著者
治部 眞里 小林 義英 落合 圭 橋本 定幸 塩尻 栄美子 山崎 雅和 栗原 正昭 浜中 寿 坂内 悟 國谷 実
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.601-609, 2010 (Released:2010-01-01)
参考文献数
7
被引用文献数
3 3

イノベーション測定手法の一つとして,特許と論文のリンケージに注目が集まっている。科学技術振興機構(略称JST)においては,イノベーション創造を推進するファンディングエージェンシーとして,中期目標上,科学技術政策の投資効果や評価の情報発信を定めている。そこで,JST事業の成果がイノベーションの創造にいかに寄与しているかを,科学論文と特許とのリンケージを分析し,可視化する評価システムを構築した。本論においては,論文および特許のリンケージ等の定量的測定を基に,JSTが過去に支援した研究課題の成果について分析した事例について紹介する。
著者
五味渕 亘
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.35, no.11, pp.953-965, 1993

JICSTシソーラス1987年版完成直後から開始された,定常的なシソーラス·メンテナンス作業を経て, 1993年版作成に至るまでの経過を述べるとともに,新シソーラスの改訂の規模と内容について紹介した。今改訂では,新語の追加,索引頻度の低い用語の降格あるいは削除,用語関係の見直し及び見出し語表記の見直しを行った。特に,医学関連用語の追加,表記の統一を重点的に行った。また,シソーラスを補完するテーブルとして、新たに「シソーラス変換テーブル」を作成した。新シソーラスによる, JICST系文献ファイルのバックファイル·メンテナンスについて述べるとともに, JICSTシソーラスの今後の課題についても言及した。
著者
安藤 俊幸
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.20-31, 2009
被引用文献数
1 2

近年,企業における特許情報活用の重要性はますます高まっている。膨大な特許情報の中からエンドユーザーにとって必要な情報を迅速に抽出することが求められている。テキストマイニングツールと統計解析言語Rを用いて下記2種類の特許情報の可視化を検討した。(1)類似度による特許公報群の解析・可視化,(2)発明者,特徴語のネットワーク分析。商用特許データベースの検索集合に本手法を適用することで特許情報の分析・評価支援や戦略的特許情報活用に応用できる。
著者
渡辺 隆行
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.680-689, 2007 (Released:2007-03-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

インターネットの普及とWebの利用範囲の拡大とともに,高齢者や障害者を含む誰もがWebを使えることの重要性が高まっている。Webの標準仕様を策定している国際コンソーシアムW3Cは,このようなアクセシブルなWebを制作するためのガイドラインであるWeb Content Accessibility Guidelinesの改訂版(WCAG 2.0)を策定中である。WCAG 2.0は,順調にいけば2007年度中にW3Cの正式勧告となり,世界中に影響を及ぼすと思われる。本論では,まずWCAG 2.0ワーキングドラフトを解説し,次に,WCAGなどのガイドラインを活用してアクセシブルなWebを推進するために必要な基礎知識を述べる。
著者
菅野 育子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.162-166, 2007 (Released:2007-06-01)
参考文献数
12

書誌記述における雑誌名と機関名の表記については,その取り巻く環境に大きな変化が見られる。SIST 05およびSIST 06が制定された1981年においては,書誌データベースの採録時に書誌記述を可能な限り略記することが望まれていた。そのため誌名の略記や機関名の略記が求められ,その中で統一した書誌記述を目的とする基準制定であった。しかし,現在は二次資料作成の効率化が図られ,完全誌名,正式機関名の採録が容易となった。2007年に改訂された新基準SIST 05とSIST 06について,その改訂内容について詳しく述べる。
著者
野口 契子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.733-742, 2009 (Released:2009-01-01)
参考文献数
11

日本ではWeb2.0 への関心はすでに薄れていると聞くが,むしろ新技術により創られたWeb2.0の環境はこれからも発展し続け,利用人口も増加し続けるという考え方にたち,Web2.0によってもたらされる情報リテラシーの見直しと実践について焦点をあてたい。まず,Web2.0の特性と情報リテラシーの関係を述べる。次に,北米の図書館でのWeb2.0の考えや技術を使用した事例を挙げ,情報リテラシーの面からどのような点に注意すべきかを論じる。さらにcritical thinkingを紹介し,情報リテラシー教育の重要性を喚起する。
著者
伊藤 民雄
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.174-183, 2008 (Released:2008-06-01)
参考文献数
14

