著者
菊地 和美 市川 晶子 尾澤 典子
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第II部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.45-49, 2012-03-31
被引用文献数
1

本研究は、北海道産にしんみその調理科学的特性を明らかにし、にしんみそを北海道食材や大学生対象の調理実習ならびに二次加工品への応用を検討することを目的とした。1 色調は、にしんみそに調味料を添加することによって、明るさを示す明度が高くなった。2 にしんみその粘度は、25℃において1220〜1550mPa.sを示していた。3 官能検査の結果、評点はにしんみそペーストでは味、にしんみそディップでは総合評価が高くなった。官能検査結果より、いずれの項目においてもプラスの評点を示し、にしんみそを用いた展開が可能であることが示唆された。4大学生が「使いたい」と思うにしんみその応用例では、焼きおにぎり、石狩鍋、野菜スティックのみそなどが挙げられていた。5 大学生が考案したにしんみそを用いたレシピでは、にしんジャージャー麺、にしん梅そぼろそば、にしんマフィンや蒸しパンなどが挙げられていた。
著者
榎谷 高宏 大野 範夫 千賀 浩太郎 飯島 伸介 鎌田 久美子 菊地 和美 迫力 太郎 長谷川 絵里 藤井 杏美 水元 紗矢
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.151, 2017

<p>【はじめに】</p><p>脳卒中を取り巻く医療状況の大きな発展にも関わらず,脳卒中後の復職率は20 年前と比べて大きな違いはない.今回早期からの仕事再開と,入院中のIT 環境が復職に有効と考えられた症例を担当したので報告する.なお発表に際し事例より同意を得た.</p><p>【症例紹介】</p><p>50 歳代前半男性.職業システムエンジニア・管理職.平成28 年X 日右被殻出血発症,X +15 日定位血種吸引除去術施行.X +24 日当院回復期病棟転院.X+208 日自宅退院.</p><p>【入院時評価】</p><p>GCS:E4V5M6.B.R.S.:上肢I 手指I下肢II.感覚:左上下肢重度鈍麻.高次脳機能障害:左USN,注意障害,Pusher 症候群あり.ADL: 全介助.FIM: 運動15 点,認知11 点.SIAS:23 点.MMSE:26 点.BBS:0 点.</p><p>【経過】</p><p>入院当日から職場の方が来院し引き継ぎを行う.X +58 日個室に移動.入院中は電話やIT 環境を整え仕事をした.疲労や姿勢保持を含め注意を促し,徐々に仕事の量(時間)と質(業務・責任度)を増やしていった.</p><p>【退院時評価】</p><p>B.R.S.: 上肢II手指II下肢III.感覚: 変化なし.高次脳機能障害: 左USN,注意障害残存.ADL: 車椅子院内自立.FIM:運動82 点,認知29 点.SIAS:38 点.MMSE:30 点.BBS:40 点.自宅内はタマラック継手AFO で伝い歩き,入院中同様に仕事を行い,通勤に向けて障害者支援施設にて通所リハを継続.</p><p>【考察】</p><p>今回は会社・本人の強い意向から早期に就業開始を余儀なくされたが,IT 活用をし,入院当初から会社との関係性が途切れなかったことは,復職に有効であったと考えられる.また,早期からの仕事再開が本人の精神的安定,覚醒の向上,身体機能の向上に有効であったと考えられる.今後,定年延長などにより復職に対するするニーズはさらに高まってくると考えられ,本症例のようなケースも増加すると考える.</p>
著者
伊木 亜子 菊地 和美 田中 ゆかり 土屋 律子 木下 教子 坂本 恵 佐藤 恵 菅原 久美子 畑井 朝子 藤本 真奈美 宮崎 早花 村上 知子 山口 敦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】日本調理科学会特別研究(平成24~25年度「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」)の資料とすることを目的として,昭和30~40年頃までに北海道に定着した家庭・郷土料理に関する書誌情報の調査および聞き書き調査を実施した。これらの調査から得られたおやつ・間食について,主材料や調理操作を分析し地域性を検討したので報告する。<br />【方法】調査は,北海道を道央・道南・道北・道東の4地域に区分し,平成25年4月~26年12月に実施した。<br />【結果】北海道全域で特産のじゃがいもを使った「いも団子」「いも餅」が多く,調理法や食べ方も多様である。また各地にデンプン工場があったため,「でんぷん焼き」や煮豆を加えた「でんぷん団子」もみられる。かぼちゃも各地でつくられ,「かぼちゃ団子」など利用が多い。穀類の利用も各地にみられるが,道南には特に古くから伝わる伝統の菓子が多く,米粉を利用した「こうれん」や「べこ餅」がある。その他では,雑穀のそば・キビなども,まんじゅうや餅に利用されている。全般的に,いもやかぼちゃ・豆類などの農産物,穀類の利用が多く,調理法は,煮る・蒸す・焼くなどが多い。<br />また北海道らしく,干した鱈・鮭(トバ)・かすべ・鰊・数の子など海産物が道北海岸やその他内陸においてもおやつになっている。自家栽培の果物ばかりでなく自生していた桑・野イチゴ・こくわ,胆振地方特産のハスカップも生や加工して利用している。牛乳を用いたおやつは,酪農が盛んな帯広を中心とする道東で,自家製の「牛乳豆腐」や「ヨーグルト」などあるが他での利用は少なく,酪農品を早くからとりいれた札幌で若干みられる。以上より,北海道のおやつ・間食は,各地の産物をうまく利用した地域性があることを確認した。
著者
菊地 和美 古郡 曜子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.181, 2008

