著者
植村 八潮
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.403-413, 2013

電子書籍の登場と普及が,印刷技術と物流,物販を基本構造とした産業構造に変革を迫っていることは疑いもない。同時に出版物が担ってきた重要な役割である学術情報の流通や文化的蓄積にも影響を与え,ひいては図書館のあり方や制度設計も変わらざるを得ない。本稿の目的は,普及が進まないと指摘される電子書籍の現状について解説した上で,普及のためになすべき制度整備や検討が始まっている著作権法改正について述べ,さらに図書館サービスに及ぼす影響や求められる対応について検討することにある。電子書籍がビジネス競争の単なる道具として利用されるのではなく,学術と文化の発展に寄与するためにどのような方策をとるべきか。現状分析により課題を明らかにし,その上で目指すべきあり方を検討する。

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著者
時実 象一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.313-318, 2015-07-01 (Released:2015-07-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
重田 勝介
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.677-684, 2014
被引用文献数
11

近年,「反転授業」とよばれる授業形態が注目を集めている。反転授業とは,授業と宿題の役割を「反転」させ,授業時間外にデジタル教材等により知識習得を済ませ,教室では知識確認や問題解決学習を行う授業形態のことを指す。タブレット端末やデジタル教材,インターネット環境など情報通信技術(ICT)を活用した反転授業の教育実践が初中等・高等教育で広がっている。反転授業の普及の背景には,オープン教材(OER)とICTの普及があり,わが国においても初中等教育や高等教育での導入事例がみられる。反転授業の導入によって,学習時間を増やし教室内で知識を「使う」活動を促し,学習の進度を早め学習効果を向上させることが期待される。一方で,反転授業の実施にあたっては,学校や家庭におけるICTの環境整備やオープン教材の普及,自習時間の確保や教員の力量形成が課題となる。
著者
吉田 幸二 時実 象一 尾身 朝子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.682-693, 1999 (Released:2001-04-01)
参考文献数
34
被引用文献数
17 14

J-STAGEは,電子ジャーナルの投稿,審査,組版,発信を一貫してサポートするシステムである。J-STAGEセンターは,学会がインターネットを通じて365日24時間アクセス可能な共同利用センターで,ここに格納される閲覧用の電子ジャーナルデータはSGMLで作成される。投稿者のためにはLaTeXとMS Wordのテンプレートを用意し,組版までをサポートする。投稿者,編集部,編集委員,査読者はWeb上で投稿論文の参照,審査結果の入力,審査経過の閲覧が可能である。また,外部のデータベースや電子ジャーナルに,引用文献としてリンクを作成する。作成された電子ジャーナルはインターネットから検索・閲覧できる。電子討論,マルチメディア付録や学会の大会抄録集の作成もサポートする。
著者
内田 尚子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.32-46, 1999 (Released:2001-04-01)
参考文献数
29
被引用文献数
5 5

DOIはディジタルであるなしに関わらず,あらゆる創作物を識別する。DOIシステムが1997年に公開されて以来,コンテントおよびインターネット技術の関係者から広く支持を得てきた。本稿は,International DOI Foundation (IDF) その他のWebサイトから得た情報やディジタル出版物を参考に,DOIの歴史,DOIシステムの仕組み,今後の開発構想について述べる。
著者
李 穎 郭 暁峰 姚 長青 喬 暁東 久保田 壮一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.355-365, 2009 (Released:2009-09-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

2007年3月,中国科学技術情報研究所(ISTIC)と万方数据(Wanfang Data)は共同でIDFの中文DOI登録管理機関を創設,運営を開始した。ISTIC & Wanfang Dataは中国語DOIの普及,推進のため,中文DOI登録センターというプラットフォームを研究開発した上で,国内外機関との提携によって幾つかの関連研究プロジェクトを実施してきた。本稿において,まずはISTIC&Wanfang Dataを始めとした中国語DOIに関連するプロジェクトの戦略全体図を紹介し,次に個々のDOIに関連する国家プロジェクト,国内外の協力と標準化活動を紹介する。ここでは中文DOIシステムの研究開発,米国CNRI Handle Systemとの国際連携,中国科学技術部の主要学術雑誌プロジェクト,中国新聞出版総署の「デジタルオブジェクト識別子」標準体系の予備的研究,中国版権保護センターのDOIによる著作権保護研究を取り上げた後,課題と展望をまとめる。