実践女子大学図書館は,利用者に対して,増加し多様化する電子リソースコレクション,あるいは教員指定図書を効果的に提供する方法としてOPACを選択した。電子リソースの検索対象は,契約コンテンツのみならず,フリーコンテンツの青空文庫やProject Gutenbergなどの作品や政府刊行物にまで拡大した。また,いまだ把握されていないオープンアクセスの和文電子ジャーナルリストの整備を独自に行い,検索可能とした。本論では,当館が2007年度から提供を開始したOPACと横断検索の概要,特徴,諸機能および今後の課題について述べる。
著者
母良田 功 長縄 友子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.631-641, 2008 (Released:2008-12-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

日本薬学図書館協議会はNPO日本医学図書館協会と協同で電子ジャーナル・コンソーシアムを形成し,版元と電子ジャーナルを中心とした電子情報資料等の利用契約に関わる交渉を行っている。医図協/薬図協電子ジャーナル・コンソーシアムは欧米のコンソーシアムと違い,1)参加館が自館に有効なコンソーシアム提案を,任意で契約できる,2)企業も参加できる契約があるという点に大きな特徴がある。電子ジャーナル・コンソーシアム設立の経緯,これまでの活動経過,2007年の契約状況,今後の課題について述べる。
著者
CHU Jingli XU Rujing:著 澤田 裕子:訳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.739-745, 2005 (Released:2005-02-01)

1950年に設立された中国科学院文献情報センターは国家科学図書館に成長し,自然科学と応用技術の基礎分野における文献を包括的,体系的に収集,保存,利用提供している。また図書館および情報サービス,情報研究,公文書管理,科学文化コミュニケーションのプログラムを総括し,図書館,情報科学の大学院教育も行う。同文献センターの新館は2001年に完成し,中国のシリコンバレーといわれる北京の中関村地区に位置する。また中国各地に所在する中国科学院の専門研究所の図書館情報サービスのサービスプラットフォームの機能をもつ。本記事では,同文献センターの情報資源の構築とサービス,情報研究とサービス,図書館学および情報科学教育,他国の該当機関との科学交流,国家科学技術図書館システムについて述べる。
著者
太田 暉人
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.612-614, 2008 (Released:2008-11-01)
参考文献数
3
被引用文献数
2 1
著者
梶原 修
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.588-602, 2008 (Released:2008-11-01)
参考文献数
27

大阪府立中央図書館では資料展示と参加型情報サービスを連動させることにより,社会的課題についての情報提供を始めている。図書館の所蔵資料だけでは解決できなかったより専門的な課題について裁判員制度ミニフォーラムで解決できた事例と,資料展示で紹介したテーマについてサイエンスカフェで会話することによって理解や興味が深化した2つの事例を紹介する。加えて,図書館にない情報を提供することの意味と,図書館で地域住民と専門家が一緒に未来を考える価値について考察する。
著者
鹿島 勇 熊坂 さつき 川股 亮太 香西 雄介
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.403-413, 2005 (Released:2005-10-01)
参考文献数
26

医用画像のデジタル化が進行し,コンピュータによる画像解析や診断支援(CADM)の手法の開発が盛んに行われている。我々は,デジタル画像の特性を生かした骨構造解析の手法を開発してきた。しかし,近年の画像の高精細化と多次元化の結果として,発生する情報量と処理,保管および伝送にかかる負担の急激な増加が見込まれ,情報の圧縮は必須(す)である。ところが,視覚的な画像診断に供する場合と比べ,コンピュータによる解析や診断支援の手法の開発をする場合,圧縮による画像の情報量低下の影響は大きい。本稿では,我々の行っている骨粗鬆(しょう)症のための骨構造解析,およびこれに適した圧縮法と考え研究を進めているウェーブレット変換による画像圧縮について報告した。