<BR> 【目的】<BR> 冷涼な気候と自然、豊かな大地とともに海に囲まれた北海道は、生乳などの農産物が豊富であることが知られている。北海道では近年、道産食品独自認証制度など食の安全・安心の取り組みを積極的に進めている。そこで、北海道産食材の特徴を活かした食育として、江別産小麦粉を用いた調理について検討を行うことにした。<BR>【方法】<BR> 調査方法は、2008年1月~2月の『第3土曜日道産DAY』に大学生対象として色彩に関するアンケート調査を実施した。さらに、江別産小麦粉を用いた調理体験を大学生ならびに高校生を対象として、官能検査や菓子作成に用いた色彩について考察を行った。 <BR>【結果】<BR> 大学生を対象にした色彩に関するアンケート結果はクリームの色がプラスのイメージでは白色、黄色であり、マイナスのイメージでは黒色、青色の出現傾向にあった。江別産小麦粉を用いたどら焼き調理体験におけるクリームに混ぜたジャムなどの種類は抹茶が多く、次いで大学生ではキャロットジャム、高校生ではアロニアジャムの順であった。ジャムなどの平均種類数は高校生が5.3±3.2種類、大学生が3.1±0.8種類であり、高校生が多く、有意差がみられた(p<0.05)。調理体験における官能検査結果では焼き菓子は「風味がよい」という回答がみられ、どら焼きのトッピングであるジャム入りクロテッドクリームは総合評価や風味、外観が高かった。また、クロテッドクリームについて、抹茶とキャロットジャムでは官能検査の結果、外観や総合評価はキャロットジャムが高くなり、食感や風味は抹茶が高く、有意差がみられた(p<0.01)。以上より、北海道産食材を用いた食育の展開を今後も地域において継続したいと考えている。
著者
菊地 和美 坂本 佳菜子 Kazumi KIKUCHI SAKAMOTO Kanako 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科藤女子大学大学院人間生活学研究科食物栄養学専攻 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第2部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
no.49, pp.39-43, 2012-03-31

