著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.881-891, 1992-01-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
3

Vol.33 No9,10,11の「シンクタンク」(1),(2),(3),の続編として,総合研究開発機構が実施したアンケート調査を分析·評価するとともに『シンクタンク年報1990』を用いて,我が国のシンクタンクの現状分析を行い,形態:公益法人,職員:68名,研究者:23名,全収入:約7億円,調査収入:約2億円,主たる研究分野:国土開発·利用および産業·経済,報告書数:25冊,自主研究の割合:15%,報告書の公開割合:12%とする平均的な姿を描いた。さらに研究員50人規模のシンクタンクを設立する場合の条件として,財政面では継続した資金調達が,人材面では優秀な人材の確保が重要であることを指摘した。
著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.983-994, 1992-02-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
1

今後の複雑な国際関係を考えると公的シンクタンクの役割が期待されるとし,特殊法人形態で研究実績を有する「総合研究開発機構」と「アジア経済研究所」をとりあげ事業内容を述べた。前者は行政レベルと政党レベルの要請から設立されたが,政治,経済,社会,国際関係といった広い分野について自主研究,委託研究,助成研究を行うとともに,海外シンクタンクとの国際交流も活発に行い,さらに我が国のシンクタンクを育成している。また後者は,世界の発展途上地域における経済分野の調査研究を行うとともに,海外機関との国際交流や共同研究,情報の収集活動力を注いでいる。また最近人材養成を目的として開発スクールを発足させた。
著者
村田 茂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.85-94, 1983 (Released:2012-09-28)
参考文献数
21

図書館業務のコンピュータ化が進むにつれて, 中国語で書かれた文献をどう扱うかが大きな問題となってきている。本稿では, 図書館員との対話を通じて, 字体問題, 文献検索方法問題, 中国文献取り扱いの基本思想問題, の3問題を論じた。また, それらの問題の根本に位置する, 中国語における情報とは何か, という問題を探った。最後に, 中国語情報の組織化の方途を論じ, 中国語機械辞書システム開発の必要性を展望した。それぞれの議論においては, 中国の動向についての分析を加えた。
著者
山岸 順一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.882-889, 2015-03-01 (Released:2015-03-01)
参考文献数
32
被引用文献数
3 4

本稿では,統計的音声合成技術および声質変換技術の医療・福祉応用に関し,最先端研究成果をわかりやすく紹介する。筋萎縮性側索硬化症(ALS)等により発声機能を失いつつある障がい者の声をコンピューターに模倣させ,障がい者本人の声で音声出力を行う音声合成技術や,電気式人工喉頭を利用した喉頭摘出者や構音障がい者の声を自然で聞き取りやすい音声へリアルタイムで変換する技術等,新たな研究が音声情報処理分野において近年積極的に行われ,音声の障がい者のQOL向上に貢献すると考えられる顕著な研究成果も存在する。喉頭摘出者およびALS患者によるケーススタディーを紹介した後,現在の研究課題についても概説する。
著者
長谷川 貞夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.33-41, 1978-04-01 (Released:2016-03-16)
参考文献数
15

視覚障害者の文字である点字と普通文字を,できるだけ人手を介さずに相互変換することは非常に重要なことである。そのためには3つの条件が必要である。第1は,点字と電子計算機を結ぶ各種の点字用入出力装置をつくることである。第2は,点字には漢字がないので点字の漢字をつくるか,または,普通文字の漢字とカナの点字を相互変換するかである。第3は,点字と普通文字または普通文字と点字とを変換する各種のンフトウェアを開発することである。これらの問題を手がけ,点字による漢字入力および自動代筆,自動点訳において実用の段階に達した。
著者
加藤 浩一郎 石井 和克 須川 成利
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.105-112, 2006 (Released:2006-06-01)
参考文献数
8

本研究は,特許出願を行うかどうかを判断するための発明評価とその項目について,調査・研究を行い,発明の内容(分野)や企業,特許戦略等にかかわらず各社共通となる評価項目とその重要性を明らかにする。また,本研究は,この結果に基づいて,発明評価をできるだけ共通的かつ客観的に行うためには具体的にどのようにすればよいかを検討する。
著者
箕輪 成男
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.869-881, 1985 (Released:2012-09-28)
参考文献数
20

