著者
荒木 優子 廣中 薫 田頭 章徳 萩原 こまき Yuko ARAKI Kaoru HIRONAKA Akinori TAGASHIRA Komaki HAGIWARA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

本研究は、神戸市・灘区の通称「ミュージアムロード」を中心としたコミュニティの潜在的魅力と文化・観光資源を活用し、地域活性のためのコミュニケーションデザインの研究と実践をとおして、内外に地域の魅力発信を行うことを目的としている。その中で、地域コミュニティにおけるアートやデザインへの理解促進と、実社会をフィールドにしたデザイナーやアーティスト育成のための教育活動の展開を目指している。2009年より「アートとデザイン」をキーワードに、大学が積極的に地域・行政・企業と連携を深めるべく、該当地域でのデザインワークショップの実施や、コミュニケーションペーパーを発行するなど、さまざまなコラボレーションの機会創出を行ってきた。その結果、ミュージアムロードの阪急高架橋壁画ペイントや、王子動物園内の重要文化財である旧ハンター住宅を活用したイベント、地元企業の空きスペース活用した展覧会企画などの恊働事業が始動した。The primary purpose of this study is introducing the attractiveness of this region to both inside and outside through the study and practice of communication design by utilizing the potential charm, culture and tourist resources of the community centered in Nada Ward, Kobe city known as "Museum Road". We aimed at progress of the further understanding of design and art in the local community and development of education thorough the activities of designers and artist in the practical field.We have created the opportunities to intensify the different types of collaboration with community, local government and companies actively since 2009, such as holding design workshops and publishing communication magazine, under the keywords, "art and design". As a result, some collaboration projects started to realize, such as wall paintings under the elevated structure of Hankyu Railway on the Museum Road, events in the former Hunter House that is an important cultural property located in OJI Zoo Park, and exhibitions utilizing the vacant space of the local business.
著者
田頭 章徳 久慈 達也 見明 暢 佐久間 華 馬場田 研吾 松本 雄樹 金子 晋也 Akinori TAGASHIRA Tatsuya KUJI Nobu MIAKE Hana SAKUMA Kengo BABATA Yuki MATSUMOTO Shinya KANEKO
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2012
巻号頁・発行日
2012-11-30

優秀な学生、より上を目指す学生をさらに高いレベルに引き上げる目的で立ち上げたデザインチーム DESIGN SOIL は、教員と学生がともにデザイナーとして参加し、質の高い展示会への出展を軸に活動している。DESIGN SOIL では、参加学生に学生としてではなくプロのデザイナーとして作品を発表し、展示会に臨むことを要求している。2011年度は、家具産業が抱える輸送コストの問題に取り組むべく、「SOUVENIR.機内持ち込みができるパッケージサイズの家具、インテリアエレメント.」をテーマとして作品制作を行い、Salone Satellite 2011 やTIDE EXHIBITION 2011 などの最高峰の選抜展に出展を果たした。展示会では、多くの批評、賞賛を得ることができた。多数の先鋭的な雑誌媒体などに掲載されたのも、純粋に作品が評価されたということであり、大きな成果である。最高峰の展示会への出展を目標としているため、参加学生たちの作品の質は概ね向上した。展示会への参加を通して、大学のカリキュラムだけでは経験を積むことが難しい、展示会でのプレゼンテーションの仕方、取り組む姿勢を目の当たりにし、意識改革ができたことは非常に重要な成果である。次年度以降も活動を継続し、教育の方法論の確立を目指したい。"DESIGN SOIL" is a design team which has launched with the aim of raising talented or ambitious students to higher level. The selected students and young teachers participate as a designer to it and the activities is based on exhibiting in high-quality exhibitions. We require the students to make a design and participate in exhibitions as not just a student, but a professional designer.We developed theme of "SOUVENIR . furniture or interior elements which could be dismantled and stored in a package within the hand-luggage size limit allowed by airlines .", and we have participated in top-level exhibitions 'Salone Satellite 2011' and 'TIDE EXHIBITION 2011'.
著者
相良 二朗 見明 暢 田頭 章徳 種村 留美 長尾 徹 野田 和恵 Jiro SAGARA Nobu MIAKE Akinori TAGASHIRA Rumi TANEMURA Toru NAGAO Kazue NODA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

少子高齢化が進行している我が国において、認知症者の増加は予想をはるかに上回り、2012年時点で高齢者人口の15%にあたる約462万人が認知症を発症していると発表された(朝田隆、厚生労働省研究班、2013)。一方、2010年現在、高齢者のいる世帯は全体の4割を占め、独居高齢者は男性140万人、女性346万人と推計されている(平成24年版高齢者白書、内閣府)。加齢に伴う生活不安の一つは自身あるいは家族が認知症になることであり、認知症が進行すれば在宅生活をあきらめざるを得ない。アルツハイマーに代表される認知症は進行性の疾患であり、数年間に及ぶ初期症状の段階を経て要介護状態となる。この初期段階における日常生活上の困難や混乱によって生じる「問題行動」は生活行為を縮小させ、認知機能の廃用を引き起こし、認知症の進行を早める危険性がある。著者らは、生活環境とりわけ日常生活で使用する家庭電化製品等(以下家電等と略記)が認知機能の低下に配慮していないことに起因していると仮定し、独居もしくは日中独居の高齢者がどのような家電等を継続使用しているのか、使用を中断したものはないか、といった調査を行い、その結果から認知力が低下しても継続使用が可能な家電等のデザイン方法について7つの知見を得た。In 2013, a research unit of Ministry of Health, Labor and Welfare announced that more than 4.62 million are dementia and around 4 million are MCI (Mild Cognitive Impairment), extremely exceeding expectation. On the other hand, households which have elderly counted 42% in 2010 in Japan. The cabinet estimated 1.3 million men and 3.5 million women of over 65 live alone.One of the fears of aging people is to be a dementia. People must move to institute when the stage of dementia goes deep. The dementia like an Alzheimer's disease become worth in several years, after intermediate stage so called MCI. In this intermediate stage, if some kind of problems happens, family member tend to take his/her independent activities. This makes dementia worth.The authors interviewed 91 elderly who live alone to find what kind of everyday technology are still used or quite using. Finally we found seven items of knowledge to design those elderly friendly.
著者
相良 二朗 見寺 貞子 田頭 章徳 久慈 達也 Jiro SAGARA Sadako MITERA Akinori TAGASHIRA Tatsuya KUJI
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2010
巻号頁・発行日
2010-11-24

人間は情報の75~80%を視覚から得ていると言われている。現在の都市生活においては闇は存在せず、視覚情報が途絶することも経験できない。視覚障害の疑似体験としてアイマスクを装着して視覚を遮断する体験が行われることがある。しかし、アイマスク装着は、アイマスクを装着しているから見えないということが明らかであり、周囲の見えている人との間にギャップを感じさせてしまう。ドイツのハイネッケ氏が考案したDialog in the Dark は、光を遮断した空間内を全盲の人にガイドされて見ず知らずの8 名程のグループが無視覚状態で行動するという体験型イベントで、参加者は①視覚以外の感覚の覚醒、②言語によるコミュニケーションの促通、③環境が障害をつくっており、環境によって立場が逆転することへの気づき、などを報告している。本プロジェクトでは、大学院総合工房の内部を完全に遮光し、暗闇空間滞在中の様子を記録した。本論では暗闇化の方法と、暗闇空間での行動について報告する。