著者
高橋 翠
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.183-190, 2012-03-10

The evolutional account in studies of human facial attractiveness has contributed to increasing number of research and many discoveries about determinants of our preferences. In this paper, current psychological studies about determinants of facial attractiveness judgment, including both universality and individual differences are reviewed. Future research should be dealt with cognitive and emotional process underlying attractiveness judgments.
著者
高橋 翠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.214, pp.27-31, 2011-09-16

本研究では、進化心理学的観点から男性の顔に対する魅力評価を検討した。先行研究では、社会的手がかり(視線方向と表情)と「男らしさ」として知覚される形態的特徴は、それぞれ魅力に影響を与える要因であることが指摘されるが、それに加えて、魅力に対して相互作用効果をもつことが指摘されている。そこで本研究では、進化心理学的観点から、男性顔の魅力評価における社会的手がかりと「男らしさ」の相互作用効果を規定すると考えられる、女性評定者側の要因(パートナーの有無)に着目し、魅力評価との関連性を検討した。その結果、仮説と整合的な結果が得られ、パートナーの有無という女性評定者側の要因は、男性顔の魅力評価における社会的手がかりと「男らしさ」の相互作用効果のあり様を規定する要因である可能性が示唆された。
著者
高橋 翠 遠藤 利彦
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.165-173, 2013-02-28 (Released:2013-04-05)
参考文献数
25

顔の魅力に対する進化心理学的アプローチは,異性の容貌において繁殖に寄与する資質の手がかりがヒトに普遍的な魅力規定因であると仮定する.しかし,男性顔において「男らしさ」が知覚される容貌は優れた資質のシグナルであるが,女性は必ずしも魅力を知覚しない.本研究では,「男らしい」容貌から知覚される脅威性もまた,そうした容貌に対する魅力評価を抑制している可能性に着目した.男性顔(無表情・直視)に対する印象評価の多変量解析的検討(研究1),および表情(無表情・笑顔)と視線(直視・逸視)の異なる条件下での魅力評定(研究2)を通じて,評定者の性にかかわらず,脅威性(および脅威表情)の知覚が「男らしい」容貌に対する魅力評価を抑制している可能性が示唆された.ただし研究2では,男女で異なる結果として,女性評定者のみで脅威性が相対的に知覚されにくい場合に「男らしさ」の優れた資質のシグナルとしての側面が魅力として知覚されるようになる可能性も示唆された.
著者
高橋 翠
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.100, 2011

顔の魅力に対する進化的アプローチでは、ヒトは自身の繁殖に有利となる異性個体を見抜く適応上の課題として、望ましさに寄与する特性のシグナルを敏感に察知し、魅力という形で検出していく心的機能を備えていると仮定される。しかしながら、これまで「女らしい」印象を与える女性顔が常に高い魅力評価を受ける一方、男性顔における「男らしさ」は、健康や身体的強靭さといった配偶者として望ましい特性のシグナルであるにも関わらず、必ずしも魅力的と評価されないという。本研究では、「男らしい」印象を与えるような男性顔は、それが無表情時に知覚者に怒りが認知されることで覚知される脅威性が魅力評価を抑制していることを示した高橋(2010)の知見を拡張し、表情と視線方向の異なる条件における「男らしさ」と魅力の関係について検討を加えた。その結果、比較的笑顔や逸視といった脅威性が覚知されにくい条件においては、「男らしさ」が魅力評価に反映されるようになる可能性が示唆された。
著者
高橋 翠 遠藤 利彦
出版者
The Japanese Society for Cognitive Psychology
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.165-173, 2013

顔の魅力に対する進化心理学的アプローチは,異性の容貌において繁殖に寄与する資質の手がかりがヒトに普遍的な魅力規定因であると仮定する.しかし,男性顔において「男らしさ」が知覚される容貌は優れた資質のシグナルであるが,女性は必ずしも魅力を知覚しない.本研究では,「男らしい」容貌から知覚される脅威性もまた,そうした容貌に対する魅力評価を抑制している可能性に着目した.男性顔(無表情・直視)に対する印象評価の多変量解析的検討(研究1),および表情(無表情・笑顔)と視線(直視・逸視)の異なる条件下での魅力評定(研究2)を通じて,評定者の性にかかわらず,脅威性(および脅威表情)の知覚が「男らしい」容貌に対する魅力評価を抑制している可能性が示唆された.ただし研究2では,男女で異なる結果として,女性評定者のみで脅威性が相対的に知覚されにくい場合に「男らしさ」の優れた資質のシグナルとしての側面が魅力として知覚されるようになる可能性も示唆された.
著者
平野 陽子 古俵 孝明 五十嵐 敏明 松嶋 あづさ 川道 美里 小島 慶之 高橋 翠 松井 友里恵 渡瀬 友貴 山下 慎司 宇野 美雪 上谷 幸男 渡辺 享平 矢野 良一 塚本 仁 中村 敏明 岩崎 博道
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.502-508, 2017-09-10 (Released:2018-09-10)
参考文献数
9
被引用文献数
2

In February 2015, we introduced a drug verification and quantity management system using personal digital assistants and medicine barcodes to prevent dispensing errors. We evaluated the effect of this system by comparing the number of dispensing errors and incident cases for one year before and after the introduction. The time required for dispensing was prolonged from about 28.4 seconds to 37.3 seconds per drug, about 1.3 times. The number of dispensing errors for one year before and after system introduction significantly decreased from 33.8 ± 4.7 per month to 5.8 ± 0.8 per month (P < 0.01). In addition, the number of incidents significantly decreased from 6.0 ± 0.9 per month to 3.2 ± 0.5 per month (P = 0.02). The system seems to be useful as a tool of medical safety measures because it significantly lowers the number of dispensing errors and incidents.