著者
菊地 和美 坂本 佳菜子 Kazumi KIKUCHI SAKAMOTO Kanako 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科藤女子大学大学院人間生活学研究科食物栄養学専攻 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第2部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
no.49, pp.39-43, 2012-03-31

本研究は、クロテッドクリームの品質に及ぼす冷凍ならびに糖類添加による影響について検討した。実験方法は、冷凍および解凍時の温度履歴、色調の測定、示差走査熱量分析、粘度測定、官能検査である。1. クロテッドクリームの冷凍時間は無糖が短く、ソルビトール、グラニュー糖の順に長くなった。解凍時間は糖類添加に比べて無糖が長くなった。2. 色調はクロテッドクリームの解凍後、いずれも冷凍前に比べてグラフは右・下方向に移行し、明るさを示す明度の減少と彩度の増加が認められた。3. 吸熱エンタルピー(ΔH)は無糖が3.5mJ/mg、グラニュー糖添加3.5mJ/mg、ソルビトール添加11.2mJ/mg であった。ソルビトール添加が無糖よりも大きくなり、熱に対する安定性が示唆された。4. 粘度変化率は、無糖が最も大きく、次いで、グラニュー糖添加、ソルビトール添加の順になった。5. 官能検査は冷凍・解凍クロテッドクリームの評点が0.4~0.5点であった。冷凍保存において糖類添加することはクロテッドクリームの品質を保つ有効な手段であることが明らかとなった。