出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1226, pp.32-35, 2004-01-26

見た者は一生カネに困らない——。そう言い伝えられてきた銭形の砂絵が、香川県の西端、観音寺市にある。瀬戸内海沿いの浜辺に、東西122m南北90m、溝の深さは2mを優に超える巨大な「寛永通宝」が鎮座する。江戸時代、丸亀藩主の視察を歓迎するために住民が一夜で彫り上げたと伝えられている。金運に恵まれるという御利益を求めて毎年大勢の観光客が訪れる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1356, pp.30-33, 2006-09-04

真夏だというのに、おでん売り場には若い女性客が殺到し、飛ぶように売れていく。ここは、北京市でも有数のオフィス街にあるセブンイレブン建国路現代城店。時計の針が正午に近づくと、財布と携帯電話を手にしたOLたちが集まってくる。 カウンターには日本のコンビニエンスストア同様、たくさんのおでん種が並ぶ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1587, pp.70-72, 2011-04-18

首都圏に網の目のように張り巡らされた鉄道路線。地下鉄や私鉄各社による相互乗り入れも年々増え、日本が世界に誇る交通インフラだ。しかし、各路線が複雑に結びついているからこそ、どこかで事故が起これば運行ダイヤが広範囲で乱れ、通勤ラッシュ時などには数十万人単位の影響が出る。 ダイヤが乱れる大きな要因となるのが人身事故。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1389, pp.34-43, 2007-04-30

そこには振り袖を着た胎児性水俣病の女性とその家族が写されていた。母親の胎盤を通じて有機水銀に侵され、生まれながらにして水俣病患者となった上村智子。その成人式の晴れ姿を写した1枚だった。 1977年に撮られたこの写真。抱きかかえた娘を見つめる父親の、澄み切った笑顔が印象的である。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.971, pp.144-146, 1998-12-28

インターネットを活用した新しい闘病スタイルが台頭している。ときには、治療の選択や患者の闘病意欲を左右するほどの効果がある。 伊予銀行に長年勤めてきた小田耕作さん(51歳)はそんな闘病を実践している好例だ。「病気になるまで10年間は単身赴任で各地を転々としていた。われながら朝から晩までよく働いていたものだ」。ご多分にもれない、がむしゃらビジネスマンだった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.991, pp.73-76, 1999-05-17

電機メーカーに勤めるAさん(30歳)は、朝、出かける前に決まってすることがある。朝食のトーストをほおばりながら、片手に持った携帯電話を操作して、仕事関連の電子メールが届いていないかチェックする。今日のスケジュールに変更がないかを確認するためだ。 通勤電車に飛び乗ると、再び携帯電話を取り出して、今朝のニュースを読み始める。すると突然、携帯電話が振動した。
著者
岩田 彰一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1075, pp.136-140, 2001-01-22

2001年1月4日。アスクル社員は21世紀の仕事始めを新しいオフィスで迎えた。東京・江東区辰巳にある同社の物流センターの5階部分を改築したオフィスの床面積は1000坪(約3300m2)。窓からは東京湾を望み、空調用のパイプが這う高い天井が倉庫の名残をとどめる。体育館を思わせる広いフロアには全長50mのブリッジが架けられ、オフィス全体を俯瞰できる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1027, pp.74-77, 2000-02-07

「株式投機を無用なものだとは思わない。なぜなら、株によって多くの人々が痛めつけられて、まじめな仕事に戻るからである」(ヘンリー・フォード『TODAY AND TOMORROW』) 1990年1月4日。仕事始めの朝、東京の空は真っ青に晴れ上がっていた。晴れ着姿の女性が、証券界の中心地、兜町にも彩りを添えていた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1343, pp.30-33, 2006-05-29

女性用下着大手、トリンプ・インターナショナル・ジャパン(東京都大田区)の吉越浩一郎社長は、1992年の社長就任前夜にドイツ人オーナーが語った一言が今も忘れられない。場所はトリンプグループのアジア拠点である香港オフィス。オーナーは吉越社長に日本市場の攻略法を助言した。 ドイツ人のオーナーが「シンセイヒン」という単語だけは日本語を使ったことが強く印象に残った。
著者
安藤 忠雄 野村 裕知
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1139, pp.98-101, 2002-04-29

問 最近、人口の都心回帰が顕著になる一方で、大阪を含めた地方都市の衰退が目立っています。こうした現象をどのように見ていますか。 答 確かに、僕が生まれ育ち、そして現在も活動の拠点にしている大阪も衰退の一途をたどっています。大阪も30年ほど前までは東京に次ぐ都市として繁栄してきました。その大阪がなぜこうも衰退していくのだろうと考えざるを得ない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1476, pp.25-27, 2009-02-02

