出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1403, pp.128-131, 2007-08-06

「何、メロンを丸ごと1つ食べちゃったんですか? それじゃあ、糖分を取りすぎだなぁ」 夕張市に次ぐメロンの産地として知られる北海道むかわ町の穂別地区。その中心部にリニューアルオープンした町立診療所の診察室から、こんな苦笑交じりの声が漏れてきた。 声の主は所長の一木崇宏(43歳)。患者に優しく語りかけるソフトな対応と真摯な姿勢に、患者たちは信頼を寄せる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1597, pp.26-31, 2011-06-27

アシックス執行役員、池田新が社長の和田清美(当時)から、突然の指令を受けたのは、滞在していた米ニューヨークのホテルのバーだった。 2006年11月。翌年2月に東京で開催される東京マラソンのスポンサーとなっていたアシックスの和田は池田とともに、ニューヨークシティマラソンの視察に訪れていた。
著者
高原 須美子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.964, pp.131-134, 1998-11-02

今年3月に、セントラル・リーグの会長に就任した私にとって、初めてのシーズンは考えさせられることの多いものでした。会長の仕事は、就任前に予想していた以上に大変なものだと実感しています。これまで、一ファンとして、野球を楽しんできましたが、今年は立場が変わったことで、試合の見方そのものが変わってしまいました。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1030, pp.115-117, 2000-02-28

昨年12月27日に開かれた日本オリンピック委員会(JOC)の臨時理事会で、私はJOC内に設けられている専門委員会の委員をすべて解任されました。JOCの八木祐四郎会長からは12月8日に辞職を勧告されていましたが、理由に納得しない私が頑として応じなかったので、強行策に出てきたのです。更に2月15日の臨時理事会では、理事そのものの解任も決議されました。
著者
江頭 邦雄 原田 亮介
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1248, pp.102-105, 2004-06-28

問 業績好調ですね。2004年3月期に連結売上高が初めて1兆円の大台に乗りました。海外事業の伸びが大きく、売上高構成比で2割を超える。世界の市場を耕す秘訣は何ですか。 答 前期は連結対象118社の売上高が1兆395億円、営業利益も651億円と過去最高でした。今期はROE(株主資本利益率)が10%(前期8.9%)に達する見込みです。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1583, pp.90-93, 2011-03-21

パナソニックのインド駐在員は、販売代理店から言われた一言が頭から離れない。「いつまでインドにいますか。パナソニックは信用できない」。 なぜ日本企業はこれまで新興国市場で優位に立てなかったのか。サムスン電子や現代自動車など韓国勢の後塵を拝してきたのはなぜか。パナソニックのインド事業にはこうした反省と反攻のヒントが濃密に詰まっている。
著者
磯山 友幸 伊藤 暢人 永井 央紀
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1475, pp.20-35, 2009-01-26

世界同時不況が直撃し、急速に冷え込んだ日本経済。企業の決算期が集中する3月末に株式評価損の拡大が一段の株安を呼び信用不安が連鎖的に広がる、いわゆる「3月危機」への懸念が広がっている。しかし、取材班が全国各地の中堅・中小企業を訪ねたところ、危機はさらに前倒しで到来する可能性があることが分かった。それは2月だ。
著者
作田 久男 井上 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1347, pp.64-66, 2006-06-26

問 前期の決算は連結売上高、営業利益とも過去最高でした。社長就任以来、進めてきた構造改革の成果が表れてきたようですね。 答 ROE(株主資本利益率)が10%台に回復し、これを維持できる段階に来ました。2004年、柱の1つだったATM事業を日立製作所との共同出資会社に移すなど、痛みを伴う改革を続けてきた結果です。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.924, pp.99-102, 1998-01-19

昨年の香港の天気は異常続きだった。6月下旬から降り始めた雨は、中国に返還される真夜中にピークに達した。150年余り続いた英国植民地に別れを告げる哀かなしみの雨は、バブル崩壊で一転、悲しみの雨に変わった。 乾期の11月は本格的な観光シーズンだが、円安が日本人観光客の激減に拍車をかけた。街の雑踏は以前と変わらないが、高級ホテルのロビーは閑散としている。
著者
桐山 秀樹 中溪 正樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.979, pp.92-94, 1999-02-22

昨年末から年始にかけての国内航空9社の輸送実績は、国内線が前年同期比0.3%増の285万7000人、日本発の国際線が同6.3%増の30万4000人と、ともに前年を上回った。 なかでも運賃半額をひっさげて登場したスカイマークエアラインズと、約半年遅れで羽田〜新千歳間に就航した北海道国際航空(AIR DO=エア・ドゥ)の新規参入組2社の好調ぶりが目立つ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1032, pp.60-64, 2000-03-13

