- 著者
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菊地 剛正
國上 真章
高橋 大志
鳥山 正博
寺野 隆雄
- 出版者
- 一般社団法人 経営情報学会
- 雑誌
- 経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.3, pp.199-214, 2020-12-15 (Released:2020-12-23)
- 参考文献数
- 14
組織研究では,実在のビジネスケースと組織シミュレーションのログとを比較対照するアプローチがある.両者の実効性のある接地のため,個々のエージェントの行動の詳細な記録を指すミクロ・ログではなく,ミクロ・ログの類型を対象とした分析手法が提唱されている.しかし,当該手法は,分析者のモデルに関する知識が前提であり,あらかじめログの類型を設定する必要があるなど,改善の余地がある.そこで本稿では,組織シミュレーションのミクロ・ログ分析にクラスタリング手法を適用することで,以下の2点を拡張した方法論を提案する:a)分析者がシミュレーションログの類型を事前に設定する必要がないこと,b)シミュレーションログの分析粒度を変えうること.組織の外部環境認識に係る意思決定プロセスを表現するエージェント・モデルを構築し,ミクロ・ログの類型化を行うことで,提案手法の要件が満たされることを例示した.