今年の元旦から1月3日まで実施した、イトーヨーカ堂の衣料品現金還元セール。既に値引きしてある商品も、さらに最大で3割を「お年玉」として払い戻す販促だ。狙い通り、売り場のコートやセーターにお客が群がった。 だがすべての衣料品が売れていたわけではない。このセールは皮肉にも、こうしたカンフル剤すら効かない衣料品の多さを浮き彫りにした。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1335, pp.34-39, 2006-04-03

ソニーが今年のクリスマス商戦に向けて、世界で薄型テレビ「ブラビア」を大増産する。スペインのバルセロナ工場、スロバキアのトルナバ工場、メキシコのティファナ工場では、生産設備や人員の拡充を急いでいる。その1つ、バルセロナ工場では昨年、薄型テレビを120万台出荷したが今年の目標は200万台。生産能力はさらに上を目指し、年末までに300万〜350万台に引き上げる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.950, pp.23-25, 1998-07-20

今年4月15日、フランスの高級かばんブランド、ルイ・ヴィトンは、名古屋駅前の名鉄百貨店1階に、百貨店内の店舗としては最大の広さをもつブティックを開店した。 「予想以上にルイ・ヴィトンの集客力は大きい。長年、交渉して入ってもらった甲斐がありました」。名鉄百貨店の河地信利・特選担当ディビジョンマネジャーは手放しで喜ぶ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1164, pp.176-180, 2002-10-28

A. 株式投資の利益控除など、様々な優遇措置がぎゅうぎゅうに押し込まれた新証券税制。だが、もともとは源泉分離と申告分離の2本立てとなっている株式の譲渡益課税を申告分離課税方式に一本化するのが出発点だった(下の図)。数々の優遇税制は、個人に有利な面もあった源泉分離課税を廃止する見返りに設けられたと言っていい。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1694, pp.28-31, 2013-06-10

不動産経済研究所の調べによれば、2013年4月に首都圏で販売され、「瞬間蒸発」つまり即日完売したマンション物件は14物件551戸に上る。1戸当たりの平均価格は4728万円(前年同月比で314万円上昇)、1m2当たりの単価は66.1万円(同4.1万円上昇)と、いずれも5%以上の…
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.999, pp.73-76, 1999-07-12

最も話題になったのが、ソニーが発売したイヌ型ロボット「AIBO(アイボ)」。6月1日に5000台限定で予約販売するや否や、25万円という価格にもかかわらず、日本ではわずか20分、米国でも4日間で完売した。 「在庫の山になったらどうしようかと心配したが、まさかこんな人気になるとは」。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1471, pp.82-84, 2008-12-22

まもなく大晦日。日本人の師走の恒例行事と言えば、クリスマス、ではなく大掃除だろう。しかし今年、掃除機の世界で「静かな戦争」が起きていたことをご存じだろうか。 ここ数年、家電各社は掃除機の技術革新を続けてきた。最新機種では、以前から指摘されていた「吸引力の低下」や「排気の臭い」といった不満点の多くが克服されている。
著者
今原 禎治
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.987, pp.94-96, 1999-04-19

昨年のクリスマスに東京・兜町で開かれた未来証券の設立記念パーティー。社長の今原禎治は、多数の招待客やマスコミのカメラレンズの焦点が集まる壇上に立つのを一瞬ためらった。 72歳。こんな年で子供が生まれれば「恥かきっ子」と呼ばれてしまう年齢だ。悲願だった自前の証券会社とはいえ、遅れて授かった我が子のような存在を語るのに、照れがあったのかもしれない。
著者
江村 英哲 小瀧 麻理子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1567, pp.70-77, 2010-11-22

11月2日午前5時。小雨がぱらつく中、トラックはベトナム中部にある古都フエをラオスに向けて出発した。 夜明け前の真っ暗い舗装道路はバイクとトラックがびゅんびゅんと何台も走り、かなりの交通量だ。マブチモーターなど、日系企業が集積する中部の工業都市ダナンの港から、部品などの搬送が増えているのだという。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1248, pp.159-161, 2004-06-28

東京湾岸沿いにあるビル10階の大部屋に一歩足を踏み入れると、熱気が伝わってきた。20〜30代を中心に40人ほどが6つのテーブルに分かれ、真剣な眼差しで議論を戦わせている。「お客様のニーズは何なの?」「競合もあるから厳しいよね」…。6月18日の午後1時前に始まった議論は、延々5時間余りも続いた。 これは日本軽金属が取り入れている「事業化実践チーム研修」の一幕。