本研究は、クロテッドクリームの品質に及ぼす冷凍ならびに糖類添加による影響について検討した。実験方法は、冷凍および解凍時の温度履歴、色調の測定、示差走査熱量分析、粘度測定、官能検査である。1. クロテッドクリームの冷凍時間は無糖が短く、ソルビトール、グラニュー糖の順に長くなった。解凍時間は糖類添加に比べて無糖が長くなった。2. 色調はクロテッドクリームの解凍後、いずれも冷凍前に比べてグラフは右・下方向に移行し、明るさを示す明度の減少と彩度の増加が認められた。3. 吸熱エンタルピー(ΔH)は無糖が3.5mJ/mg、グラニュー糖添加3.5mJ/mg、ソルビトール添加11.2mJ/mg であった。ソルビトール添加が無糖よりも大きくなり、熱に対する安定性が示唆された。4. 粘度変化率は、無糖が最も大きく、次いで、グラニュー糖添加、ソルビトール添加の順になった。5. 官能検査は冷凍・解凍クロテッドクリームの評点が0.4~0.5点であった。冷凍保存において糖類添加することはクロテッドクリームの品質を保つ有効な手段であることが明らかとなった。
著者
菊地 和美 古郡 曜子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 = Journal for the integrated study of dietary habits (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.273-279, 2008-12-30
参考文献数
10

&nbsp;&nbsp;クロテッドクリームの基礎的性状を調べるために, 北海道産クロテッドクリームを用いて, 色調, 動的粘弾性, 示差走査熱量分析 (DSC測定) を行った。さらに, クロテッドクリームを用いて北海道江別市の大学生を対象とした江別産小麦粉を用いた焼き菓子調理および官能検査を試みた。<BR>1. クロテッドクリームの色調は, ホイップクリームに比べて明るさのある黄色を呈していた。<BR>2. 動的粘弾性ではクロテッドクリームおよびホイップクリームともに, 最大貯蔵弾性率は5℃付近に存在し, 温度が上昇すると粘性要素が高くなった。<BR>3. 示差走査熱量分析ではクロテッドクリームの吸熱エンタルピー (&delta;H) は乳脂肪クリームのそれよりも大きかった。<BR>4. 北海道産食材を用いた調理体験では, クロテッドクリームに抹茶粉末やキャロットジャムなどを混合している様子が観察された。<BR>5. 官能検査では, 焼き菓子のみに比べて焼き菓子にクロテッドクリームを添えたものは総合評価が有意に高かった。さらに, クロテッドクリームのみに比べて, 風味では抹茶入りクロテッドクリーム, 外観ではキャロットジャム入りクロテッドクリームの評価が有意に好まれた。<BR>&nbsp;&nbsp;以上より, クロテッドクリームはジャムと混ぜたり, しぼりだして用いることができるため, その特性を活かして焼き菓子などへ利用できる可能性が示唆された。
著者
菅原 久美子 和泉 眞喜子 宮下 ひろみ 中村 恵子 會田 久仁子 村上 知子 菊地 和美 北山 育子 真野 由紀子 松本 祥子 大野 智子 高橋 秀子 齋藤 寛子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.129, 2010