「儲かってもいないのに、社会奉仕は続けられない。これからは経営の安定化が課題だ」。スカイマークエアラインズ(東京・港区)の創業者である澤田秀雄会長はこう強調する。国内航空運賃の価格破壊を巻き起こし、利用者から喝采を浴びたスカイマークだが、経営的には苦戦が続いている。 株式を公開していないため、これまで同社の業績は外部からは見えにくかった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1481, pp.28-30, 2009-03-09

レンゴーの大坪清社長は眼前に映る産業界の風景に違和感を覚えている。理由は2つ。第1は、業績悪化を理由として、我先にと人員削減に乗り出している大手企業の振る舞いだ。1年前まで好業績を謳歌してきたトヨタ自動車やキヤノンなども大幅な雇用調整を始めた。「ほかの企業も流れに乗っかり、雇用に手をつけている。一種の流行になっているのはいかがなものか」。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1256, pp.48-53, 2004-08-30

「経営者の資質はどうだ」「リスクを考えたらもう少しレートを上げる必要がある」…。 毎月3回、東京都港区芝にある本社ビル12階で開かれる投・融資等委員会。宮内義彦会長、藤木保彦社長以下幹部が顔を揃え、矢継ぎ早に質問を浴びせる。持ち込まれた案件のリスクとリターンを検証し、次々と投融資の可否を決定する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1530, pp.50-53, 2010-03-01

1月28日。ソニー会長兼社長のハワード・ストリンガーは、パソコンを手がけるVAIO(バイオ)事業本部の役員や管理職と東京都内で会食した。その場のやり取りがストリンガーの心を打った。 「直前に東京で家を買ったんですけど…」。ある管理職がこう打ち明けた。「でも、長野に行きます。
著者
毛利 衛
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1074, pp.68-72, 2001-01-15

昨年9月26日、霞が関ビル(東京・千代田区)内のホール「霞の間」で、ある記者会見が開かれた。会見の主役は宇宙飛行士の毛利衛。2001年7月に科学技術振興事業団が東京・台場に開設する「日本科学未来館」の館長への就任発表が目的だった。 日本科学未来館は地球環境、生命科学、技術革新、情報科学の4分野をテーマにした科学館。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1289, pp.50-55, 2005-04-25

雨はいつの間にか霙みぞれに変わっていた。2003年12月16日夜、冨山和彦は山形県鶴岡市のバスターミナルに降り立った。客席が半分も埋まっていない仙台発の路線バスに揺られ、2時間半をかけての到着。既に暗闇となったターミナルに人影はない。冨山はホテルに荷物だけを置くと、同行した部下と2人で寂れた居酒屋に入った。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1084, pp.36-39, 2001-03-26

3月9日。外には小雪が舞っていたが、兵庫県西宮市役所に隣接するアミティホールは、熱気に包まれていた。ダイエー近畿地区のマネージャーが集まった総会は、開演から30分が過ぎていた。社長の高木邦夫が話を終えると、会場は主役の登場を前に静まり返った。その沈黙を破るように、会場にナレーションが流れる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1245, pp.42-44, 2004-06-07

「特許の対価が2億ドルだって! 200万ドルの間違いじゃないのか」。米ベンチャー経営者に元日亜化学工業の中村修二の裁判で下された発明の対価を告げると、一様に目を丸くする。 日本でこれだけ職務発明に関する紛争が起きるなら、訴訟社会の米国ではさぞやたくさん裁判があるだろう…。日本人の多くがこう思うのは自然なことだが、現実は正反対だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1520, pp.28-31, 2009-12-14

長野県松本市。北アルプスを遠くに望む工業団地の一角に、泉精器製作所の本社はある。電気シェーバーを筆頭に、毛玉取り機や「ミルサー」といったアイデア商品で一世を風靡した同社だが、今年8月、民事再生手続きを申請した。 「後悔ですか。それはメガバンクをメーンにしていたということですよ」。泉俊二社長は、悔しさをにじませながら現在の心境を打ち明けた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1317, pp.58-61, 2005-11-21

「国際線参入当初は何もかもが手探り。ウイスキーの注文があると、いちいち分量を測ってからグラスに移し、お客様に『遅い』とお叱りを頂いた。あれから20年。全路線でトップという結果は感慨深い」 今年の「企業トップが選ぶベストエアライン調査」では、全日本空輸が国際線の北米、欧州、アジア・オセアニアの各路線で総合トップを獲得し、3冠を達成した。