異言語間のコミュニケーションは, 一方または双方がバイリンガルで, かつ当事者間に共通言語が存在する場合以外, 誰かバイリンガルな第三者の媒介を得なければ成立しない。そうした媒介に通訳と翻訳がある。実務的な通訳は二つの異なる民族が接触するとき, いつでも発生するのが, 高度な知的作業としての翻訳は, いつでも成立するわけではない。系統的翻訳事業が行われるのは, 民族が知的活性に富み, 外界から学ぶ姿勢を堅持する時代においてのみである。本稿では, 通訳から翻訳へという異言語間コミュニケーションの発展過程をたどった後, (1) 中世, (2) 近代への過渡期, (3) 現代, の三つの時代について, 翻訳出版の歴史的事実を分析する。最後に(1) 孤立国, (2) 国際化社会形成国, (3) 文化的従属国の三つのモデルを設定し, そこにおける国際コミュニケーションの態様と, その文化的含意を探る。
著者
飯塚 泰光
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.707-722, 1995-11-01 (Released:2008-05-30)

注目のインターネットの中で,商用分野の利用が特に伸びている。インターネットの歴史の中で,商用サービスを提供するプロバイダーが誕生してまだ日が浅い。そのプロバイダーの仕事内容について説明した。サービスの内容と仕組み,使用できる機器,利用事例,プロバイダーのこれからの役割について,また記述されている。実際の現場で,実際に動いている内容についても触れた。特にサービスの仕組みについては詳しく述べており,これからインターネットを始めるユーザにとって,各サービスの違いが理解できる。
著者
辻丸 光一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.17-24, 2003 (Released:2003-04-01)

バイオテクノロジーの進歩は医療を大きく変えつつあり,遺伝子治療,細胞治療および再生医療等の先端医療が実用化されようとしている。これらの最先端医療は,従来の医療と異なり,医療技術を開発する企業の役割が重要であり,特にバイオベンチャー企業の役割が大きい。企業の技術開発を保護する手段として特許制度があるが,日本の特許制度は,医薬品や医療機器の特許は認めるものの,医師が行う医療行為そのものを特許の対象としない。これに対しては,産業界を中心として疑問が投げかけられ,医療行為を特許の対象にすることの是非が活発に議論されている。本稿では,先端医療に関する特許の現状を解説するとともに,その問題点についても論及する。
著者
平井 昭光
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.858-867, 2003 (Released:2003-03-01)

マテリアル・トランスファー・アグリーメント(MTA)とは,研究・開発の結果生まれた成果物のうち,さらなる研究の対象となる研究材料の移転を取り扱う契約である。この対象となる研究材料には,有体物およびデータなどの無体物が含まれる。従来,日本においては,特にアカデミアの領域においてMTAを活用する例が少なかった。今後,産学官の連携が進むとともに研究材料の流通が非常に重要となることが予想され,各組織および各研究者がMTAを適切に利用することが肝要となろう。また,MTAポリシーの策定により,その帰属および処理のシステムが整備され,明確かつ利用しやすいものとなることが望まれる。
著者
兼子 利夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.610-618, 2005 (Released:2005-12-01)
参考文献数
7

世界的に1990年代からインターネットとPCが急速に普及し始め,産業活動はもちろんのこと一般社会にもその活用が広がりつつある。そのひとつのビジネス形態が,電子商取引である。各国の政府機関等では,これらの情報技術(Information Technology: IT)を積極的に政策に取り込み,自国のIT政策として展開している。本稿では,最初にスウェーデンのIT政策の経緯を述べ,そして,同国のIT政策の基本である「全国民のための情報社会」の概要について述べる。次に,情報技術クラスターの現状について,最後に,IT産業の一分野としてデジタル・ゲーム産業とIT政策戦略グループについて記述する。
著者
宇津野 宏二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.391-399, 1980-08-01 (Released:2016-03-16)
参考文献数
3

JICSTはオンラインによる情報流通を推進しているが,その普及に伴って,1次資料提供問題が要となることに監み,その対応策として練馬区旭町に情報資料館を建設した。情報資料館の機能は,JICSTが収集する資料の10年分約100万冊の情報資料を保管できるとともに,保管資料の複写業務,閲覧サービスを行うものである。これらの機能を果たすための情報資料館の建物,設備の概要について述べた。また,今後情報資料館で取り組むべき課題についても触れた。