【目的】米利用の地域性および米消費減少の要因を探るために、東北・北海道地方における米の摂取・調理状況に関する調査を実施し、前報<SUP>1)</SUP>では米の嗜好、摂取頻度、米に対する意識等について報告した。本研究では、米飯と代表的な米料理の摂取・調理状況について、東北・北海道地方における特徴と地域性について比較検討した。【方法】前報<SUP>1)</SUP>、同様である。<BR>【結果】三食とも米飯を摂取する割合は、全体で46.6%であるが、各県・道別にみると山形県71.4%、北海道29.9%となり、一日の米飯回数には地域差がみられた。山形県では黒米、宮城県では五穀米の使用が多い特徴がある。また無洗米の使用経験は各県道ともに多く、認知度や利便性等が広く浸透していることが窺われた。残りご飯は炒飯、雑炊としての利用が最多であるが、焼きおにぎりへの利用には地域差がみられた。おにぎりの具材はいずれも鮭、梅干しが上位であるが、たらこは秋田・青森県、こんぶは青森・岩手・宮城県、かつおぶしは北海道で多かった。炊き込みご飯、混ぜご飯、ちらし寿司を作る割合は各々88.4%、75.7%、62.6%であり、炊き込みご飯は秋田県、混ぜご飯は福島県、ちらし寿司は岩手県で作る割合が多く、いずれの米料理も、具の調理状況と盛りつけ時の具の飾り方には地域的特徴がみられた。具材を種類別にみると、炊き込みご飯では山形県のいも類(しらたき、こんにゃく)ときのこ類、北海道の藻類(ひじき、海苔)と魚介類(ほたて貝、ほっき貝)、混ぜご飯では宮城県の鮭の出現率が高く、地域の特産物が多く利用されている状況が窺われた。<SUP>1)</SUP>日本調理科学会平成21年度大会研究発表要旨集、p.47(2009)
著者
土屋 律子 坂本 恵 鐘ヶ江 あゆ美 菊地 和美 木下 教子 坂本 佳菜子 佐藤 恵 菅原 久美子 田中 ゆかり 庭 亜子 畑井 朝子 藤本 真奈美 宮崎 早花 村上 知子 村田 まり子 山口 敦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】日本調理科学会特別研究(平成24~25年度)「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の先行研究・資料とすることを目的に昭和30~40年頃までに北海道に定着してきた家庭・郷土料理に関する書誌情報を収集した。地域を道央、道南、道北、道東に分け、北海道のみの記載、地域の特定のないものは、「北海道」としてまとめた。今回は、これらの資料に記載されている料理の地域性、主材料、調理操作について検討したので報告する。【方法】書誌収集は、平成25年3月~12月に実施した。収集された資料は62冊、料理数は1066件であった。料理の主材料を日本食品標準成分表2010年に基づき分類、調理操作は調理方法の記載、および明らかに推定できる操作を加え分類し検討した。【結果】料理数は、道東が多く全体の30.2%(322件)、道南23.5%、道央13.3%、道北10.2%であった。「北海道」は242件で、地域の記載がない28件を含めた。主材料を見ると、魚介類が37.9%と魚種、調理法も多く、中では鮭、鰊、いかの利用が多い。鯨、ごっこ、サメの利用もみられた。次いで野菜類(14.6%)、穀類(13.4%)、いも類(12.6%)と北海道の特産物の利用が多い。地域別では道南、道央は魚介類、道北は野菜類、道東はいも、野菜類の利用が多い。穀類は道央(29.6%)が多く道南、道北と続き、道東は6.4%と少ない。調理操作では、「煮る」が31.4%と最も多く、次いで「漬ける」(18.0%)、「焼く」(10.9%)、「和える」(7.2%)の順であった。「煮る」では、鰊の三平汁、鮭の石狩鍋、「漬ける」では、鰊、ほっけの飯ずし、いかの粕漬け、松前漬けなど、「焼く」では、いか焼きやいももち、ジンギスカンなどがあげられていた。地元の食材を多種多様に調理・加工し、利用している様子を窺い知ることができた。
著者
菊地 和美 菅原 久美子 木下 教子 酒向 史代 坂本 恵 高橋 セツ子 土屋 律子 芳賀 みづえ 藤本 真奈美 村上 知子 村田 まり子 山口 敦子 山塙 圭子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】年中行事や通過儀礼を行うハレの日には、食事も日常とは区別され、各家庭や地域で独自の習慣がみられている。食生活が多様化する中、地域における年中行事や伝統食を大切にし、次の世代への継承にむけた取り組みが推進されるようになってきた。そこで、本研究は北海道の行事食と儀礼食について、親子間(学生とその親)からみた認知状況や摂食状況などの実態把握を行い、地域性を明らかにすることを目的として検討した。【方法】調査は日本調理科学会特別研究(平成21~23年度)に基づき、北海道に居住する親181名と子181名(計362名)を対象として、調査時期は平成21年12月~22年8月に実施した。データは単純集計および親子間によってクロス集計を行い、χ2検定により分析した。【結果】親子間で認知・経験が一致する回答は、行事食が74.0%、儀礼食は49.8%であった。行事食と儀礼食を認知している割合は親が子よりも多く、親子間で有意差がみられたのは盂蘭盆、お七夜、百日祝い、初誕生、厄払いであった(p<0.01)。行事食と儀礼食の経験がある割合も親が子よりも多く、有意差がみられたのは春分の日、端午の節句、盂蘭盆、土用の丑、お月見、秋分の日、出産祝い、お七夜、百日祝い、初誕生、成人式、結納、婚礼、厄払い、長寿であった(p<0.01)。北海道の正月料理のうち、親子間で「現在、家庭で作る」という回答が一致していたのは、たこ刺身が7組(親子間一致なし12組)、くじら汁が2組(親子間一致なし3組)、いずしが2組(親子間一致なし2組)であった。今後はさらに、北海道における特徴的な行事食・儀礼食の親子間による伝承を検討する必要性が示唆された。
著者
菊地 和美 鮫島 邦彦
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.35-40, 2004

