著者
梅原 拓也 梯 正之 田中 亮 恒松 美輪子 村中 くるみ 井上 純子 村上 恒二
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-10, 2016 (Released:2017-02-20)
参考文献数
32

【目的】本研究は,脳卒中患者のADL 回復の対策として,PT,OT およびST の介入量の増加が有効であるかどうかを検討することである。【方法】入院時FIM 運動項目により患者を低群,中群,高群に分類した。各群のFIM 利得に影響する因子の検討のために,ロジスティック回帰分析を行い,抽出された因子ごとにカットオフ値や診断性能を算出した。【結果】対象者と抽出因子数は,低群297 名・5 因子,中群190 名・2 因子,高群170 名・3 因子であった。3 群に共通の因子は,PT とOT の総単位数であった。各群におけるこのカットオフ値・陽性尤度比・陰性尤度比・事後確率は,低群で747 単位以上・2.26・0.63・71.0% であり,中群で495 単位以上・1.5・0.67・62.0% であり,高群で277 単位以上・1.86・0.45・65.0% であった。【結論】重症の者ほど回復は予測しやすいが,より多くの因子でなければ精度の高い予測は難しい。
著者
梶川 祥世 井上 純子 佐藤 久美子 兼築 清恵 高岡 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.291, pp.19-24, 2005-09-16

2曲の歌(「ゆりかごの歌」, 「ぞうさん」)について, 4-13ヶ月児の母親が乳児に対して歌いかけた場合と乳児不在で歌った場合とで, 音響的特徴の比較を行った.テンポについては, 対乳児のほうが乳児不在よりもテンポが遅くなる傾向が全般にみられた.母親による曲の印象評価においても, テンポは判断の主要な要素であり, 遅いテンポを乳児が好むと考える母親は、他の母親よりも遅いテンポで歌う傾向が「ぞうさん」にみられた。基本周波数平均値については, 対乳児と乳児不在での変化には個人差があり, 対乳児歌唱音声で一様に高くなるとする従来の見解は支持されなかった.乳児に対する歌唱音声では, テンポは個人、曲によらず一定の傾向がみられる要素であり, 周波数の高さは個人や曲によってばらつきがあると考えられる.
著者
井上 純子 平工 雄介 川西 正祐
出版者
鈴鹿医療科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、吸入された黄砂の肺細胞への影響とその作用機構の解明であった。炎症を介した酸化的損傷機構の関与を予測した。黄砂などのマウスへの投与は生理食塩水に懸濁させ点鼻で行った。週1回4回投与後取り出した肺組織に黄砂投与群で炎症が認められ、ニトログアニン、8-oxodGの生成が示唆された。8-oxodGをHPLCで定量し、黄砂投与群での有意な増加が認められた。これらの結果から、黄砂吸入による肺の炎症と酸化的損傷の関与が示唆された。