東京堂出版、以下『研究篇』)(2)『索引篇』所載のデータを整理し、名詞・動詞・形容詞について、それぞれアクセントの歴史的変化を類別し、これを「早稲田語類」と名付けて『研究篇』に公表した。また、「早稲田語類」を、従来の「金田-語類」と比較対照して一覧し、テキストデータとして公表した。(坂本・秋永・上野・佐藤・鈴木編『「早稲田語類」「金田-語類」対照資料』フロッピーディスク付き1998.10アクセント史資料研究会)(3)同じく『索引篇』所載データから複合名詞のアクセントデータを抽出し、そのアクセント型や語構成との関係などについて考察した。その成果の一部は『研究篇』に掲載したが、今後も継続的に研究する。2 京阪式アクセントを中心とする現代諸方言アクセントの研究は、上記「早稲田語類」の類別にも生かされているが、とくに京浜アクセントおよび東京アクセントについては、二種類の資料を公表した。(1)『楳垣京都アクセント基本語資料-東京弁アクセント付き-』フロッピーディスク付き(秋永一枝編1998.10アクセント史資料研究会)(2)『池田要 京都・大阪アクセント資料 五十音順索引』(上野・秋永・坂本・佐藤・鈴木編2000.2同)3 索引が未だ刊行されていないアクセント史資料について、その基礎的研究と索引の編纂とを行った。索引の刊行には至らなかったが、それぞれの文献についての基礎的研究はほぼ整い、近く索引も刊行する予定である。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵(坂本 清恵) 佐藤 栄作 上野 和昭 鈴木 豊
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

1、以下の諸索引を作成、刊行してアクセント史資料データを増補した。(1)医心方 声点付和訓索引(秋永一枝・坂本清恵・佐藤栄作編2001.8)(2)日本書紀 人皇巻諸本 声点付語彙索引(鈴木豊編2003.3)(3)高松宮本・林羅山書入本和名類聚抄 声点付和訓索引(佐藤栄作編2000.12)(4)平家正節 声譜付語彙索引上・下(上野和昭編2000.12/2001.12)(5)金田一春彦調査京都アクセント転記本(楳垣実京都アクセント記入)(秋永一枝編2001.9)2、『池田要 京都・大阪アクセント資料 五十音順索引』(2000.3アクセント史資料研究会)のデータベースを利用して品詞別に整理し、近現代京都アクセントの諸資料と比較しながら検討した。その結果「池田要 京都・大阪アクセントの注記について-名詞3拍までを中心に-」(坂本清恵)、「複合名詞からみた池田アクセント」(佐藤栄作)、「『池田要 京都・大阪アクセント資料』所載の用言のアクセント」(上野和昭)、「東京アクセントとの比較」(秋永一枝)などの成果を得た。3、方言アクセントの調査研究は京都・東京(秋永)、伊吹島(佐藤)などで実施した。その成果は、『新明解日本語アクセント辞典』(秋永一枝編2001.3)をはじめ、秋永(2002)「東京語の発音とゆれ」・佐藤(2002)「アクセント型の許容からみる伊吹島アクセントの3式-伊吹島と観音寺の中学生の比較-」などの論文に報告された。4、伝統芸能とアクセント史との関係についても坂本(2001a)「胡麻章の機能-近松浄瑠璃譜本の場合」(2001b)「声の伝承-復曲時には何が伝承されるのか-」(2001c)「文字の呪性-仮名遣いという呪縛-」(2002a)「「語り」と「謡い」-義太夫節のアクセントから探る-」(2002b)「近代語の発音-謡曲伝承音との関係-」などの研究報告があった。
著者
梶川 祥世 井上 純子 佐藤 久美子 兼築 清恵 高岡 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.291, pp.19-24, 2005-09-16

2曲の歌(「ゆりかごの歌」, 「ぞうさん」)について, 4-13ヶ月児の母親が乳児に対して歌いかけた場合と乳児不在で歌った場合とで, 音響的特徴の比較を行った.テンポについては, 対乳児のほうが乳児不在よりもテンポが遅くなる傾向が全般にみられた.母親による曲の印象評価においても, テンポは判断の主要な要素であり, 遅いテンポを乳児が好むと考える母親は、他の母親よりも遅いテンポで歌う傾向が「ぞうさん」にみられた。基本周波数平均値については, 対乳児と乳児不在での変化には個人差があり, 対乳児歌唱音声で一様に高くなるとする従来の見解は支持されなかった.乳児に対する歌唱音声では, テンポは個人、曲によらず一定の傾向がみられる要素であり, 周波数の高さは個人や曲によってばらつきがあると考えられる.
著者
佐藤 久美子 兼築 清恵 松本 博文
出版者
玉川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、外来語の音声的特徴と、外来語を認知するときのプロセス・発達過程について、特にカタカナ語とそのL2英語・L2日本語習得に与える影響について調査を行った。2003年度は、カタカナ語となっている英単語を導入語として用いることが、L2英語の語彙獲得に与える影響について検証した。特に、カタカナ語のなじみ度が英単語の認知にどのような影響を与えるのかを、アンケート調査およびタキストスコープ、CSLを用い調査分析した。その結果、L2英語学習の導入期にカタカナ語になっている英単語を導入するのは不適切であるという結論に達した。2004年度は、上記研究で見られたカタカナ語(及びL2英単語)アクセントの平板化現象を、なじみ度(単語親密度)と音韻(音節)構造の両観点から考察を行い、その説明的妥当性を探るとともに、英語習得への影響の可能性を考えた。その結果、本来辞書で平板型のカタカナ語が軽音節の連続で終わっている率は高いものの、この音節構造が原因となりアクセント核を持つカタカナ語が平板化(無核化)アクセントになるとは言えないことが明らかになった。さらに、平板化アクセントになった英単語のうち、英語のなじみ度が平均以上である語はカタカナ語でもなじみ度が平均以上になる割合が非常に高く、カタカナ語のなじみ度が高い場合は英語のなじみ度も高く、平板化することが分かり、2003年度の分析を再度確認する結果となった。さらに台湾人のL2日本語学習者にも同様の実験を行った結果、英語アクセントが平板型に発音される傾向は日本人にのみに見られることが分かった。以上の研究から、特に英語導入初期においては、英語の音節構造やアクセントなどの音声知覚に集中させる教育方法が、正しい発音が身につくことを可能にし、早期英語教育との関係から見ても、考慮に値する教授法として考えられる。