本研究は,ホイップクリームの物理化学的特性及び嗜好特性を明らかにすることを目的として実施した. 1.色調のうち,乳脂肪クリームは植物性よりもC*値(彩度)や黄色を示すb値が高く,糖類添加によってL値(明度)の減少とC値の増加が観察された. 離水量は植物性クリームの方が少なかった. 2.貯蔵弾性率では,5~20℃ 付近の周波数グラフが平坦部を示し,35℃ 以上になると低周波数での応答が認められなかった. 3.DSC測定結果では,糖類添加クリームの吸熱エンタルピーが大きくなって温度に対する安定性がみられ,この傾向は糖類の種類によっても同様であった. 4.官能検査により,好まれているホイップクリームはグラニュー糖20%添加,グラニュー糖10%添加,無糖という順であった. 5.因子分析により,グラニュー糖を添加したホイップクリームが総合評価で好まれており,原料別にホイップクリームを比較すると植物性クリームでは色や形という外観に特徴がみられ,乳脂肪クリームでは味や濃厚さという味に特徴がみられた. 本研究は,日本調理科学会平成14年度大会において口頭発表したものである. 謝辞 ホイップクリームの物性測定にあたり,ご指導賜りました酪農学園大学食品科学科食品物性学研究室中村邦男先生ならびに同研究室の皆様に感謝申し上げます. 多変量解析の因子分析ならびに分散分析にっいて,ご指導賜りました東海学園大学山口蒼生子先生にお礼申し上げます.
著者
菅原 久美子 菊地 和美 木下 教子 酒向 史代
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.31-41, 2014

本研究は北海道の行事食と儀礼食について,親子間の認知状況や経験状況などの実態把握を行い,地域性を明らかにすることを目的として検討した。行事食の認知度は,正月が最も高く,秋祭り,春祭り,重陽の節句は低く,経験度も同様の傾向であった。北海道は全国よりも春分の日,秋分の日,冬至の経験度が高く,秋祭り,春祭りの経験度が低かった。儀礼食は認知度,経験度ともにお七夜が儀礼食間では有意に低く,伝承が困難な様子がうかがわれた。三世代家族の婚礼,葬儀,法事の経験度が極めて高いことに特徴がみられた。北海道は七五三の経験度が低く,全国とは異なる傾向を示した。親子間で認知度・経験度の肯定的回答の一致が高かったのは,行事食では正月,クリスマス,大晦日,節分,上巳の節句,儀礼食では誕生日,葬儀,七五三であった。肯定的回答の一致度が低かったのは,行事食では春祭り,秋祭り,重陽の節句,儀礼食では,結納,お七夜であった。
著者
古郡 曜子 菊地 和美
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.410-416, 2009-12-20

本研究は,平成2年前後に生まれた学生を対象とした保育所・幼稚園における「食の思い出」アンケート調査をまとめたものである。調査時期は2008年4〜5月に実施し,有効回答数は732人,調査対象者の平均年齢は18.5歳であった。アンケート調査の結果は以下のとおりであった。食生活の出来事における思い出の回答では,「印象に残っていること」は「いただきます・ごちそうさまという挨拶」を多く挙げていた(74.5%)。通園先における「食事が楽しかった」という回答が82.2%であり,「楽しい思い出」の質問には,みんなで食べたこと,お弁当に関すること,食べ物の栽培をしたことなどを回答していた。一方,幼児期の家庭における「食事のしつけ」の記憶数は,平均4.0±2.2個であった。「現在,食事のマナーが身についていると思う」と回答した学生は,幼児期の家庭における「食事のしつけ」の記憶数が多いという,関連性がみられた。